COLUMN

2018.3.29 DESIGN

真夜中の国際空港再び

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.71
今週、成田国際空港でお使い頂いているアームチェアのメンテナンスに伺いました。国際空港は休館日もなく大柄な海外の方もご使用になるため定期的なメンテナンスが必要になりますが、今回はラウンジチェアのアームパーツ交換の作業になります。これまでも何度か国際空港のお仕事でお伺しているのですが、空港内の作業は入館する手続きが厳しく、夜間の作業という事も有り、独特の雰囲気の中での作業になります。空港はいつもと違う世界への入館の申請確認をしている間、数年前のミラノサローネ期間中に行なわれた某インテリア誌主催のイベントを思い出しました。

何年か前になりますが、ミラノサローネの期間中に某インテリア誌主催のイベントが開催されたのですが、その会場がいつもユニーク。古城やアイススケートのスケートリンク場で行なったり、その年はミラノ国際空港の飛行機の格納庫で開催されました。パーティーの招待状にはパスポートを持参下さいと表記してあり、会場に訪れるといつも航空機に搭乗する時のセキュリティーチェックを受けパスポートを提示しないと入場出来ません。入り口にはパスポートを持参していない入場出来ない人がたくさんいました。パーティー会場は、飛行機が並んだ格納庫。特別な場所にいる感覚満載でとてもワクワクした思い出が有ります。

今回はメンテナンスのお仕事で空港にお伺しているので、照明も落とされ人気のないひっそりとした空港館内ですが、それでもなにか特別な感じがします。空港内の作業は最終便が飛び立ってから。今回の最終便は21時過ぎなので、それまでに入館の手続、セキュリティーチェック、持ち物のチェックを行ないます。パスポートまでは必要ないのですがこれが事の外大変で、カッターの刃からドライバー1本まで事前申請して入館します。出館する際も同じチェックが行なわれるため、それだけで2時間近くを要します。ゲートを通る時は免許証の提示を求められます。目的のサテライトへは車で移動しますが、空港の滑走路脇を通過するので、飛行機を仰ぎ見ながら車を走らせます。なんかちょっとドキドキする感じです。館内のメンテナンスは、人気のない空港ラウンジ、真夜中の作業です。今回の作業はラウンジチェアのアームパーツの交換。限られた時間の中で作業を進めますが、中々思うように進みません。慎重に進めながら、ようやく手慣れてくると進捗具合も見えてて、集中してくると作業のスピードも増してきます。

いつの間にか日付も変わった頃、、、当日の作業も無事完了しました。予定の時間より早く終わりましたが、真夜中の作業は中々大変です。現場を撤収した後は、検査官の到着を待ち、再び荷物検査と出館手続き。セキュリティーチェックを通過して外の空港エリアに出ると、ちょうど桜が満開の季節、この時期にしては暖かい心地良い春の風が吹いていました。あと数時間もすると、人で賑わう空港に戻りメンテナンスをした椅子をお使いになるお客様もいらっしゃるんでしょうね。帰りしたくをして車に乗り込み、空港先導車に導かれながらゲートへ出て夜の国際空港を後にしました。
(開発/武田伸郎)

今回は木製のアームパーツを交換するメンテナンスです。特別にあつらえた人工大理石のパーツを取り付けました。
数年前に開催されたミラノ国際空港でのイベントの模様。パスポートを忘れて入場出来ない人が溢れていました。