COLUMN

2015.12.28 DESIGNER

スーツとジャケット

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.53
2015年も終わろうとしています。皆さんの一年はいかがだったでしょうか?私自身は年々歳を重ねるにしたがって時が経つのが早くなり、あっと言う間の一年で、アメリカ西海岸でのカタログ撮影と30周年イベントを無事終える事ができました。

最近、封切りになった映画の007「スペクター」のダニエル・クレイグのファッションが話題になっています。ダニエル・クレイグは、今迄のジェームズボンドが180~190センチだったのに、178センチと小柄なボンド役なのですが、厚い胸にトムフォードファッションが似合って、特にスーツでのアクションが話題です。ジェームズボンドと言えば20年か前からローマに本店があるブリオーニのスーツを着ているのが有名でしたが、最近の3作はトムフォードになりました。昔からジェームズボンドのスーツは胸ポケットには四角いポケットチーフが入っていますが、こればTVフォールドと言って1960年代のTVのニュースキャスターが好んで使ったスタイルから呼ばれていますが、ジェームズボンドのスーツに使われる事からボンドスタイルとも言われています。今年の当社の新作展示でのスタッフの決まり事としてこのボンドスタイルのチーフが胸ポケットに入っていたのを気がつかれましたでしょうか?

先日まで新作のプロモーションで各地を歩いていましたが、そこで何人かのお客様に着ているスーツはどこで?オーダーですか?と聞かれました。昨年、私が着ていたスーツを覚えていらっしゃる方がいてびっくり、よほど印象的だったのでしょうか、、。スーツやジャケットはオーダーで作る事もありますが、多くは吊るし(既製品)です。でも、その既製品も必ずお直しをします。人の身体は左右対称ではありません。私も左右の手の長さが1センチくらい違います。その手に合わせて腕の長さを調整します。これはスーツ、ジャケットだけでなくコートでもです。スーツは手に合わせて決めたシャツに合わせて長さが決まりますし、そのジャケットに合わせてコートも肩幅や腕の長さが決まってきます。冬用のジャケットならインナーのセーターを薄手、厚手によって胴回りが変わってくるので、何をシャツとジャケットの間に着るのかで変わってくるので、少し複雑です。あまりにぴったりの物にしても動きずらくなり、着ているうちにインナーに引っ張られて形が崩れてくるので、ある適度動けるような余裕が必要で、余裕が有りすぎると首回りが開いたり、背中にシワが出てくるので、程よいサイズ感が大切なんです。それと体型の維持、、。これが難しい。

基本スーツやジャケットは椅子と同じで、後ろ姿が基本と思っているのですが、自分の後ろ姿を見る事は出来ないので、親しい店員さんを信じるしかありません。歯医者さんや散髪と同じで、自分の事を分かってくれている店員さんに出会える事がファッションでも大切です。当社も皆様の良き理解者になれているでしょうか?そんな営業になれるように当社スタッフも頑張ってくれていると信じています。当社の家具も脚の長さ、テーブルのサイズなどお直しが可能です。自分だけ、お客様に合う家具になるようにご指示下さい。

さて、2016年はどういう年になるのでしょうか。西海岸ファッションやインテリアがこの数年メインでしたが、そろそろ新しい風が吹いてくるように感じています。新しい情報をお届けできるように頑張ります!お楽しみに。                                          (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

2015年9月のロケの際にカメラマンのドミニック氏に撮影してもらったポートレイトです。右側は新カタログで使用しました。ジャパニーズマフィアと言われましたが、、。アンコンストラクテッド仕立てと言われる芯地やパッドが入っていない仕上げです。シャツのように軽いのですが、体型がもろに出ます。