DESIGNER’S VOICE

CREATIVE DIRECTOR

CREATIVE DIRECTOR

“ 理念という言葉を形と製品にする事は出来ません。
我々が送り出せるのは、実際にデザインされ、生活の中で使う、家具だけです。
その家具に込められた考え方のひとつが、我々の理念になっています。
美しいもの、人が暮らすスタイルを個性的にサポートするもの、時代のトレンドに流されないもの、
グローバルな視点をもつもの、環境に配慮されたもの、永く使う事ができるもの、
コスト・パフォーマンスを充分に考慮したもの、そして、使う人のこころを満たしてくれるもの。
そんな家具を1984年から、一貫してつくり続けてきました。
この歴史が我々の理念と呼べるのかもしれません。”

CREATIVE DIRECTOR

DESIGNER PROFILE

瀬戸 昇(せと のぼる)

1962年 高知県生まれ
1983年 九州産業大学芸術学部インテリアコース卒業
1985年 エーディコア設立デザイナーとして参加
1993年、2003年 グッドデザイン賞受賞

エーディコア・ディバイズ唯一のインハウスデザイナーとして、
オリジナルブランドを創出。
2004年からミラノサローネやLA建築とインテリアデザイン等、
多岐にわたるセミナーを全国各地で開催。
また、大学や専門学校、企業などでの特別講義も行っています。

DESIGNER’S BLOG

QUESTIONS & ANSWER

家具をデザインする上で最も大切にしていることは?

各ブランドでデザインの手法が違いますが、全てに言える事は「どこにでもありそうで、どこにも無い」
これはエーディコアでデザインを始めてから心がけている事です。
奇をてらったり、やりすぎているデザインは最初はいいのですが、すぐに古びたデザインになってしまいます。
永く使えるデザインを最も大切にしてます。あと自分ならどんなデザインが使いたいかも大切です。

デザインから実際の商品として完成するまでの流れや特徴的なエピソードは?

デザイン:
デザインは机に向ってペンを滑らせる仕事ではありません。
日常生活や旅先、仕事中などアイデアはどこにでもあり、どこにいても考える事ができます。
そういった様々なアイデアを蓄積(小さな引出しに入れるような感じ)してそれをその時の企画に基づいて、
形にすればいいと考えています。

製品化:試作を大切に
私は試作を1回しかしません。普通は二次試作、三次試作と完成するまで試作を繰り返すと聞きますが、、。
図面化の際にミリ単位で検討した図面を製作し、フォルムを決めます。
最終面取りや、図面化できない座面の硬さや、張りのカーブ等を工場へ入って職人さんと一緒に作り込みます。
そうして完成した製品は、ほぼ修正点のない完成度の高い試作となるからです。
どうしてそうするかと言うと、高校時代から自分自身で家具を作っていて、椅子一本でも仕上げるのに
とても時間と労力を使います。その大変さを知っているから、自分の責任で詰められなかった形を、
二次試作や三次試作という言葉で職人さんに、再制作させたくないからです。自分が職人さんだったら
せっかく一生懸命作った製品が、簡単にここを直してと言われたら頭にくると思います。
それをしたくないのも大きな理由です。

国内生産にこだわる理由とその強みは?

その土地で使われる物はその土地で:
今は中国や東南アジアで安価な製品が作れるようになって、多くの家具メーカーが海外生産品を販売するようになってきました。
家具に使われる材料はその土地に合った含水率と手法で作られる事が重要です。
そういった事から日本でも日本で作られた物がいいと考えます。
また、自分達の目の届く関係の工場、気持ちの通った職人達に愛情を込めて作ってもらえるのも
国内生産であるからこそできる事です。

安心できる製品作り:
家具は住まいの中で人と接する物です。安心できる素材で、清潔な環境で安心できる作りをされた物を販売したいから、
使われる木材、合板、接着剤、ウレタンなど国内工場で認定された材料を使って生産できるのも、国内生産だからこそです。

フェアな関係:
安価で家具を日本に輸出している海外の工場の人達は、日本で販売している製品を購入する事はできない賃金で働いています。
それはフェアでは無いと思います。私達の製品を作っている人達も同じ製品を使う事ができる事も売る側の責任で、
本当のフェアトレードだと思います。
海外で生産された物を販売するのは国内で私達だけが販売して利益を得るという事。
国内生産された製品は生産工場だけでなく。
木材の流通、ウレタンフォーム、ファブリック、塗装、梱包材等幅広い人達と繋がり、その仕事で生活の糧を得られるという事です。
そういった作る側と売る側がフィフティフィフティの関係でいてこそ健全な仕事だと思えるからです。

お客様と作る側との関係:
私達のお客様も同じです。
お使いいただけるプロのお客様も私達の製品があって仕事ができて、その先にエンドユーザーのお客様の生活がある。
私達には、製造していただく工場があって、販売できる。そういった横の繋がりを持てるのも国内生産だからです。

お客様に1人1人に:
当社の製品は全てご注文をいただいてから製造しています。
ファブリックは百種類以上(ご支給布でも製作できます)塗装色は18色からお選びいただけます。
国内生産だからこそお客様1人1人に合った製品をお作りする事ができます。

オススメの家具の選び方は?

物を知った店で購入する:
家具は住まいの中で一番人に近い物です。安心して購入できるお店で選ぶ事が大切です。
安心できる店はスタッフが販売している製品について熟知しています。
構造、材料、中身が何を使われているかを知らないで販売しているお店は信用できませんよね。

裏を見る:
あと製品の見分け方ですが、見えない所も手を抜かないで作っている物が良い物です。
外からはなかなか見えにくいのですが、良い例としてはテーブルの裏です。
テーブルは平たい板なので、上面と裏面を同じ条件で製作しないと反ったりして不具合が起こりやすくなります。
良いテーブルは裏面も上面と同じ仕上げをしています。
テーブルの裏に手のひらでさすってみてきちんとした仕上げになっている物が良い物です。
椅子も同じ。座面の裏の仕上げも丁寧な物が良いです。

しっかりとした物:
製品の選び方で、掃除しやすさから軽い椅子や、移動が楽だから軽いソファとか、
本来の使われ方や耐久性を重要視しないで選ばれる方が多くいらっしゃいます。
しっかり作られた椅子は軽い物は少ないと思います。JIS(日本工業規格)
規格で定められた強度試験をクリアした椅子も少ないと聞きます。
当社はJIS規格の試験を行って3倍以上の回数をパスされた椅子のみを販売しています。

3ブランドの特徴とこだわりのポイントは?

(A-mode、AD CORE、NEO CLASSICO)
3つのブランドには特徴は
「A-mode」(エーモード)は、アメリカLAのモダン建築からインスパイアされてイメージした、ファニチャーシリース。
シンプルでありながら素材や使い心地にこだわるブランドです。
カリフォルニアスタイルのリラックスさを加えたデザインで、
簡素化されただけの空間ではなく、優しいリラックスさを加えたブランドです。
「AD CORE」は社名にもなっている最初のブランドです。イタリアモダンデザインを意識した、
シャープでエッジの効いたデザインテイストが持ち味のブランドです。
先進的な技術と考え方が、モダンで主張し過ぎないデザインに凝縮されています。

「NEO CLASSICO」は上質さをテーマにして華美な装飾を避け、素材感を生かしたブランドです。
単なるプロダクト製品をリリースするのではなく、モノと人との関わり合いまでもイメージして創りあげました。
伝統的な手法でサルトリアの職人が手掛けた洋服のように仕立ての良さを感じていただけるシリーズにしました。

ブランドの考え方
デザインの違いだけでなく、はっきりした考え方の違いがあります。
「AD CORE」はプロダクトの個々の個性を大切にし、空間に他のデザインを持ち込みたくないブランドです。
そのために製品別に名前が付けられています。「A-mode」と「NEO CLASSICO」はスタイルとしての
ブランド全体の製品を組み合わせてインテリアを創り上げていただきたいブランドです。
その為に2つのブランドには名前が無く、製品を品番で呼んでいます。

これからの方向性や夢は?

個々のプロダクト製品のデザインで始まった「AD CORE」ですが、
インテリアスタイルとして「NEO CLASSICO」ブランドを送り出し、「A-mode」はライフスタイルを想像したブランドです。
今後はライフスタイルを創造するような仕事をしたいと思っています。
インテリアだけでなく、ファッションや、フード等、ライフスタイルに関係する物全てに関わる事ができればいいですね。