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災害と再生

2020.03.31

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.106
1月末にアメリカ西海岸建築ツアーから帰って2ヶ月が経ちましたが、2ヶ月で世の中がこんな事になるとは思ってもみませんでした。世界中の人々も同じなんでしょうね。中国の遠くで起こっている事として、SARSの時と同じで用心しておけば、いずれ過ぎ去ると思っていました。4月のミラノサローネが6月に延期になっていましたが中止となりました。いつになると終息するのか分からない今、本当に心配になりますね。

こんな時期ですが、ある協会から5月に講演の依頼をいただきました。庭(ガーデン)に関係している協会からのご依頼なので、今まで取材した住宅の中で、庭とインテリアの関係を持った家の写真を探しました。今まで200軒以上の取材をした中で印象深かった庭は、当社のカタログ写真の撮影をお願いしているフォトグラファーのドミニックさんの庭です。マリブの海岸線から少し入った所にあるドミニックさんの家は、彼自身が15年以上かけて植木を植え手入れされた庭で、とても個人住宅とは思えない広さと変化に富んだ庭でした。奥様は有名ファッション誌の編集長をされていたジュディスさんで、母屋だけでなく庭に点在する東屋や馬小屋を改造したアトリエは、彼女の優しいアートに溢れた空間が作られていていました。庭は歩くだけで1時間以上かかる程の広さで、後でグーグルマップの衛星写真を見て驚いたのは、隣の高校の野球場、サッカー場、ソフトボール場のある校庭と同じ広さだった事です。よくこの広さを開拓して庭にしたなと驚きました。

その庭のある家が一昨年のマリブからロサンゼルス一帯を襲った山火事で火災に遭い、ほとんどを消失してしまいました。昨年のカタログ撮影のロケハンの時にお見舞いを持って訪問した時には、まだ片付けが徐々に始まったばかりでした。70歳近いドミニックさんですが、庭を含めての再生を諦めておらず、これから、もっともっと仕事をして必ず再生させる事を話されていました。焼けた庭を案内していただいた時に印象的だったのが、ヤシ科の植物や多肉植物の力強さです。火事に合った樹木は葉を出してもすぐに枯れてしまい、立ち枯れをしてしまうそうですが、ヤシ科の植物は幹が黒く焼けていても青々とした上の葉が伸びていました。足元に広がる多肉系の植物も黒い芝生の中で緑溢れる姿を見せてくれていました。

元々、厳しい環境に育つ植物は生命力が強く再生力があるとの事で、山火事にあっても再生していくそうです。それを見ていると、片付けに精を出す、ドミニックさんの姿と重なって見えました。今年の東京の桜の開花は本当に早く、いつも通りの可憐な桜色を見せてくれています。周りの野山も緑が少しづつ芽生えて、いつの間にか新緑の匂いがするようになっています。新型コロナウイルスの事はあっても新しい季節は巡ることを感じています。緑溢れるドミニックさんの元の庭の写真を見ながら、これからのインテリアは、家で過ごす時間が長くなるからこそ、室内だけでなく、インテリアと緑や庭の一体感が大切になるように感じました。本来の庭と室内の関係を大切にした日本建築のあり方を再認識する事にもなります。

この感染はいつまで続くのかは本当に分かりませんが、終息する日はきっと来ます。しばらくセミナーは開催できないと思いますが、何か情報発信できればと思っています。私たちは安心安全で快適なインテリアを提供できるように頑張ります。大変な事はあると思いますが、皆さん頑張りましょう!(クリエィティブディレクター 瀬戸 昇)

素晴らしかった頃のドミニックさんの家と庭。35,000平方メートルの敷地にはアトリエやテラスのある東屋や、子供達の遊ぶインディアンのテントなどが作られていました。起伏がある庭で普通に歩いても1時間以上かかる庭でした。 火事に見舞われた家と庭。カッコよかったトラックも無残。焼けて見通しが良くなり山の向こうまで見渡せ、こんなに広かったのかと驚きます。ドミニックさんが後片付けを進めています。庭にあった植物で一番最初に戻りつつあるのは多肉植物と、焼け焦げたヤシ科の植物です。一度火災に遭ってもまた芽吹いてきたそうです。

新型コロナウィルス(COVID-19)感染予防の実施について

2020.02.26

平素は当社製品と営業が大変お世話になっております。この度の新型コロナウィルスで感染された方、関係者の皆様、影響のある取引様にお見舞い申し上げます。今回のデザイナーブログにつきましては、お休みさせて頂き、当社からのお知らせとさせて頂きます。

当社製品はアクリルパーツを除き、全ての製品を山形や大分県などの国内工場で生産しております。材料につきましては木材は北米や北欧材を使用し、合板やウレタンフォームなどは全て日本国内生産の物を使用しています。その為、通常と変わらぬ受注対応を続けております。アクリルパーツにつきましても成形品を国内在庫、受注後に加工し国内製造したパーツを組立しております。

新型コロナウィルスの厚生労働省の指針に基きまして、お客様と従業員の安全を守るために、営業時間の変更とショールームの完全予約に変更いたします。ショールームにつきましては、お客様に安心して来館して頂けますよう、予約のみのお客様だけの案内とし、全ての方に手の消毒をお願いいたします。接客担当にはマスク着用し、ショールーム玄関ドアを始めトイレなどのドアノブの定期的消毒、接客後に使用した家具の消毒などを行います。

1.営業時間:9時~17時
2.ショールーム営業時間:10時~17時、東京の土曜営業時間は変更無し
3.ショールーム担当のマスク着用
4.入館時の手の消毒:お客様にも消毒をしていただきます。(アレルギーのある方には、手袋をご用意しております)
5.定期的な社内消毒:玄関ドア、トイレのドアノブ、打合せ使用家具の消毒
6.社員の健康管理の徹底:出社時の検温

営業時間とショールーム営業時間につきましては、3月末までを予定しておりますが、政府政策や社会状況をみて見直しをいたします。

日本国内各地の工場は通常通りに稼働しており、この需要期にも受注後3週間から1ヶ月での納品体制は整えております。また、安心してご覧いただけるショールーム運営をいたしますので、今後とも変わらぬご愛顧をいただければ幸いです。今後も皆さまに、ご愛読されるメールマガジンを目指して参ります。来月のメールマガジンを楽しみにされて下さい。 (代表取締役社長 瀬戸 昇)
広尾本社ショールーム:火曜〜金曜 10時~17時 土曜 11時〜19時(土曜は従来通り)
大阪、名古屋ショールーム:月曜〜金曜日 10時〜17時

ライフスタイルとロケーション

2020.01.29

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.105
先週までロサンゼルスへ西海岸建築インテリア視察旅行の引率として行ってきました。9回目になる西海岸建築視察ツアーでは、新しい視察先を探すのも大変です。それも今の時代に合う旬な住宅や施設を見つけるのは至難で、現地のプロデューサーのYASUKOさんと半年かけて探して視察先を決めました。カタログ撮影のロケハンでは撮影に適した建物を探しますが、ツアーや取材目的ではビジュアル感が重要です。今回も様々な住宅やオフィス、ホテルなどを視察しましたが、どれも見応えのある建築ばかりでした。

今回の旅で強く印象に残った視察先はマリブの住宅です。パシフィックコーストハイウエイ1号線から、ゲートのある急な私道を下った所にある家は、建築家Harry Gesner氏が1970年に自邸として建築した住宅で、目の前にはサーフィンのできるプライベートビーチが広がっていました。左隣には1957年のモダン住宅の傑作として有名なWave Houseがあり、その住宅もHarry Gesner氏の設計です。ロサンゼルス市内のケーススタディハウスなど、街並みが眼下に見えるロケーションは多く見てきましたが、目の前に砂浜とサーフィンに適した波が寄せる風景が広がる景色は初めてです。それも防波堤の無いプライベートビーチで、家の中のリビングに座ると、波のきらめきと寄せる波音が心地よく、時間の経つのを忘れそうでした。ハリー・ゲスナー氏はとても親日家で、第二次世界大戦も経験した94歳になる方でしたが、彼が自分自身の事や住宅の説明をしてくれました。

彼はフランク・ロイド・ライトに師事しましたが、数日で辞めて大工仕事や左官など職人をしながら建築家になった方で、彼を有名にしたのが、革新的な空力設計のコクーンハウスで、左隣にある1957年に建てられたWave Houseはオーストラリア、シドニーにあるオペラハウスのデザイン原点として正式に採用されています。このWave Houseはロックスターのロッドスチュアートが長く住んでいましたが、今は一般人が所有されて、昨年公開されたビートルズを題材にした映画イエスタディの音楽プロデューサー邸として使われています。ゲスナー氏の自邸は、建築資材を折れた電柱や火事で残ったレンガなど、ほぼ全てをリサイクル材を使って建てられました。お金が無かった事が理由と話されていましたが、海辺の潮風の中で50年以上経った家とは思えない丈夫さと良いヴィンテージ感を出していました。

ゲスナー氏はサーフィンがライフスタイルの建築家で海を愛した伝説のサーファーとしても有名で、カリフォルニアブランドのムートンブーツのUggのイメージ広告のキャラクターとしても採用されています。お話をされるゲスナー氏の足元にはUggのムートンブーツが履かれていました。自分のライフスタイルに合わせて設計した住宅に50年以上住み続けて、今は終の住処として波の音を聞きながら静かに過ごす家は彼そのものでした。急斜面を登りながら振り返り海を背にしたナチュラルな家を見ると、このロケーションだから生まれたデザインだった事を理解しました。私も人のライフスタイルに寄り添うような家具のデザインができればと思いました。(クリエィティブディレクター 瀬戸 昇)

波打ち際に建つゲスナーハウス。向こうに見えるのはWave Houseで、シドニーのオペラハウスのデザインモチーフになりました。波音が心地よく響きます。目の前はアラスカ寒流のために冷たく、潮の匂いはあまりありません。 左上:急な道を降りると白い円形の塔がありました。左下:円形のリビングは海に面していてビーチが見渡せます。右上:砂浜まで堤防など無く、岩場を歩いて砂浜へ降ります。右下:Uggブーツを履くゲスナー氏。親日家の彼は新婚時に女優の奥様と日本での映画撮影の時に一緒に訪日して、その時にできた息子にZENの名前を付けたんだよと教えてくれました。

家具のサステナブル

2019.12.27

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.104
2019年も終わろうとしています。皆さんにとってどんな一年だったでしょうか。今年様々業界で聞かれた言葉は「サステナブル」環境破壊をせずに維持、継続できるという意味の英語です。2019ファッションのキーワードもサステナブルが多く使われ、2020年春夏のトレンドも、よりサステナブルが盛り上がり、環境に配慮した自然由来の素材や、ネイチャーモチーフが多く使われるようです。最近は工業製品や石油、石炭由来の物が悪者のように言われています。石油も石炭も本来は植物由来なんですが、、。工業製品を作り使う事が環境に悪く、多くのCO2を排出しているように思われていますが、永く使う事についてはあまり語られてきませんでした。

使い捨てファッションのファストファッションが終焉を迎え、永く使える品質やデザインに向かい始めました。私自身、好きなデザインは飽きのこない長く使える物です。以前のブログでも書きましたが、日頃履いている革靴も何十年も直しながら使用しています。長く使う事で、脚に馴染み楽な事もあり、使い込んだ独特な味が出てきます。趣味の車は1962年製のカルマンギアを34年大切に所有しています。冬になりコートを着る機会が増え、久しぶりに出して着る物もあるのですが、スタッフから新しいコート買ったのですか?とよく言われますが、20年選手になるコートもあります。ベルスタッフのライダーコートもモンクレールのダウン、革ジャンも20年以上前に買った物です。使わずにしばらく寝かす事もあり、また着れる時代になった時に出して着ます。自身で古着にしているような物で、靴と同じように味が出てきます。何年か前に作ったハリスツイードのジャケットはあと何年か着ないと味が出ないので、少しづつ着ています。

先日、当社の家具を使われている設計のお客様から「長持ちして修理も出来るから良い椅子ですね」と言われました。十数年前にレストランに納品させて頂き、自宅でも使われていて、先日も新たなお店に同じ椅子を納品させて頂いたお客様です。自分の新しいデザインの製品を購入いただける事は嬉しいのですが、同じ製品を十年以上経って、新たに使って頂けるのは最高の喜びです。そのお客様はオーナーからエーディコアの製品は丈夫で修理もできるから安心して使えると言われたそうです。自宅でも使っているけど飽きのこない良い椅子ですと。耐久性も大切ですが、10年以上経ても古くならないデザインも重要です。どこにでもありそうでどこにも無いのが当社のデザインコンセプトです。ふと身の回りを見回してみると、自分の使っている物も10年、20年経た良い味の物に溢れている事になっていました。広尾ショールームには1991年製の30年使ったゼフィーロを展示しています。今は仕様にないペアウッドの突板仕様ですが、メープル材と同じ飴色になって良い感じです。モダン家具も経年変化を楽しめるんだと再認識しました。

インテリアの世界では、永く使われたヴィンテージ物や最初から古く見える加工がされた物が人気でしたが、これからは新しい物を大切に使いながら自分に合った経年変化を楽しむ時代になってくるのではないでしょうか。当社では廃盤せずにずっと使い続けていただける製品作りをしてきました。これからもお客様だけの空間作りにお役立ていただける製品作りを目指していきます、2020年のオリンピックイヤーが皆さんにとって良い年でありますように。
(クリエィティブディレクター 瀬戸 昇)

1991年に発売した時から使用していたゼフィーロです。当時販売していた仕様のペアウッド(梨の木)の突板が使われいて、ピンク色でした。フレームのメープル材が白かったので、コントラストがありましたが、今では全体的に飴色になりました。フレームの接着部などまったく緩みもありません。これは各ショールームに展示しています。 イギリスのベルスタッフのジャケットXL-500モデルで、20年以上前に購入して現在も使用しています。このXL-500モデルは1970年代から作られている定番のナイロン素材モデルですが特別仕様で中がアルミ溶着した素材が使われて暖かい。1924年から使われるワックスコットン素材が有名で、今流行のバブアーより早く使用しています。かなり使っているので、痛みはありますがあと20年は使えるかな。

2020年のアール·デコスタイル

2019.12.02

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.103
11月20日の東京広尾から始まった2020年モデルの新作発表会は大阪が終わり明日から名古屋です。新作展示会はお客様の声を直接お伺いできる最初の機会なので、デザイナーとしてはとても緊張しますが貴重な時間でもあります。来場の皆様には座り心地もデザインもとても好評で、エーディコアさんの方向性は早いので、アール·デコはこれから来ますねと言われ、嬉しくホッとしています。毎年、デザインだけでなく掛け心地も追求していますが、歳を重ねるとこだわる箇所も変化して、今年は背中から腰への心地よさを追求しました。

今回の新作はエフォートレスシックで、エレガントな大人の上質さをテーマに製品作りをしました。ファッションの世界では、数年前にあれだけ隆盛を誇ったファストフッションが急速に衰退し、アメリカでは大手ブランドが破産しました。日本からの撤退も多くあり、使い捨てファッションが終焉をむかえようとしています。多くのファッションブランドでは流行に流される短命のデザインでなく、上質さを大切にした、息の長いデザインと物の良さにこだわった、大人のクラッシックな洋服作りを始めています。インテリアの世界でもお気楽な安価にできる西海岸スタイルから、長く使え心地の良いクラッシック(上質)な空間作りへの方向性が見えてきました。

当社の2020年モデルは、ネオクラシコ·ヘリテージからアール·デコをイメージした製品を発表しました。アール·デコはヨーロッパとアメリカを中心に1910年代半ばから1930年代にかけて流行した装飾美術で、アメリカではフランク·ロイド·ライトのデザインもアール·デコに位置づけられることがあります。アール·デコは世界中の都市で流行し、一般大衆に消費された装飾です。富裕層への一点ものが中心となったアール·ヌーヴォーのデザインに対し、アール·デコのデザインは建築など一点ものだけでなく、ポスターやテーブルウエアなど大量生産へも使われたために、影響を受けた分野は広まりました。アメリカではアール·デコ様式の1920年代の建築が多く残り、ニューヨークやロサンゼルスではダウンタウンだけでなく、住宅もその姿を多く残します。

昨年訪問した、ロサンゼルスデザインセンターにある家具ショールームでは、デコスタイルの家具やインテリア用品が展示されていました。価格帯を見て富裕層向けとはすぐに理解しましたが、クラッシックとは違う様式の展示にスタッフの方に話を聞くと、デコスタイルのインテリアは富裕層に好まれる方が多く、確立されたインテリアスタイルとしてプロのデコレーターにも使われていて、全米の主要4都市でショールームを展開しているそうです。1920年~30年代の建物が多く残るアメリカでは、その時代の建物だけでなく、モダン建築へも上質なインテリア用品として使われる事が多いそうです。アメリカではヨーロッパとは違うインテリア文化が存在し、様々な時代のインテリアスタイルが使われる方の好みに合わせて使われます。

2020年モデルはアール·デコのデザインをイメージしました。装飾的なデザインだけではなく、モダンインテリアへの融合も考えたシンプルな永く使えるデザインを目指しました。新しい方向性のデザインとして長く愛される家具が完成しました。12月10日から通常展示の中でご覧いただけますので、各ショールームへお越し下さい。
(クリエィティブディレクター 瀬戸 昇)
左:2014年に訪問したロサンゼルスのダウンタウンに建つイースタン・コロンビアビルは1930年代のアール・デコ建築で、現在は集合住宅として使用されています。最上階はジョニー・デップも所有していたペントハウスもあり、ロビーはゴージャスです。右:ロサンゼルスのダウンタウンにある1920年代の建築をリノベーションしたフィゲロアホテル。YWCAの宿泊施設として建てられてビルもアール・デコスタイルです。
左:ウエストハリウッドにあるパシフィックデザインセンターにあるJEAN DE MERRYのショールーム。置かれる家具はアール・デコスタイルをモダンにした物が多く置かれます。価格はかなり高価でした。右:1920年代に建てられたロイド・ライト設計の住宅。建物の外観はアール・デコスタイル建築です。使われるインテリア用品も1920年代のアール・デコスタイルです。

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