COLUMN

2014.2.28 DESIGNER

これからのファッションは

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.28
先日、いつも行く洋服屋さんで私と同じくらいの年齢の店長と70年代後半の話になりました。前回のブログで書いた、スケートボードを久しぶりに出した事を話をしたら、ボードやパーツの話になり、盛り上がってしまい、ファッションの話になりました。ついこの前まではケネディ特集があったり、60年代といっていたような気がしたのですが、ファッションの今は70年代後半になっています。ファッション誌ではスケートボーダー特集をしていたり、スタジャンや、アランセーターやカウチンセーターの記事があったり、70年後半そのものです。それを知らない世代に新しいファッションとして受け入れられているようです。でも、それをそのままではなく、カッティングやデザインを今の時代に置き換えて出しています。

盛り上がった私達のそばで、私の担当の20代後半の子はキョトンとした顔で見ています。自分の生まれる前の事なので、流行っていた頃のイメージがつかめないのでしょう。私自身も若い頃に50~60年代の、ファッションに憧れていたけど、実際どうだったかは想像でしかできません。今から思うと、中学から高校時代はアメリカ東海岸のアイビー、プレッピーファッションが来て、その後西海岸のアメリカンファッションになり、カウチンセーターやスタジャンだった記憶です。アイビーファッションは親の世代なので、記憶にはまったく無かったのですが、格好良く感じて取り入れていて、その後の西海岸ファッションに凄く新しい印象を受けました。その後のDCブランド、アルマーニファッションも、。

その頃、新しく感じていたファッションがまた再燃しているのは不思議な感じですが、一度経験している者として、若い世代よりはアドバンテージがあるように感じます。インテリアの世界でもその頃のデザインが気になります。本業のデザインでも若い世代には負ける気がしないのは、その経験があるからなのでしょうね。想像の世界ではなく、実際の経験があります。私と同じ世代のアラフィフ世代の方も同じではないでしょうか?でも、そろそろまったく違う新しいデザインの方向性を見つけなければいけないのですが、、。

ウールリッチのシャツ、アランセーター、スタジャンなど久しぶりに引っ張り出してみましたが、サイズ感が少し違うかな、、。少しお直ししないと。                 (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

アランセーター:高校生の時、両親のロンドン旅行のお土産に、買ってきてもらいました。35年前のセーターですが、まだまだ着れます。アランセーターは漁に出る夫の無事と豊漁を願う女たちの祈りの意味が込められていると言われていますが、アラン諸島の漁業基地に出入りしていたスコットランド人家族のガンジーセーターがベースとなり、そこにアメリカ帰りの天才的編み手の女性が持つ技巧が融合し、島独特の派手好みの美的感覚から広がりました。編み手の組織化や仕上がりレベルの標準化など、売れる商品としての生産態勢を整え、家内制手工業としての形態を作り上げたそうです。そのアランセーターに注目したのが、1956年のクリスチャン・ディオールだったそうです。雑誌「ヴォーグ」や「ハーパーズ・バザー」は、このパリの最新トレンドをアメリカに伝えて、その後の大流行になったそうです。今では観光で生計が立つようになったアラン島では編む人が少なくなり年間400枚程度になり、貴重な物になってきました。ウールシャツ:Woolrichのシャツで脱脂していないウールで作られています。これも35年経っても現役です。
アランセーターに手作りのタグが、、。Woolrichのタグのデザインは変わりました。今、人気が再燃しているようです。アメリカで購入したスタジャンはかなり色が変色しています。袖口や本体はウールですが、化繊も入っているからでしょうか、ボロボロになっています。ウールだけのセーターやシャツはなんにもなっていませんが、アクリルなどは35年経つと劣化するのですね。下のレーシングジャケットは70年代の物をLAのスワップミートで10年ほど前に手に入れました。あまり着る機会はありません。