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デザインは構造を考えるという事

2017.11.30

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.79
東京から始まった2018年モデルの新作発表会は、先週の大阪で新作展示会が終わりました。今回の新作はいつも以上に中身に時間をかけた作りが多く、見えない所に時間を費やしました。お客様からは椅子やソファの座り心地の良さの感想をいただきました。その中でもダイニングテーブルのデザインと伸長式の機能についてかなりの反響をいただきましたが、製品だけ見られた方は、スムースな動きの伸長機能が、既製品を使って動いていると思われた方もいらっしゃいました。

西洋では昔から伸長式のテーブルは来客用のフォーマルダイニングに使用されていますが、モダンなタイプが少なく、セットした後の移動が困難だったり、伸長する場合にテーブル上の物を全て取りのぞく必要があったり、天板の厚みがあるのでアームチェアが中まで入らなかったりと、ウィークポイントがいろいろあります。当社のMD-802はモダンなフォーマルダイニングテーブルとして使用可能で、伸長式に見えない完成されたデザインを目指しました。また、テーブルとしての十分な強度と、可動時の耐久性を持たせるように、伸長機能の強度にもこだわり、オリジナルの機構を設計し完成させ、特許出願を行いました。お客様からはトライ&エラーを繰り返して何度もの試作を行ったんでしょうね?と言われましたが、設計に時間はかかりましたが、2度の試作で完成する事ができました。

デザイナーは表面の形を考える事が仕事と思われていますが、私自身は家具は構造も考えるのがデザイナーの仕事と思っています。椅子は構造体がそのままデザインで、構造とデザインは同じです。子供の頃にスーパーカーブームだった時に、レーシングカーやバイクのデザイナーになりたかったのも、表面の形だけでなく、中身と一緒に考えないと機能的な形ができない事をなんとなく感じていたからだったのを記憶しています。動く物は何でも好きで、小さな頃からなんでもバラして組み立てるような事をしていて、今では車やバイクの足回りやエンジンなどバラしています。車やバイクのエンジンや足回りは機能的に考えられていて、耐久性にも優れた設計がされていて、家具の設計に参考になる事が多くあります。若い人には、どんな構造にも考えられた機能があるので、表面より中身を見た方が良いと言います。また、形には意味と理由があり、デザインも同じで、理由が無いデザインは価値が低いと話をします。

新作の伸長式のテーブルは引出しのように天板が出てきて、天板のトップと同じ高さに上がり、固定する事が条件で、スライドと上昇して戻り止まるという動作が求められました。最初に動作姿を決めて機構を考えて行き、動作するスライド量から脚の位置が決まり、動きから機能のスライドレールを考えました。今はCADがあるので、精度ある図面と動きのシュミレーションを描く事ができるので、昔のように手書きの図面から想像するだけでなく、比較的早く形にする事ができました。でも、最初は頭の中の動きを手書きのスケッチにして、出張中の機内でペンで手帳に書いた絵が基本設計をして設計をしました。動きは模型を作って確認し、実際の伸長時と納まり時のカクッとある手応えのあるキャッチは試作時に修正して完成させました。完成した形はシンプルで動きもスムーズなので、サラッとしたデザインと設計に見えますが、頭の中では何度もシュミレーションして創り上げた物なんです。私自身、サラッと簡単に見えて実は難しいデザインの方が好きなんです。

新作展示会も終え、各ショールームには新作が展示されてます。お忙しく発表会へ来られなかった方はぜひ、新しい伸長式のテーブルや中身にこだわった椅子、ソファをお確かめ下さい。かなりの自信作です!
(クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)
MD-802のエクステンションテーブル。MD-802-180 W1800からW2300へ片側W250ミリづつW500伸長します。
テーブル木口に納まっている時には伸長式とは見えません。
左上:エーディコア・ディバイズのテーブルは裏の仕上げが必須なので、伸長した天板裏も仕上げています。
左下:天板が移動する動作方法を決めて、右下:動作させる為のスライドレールの溝形状を考えました。

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