COLUMN

2018.11.27 DESIGN

JID60周年記念式典へ参加してきました。

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.79
今年も残すところあと1ヶ月。本格的な冬の到来はまだちょっと先のようですが皆様いかがお過ごしでしょうか。先日、秋の気配漂う六本木の国際文化会館で行われた JID60周年記念式典のパーティーに参加してきました。JIDは、日本のインテリアデザインの文化的向上や創作活動の発展を目的に、1958年に日本室内設計家協会として結成され、2012年に公益社団法人日本インテリアデザイナー協会となった団体で、今年は60周年の記念の年。会場にはこの60周年を支えてきた重鎮の方から、これからのインテリアデザインを担う方々で賑わっていました。JIDが発足した1958年は、東京オリンピック開催から大阪万博へと続く高度成長期の真っ只中、日本が非常に盛り上がっていた時期です。折しも2020年東京オリンピックから2025年大阪万博と、現在の状況と重なるところが多く、JID60周年を迎えた今、日本のインテリア業界を盛り上げようと話題も尽きない盛況ぶりでした。

式典が行われたのは六本木の国際文化会館。華やかな都心のど真ん中にあるとは思えないほど閑静な空間です。この国際文化会館は、エーディコア・ディバイズとしても思い入れがある場所で、2006年に新作展示会を開催した場所でもあります。時期もまさしく、美しい庭園の紅葉が色付きはじめた頃でした。国際文化会館は1952年8月27日に設立され、戦後の米欧諸国との文化的交流を図るため、日本人建築家3人(前川国男、坂倉準三、吉村順三)の共同設計で1年余を経て竣工しました。しかし、老朽化のため取り壊される案も出たのですが、昭和の名建築を再評価する機運が高まり、2006年(平成18年)3月には国の登録有形文化財に登録され、2005年(平成17年)に耐震構造を含む大規模な改修を実施。日本のモダニズム建築を代表する名建築の外観や、庭と建物の伝統的なたたずまいは変えることなく保存されることになり、現在はレストランや宿泊施設に活用されています。2006年当時、あまり知られていない新作展示会場を探すのに苦心していたのですが、耐震工事を終えた直後の国際文化会館を探し当て、建築はもちろんですが素晴らしい庭園を見て「ここしかない」と開催にこぎつけました。現在の庭園は、1930年に作庭され近代庭園の傑作と言われていますが、2006年の新作展示会の際も庭園に人が溢れ出て、当時の入館記録を更新したほどの盛況振りでした。JIDのパーティーでも、庭園に出て眺めを楽しむ方がたくさんいました。

エーディコア・ディバイズ クリエーティブディレクターの瀬戸は、今年の6月までJIDの理事を努めていました。今回の60周年記念のイベントについても尽力し、12月5日まで新宿のリビングデザインセンターOZONE 1F で開催している JIDアワード60年の歴史展&JID AWARD 2018受賞作品展も担当スタッフとしてディレクションしてきました。日本のインテリアの歴史を垣間見える展示会、ぜひ足を運んでご覧になってみてはいかがでしょうか。(開発 武田伸郎)

(上段)JID60周年記念式典が開催された晩秋の国際文化会館。月明かりに照らされた庭園が綺麗です。(下段)2006年に開催したエーディコア新作発表会。たくさんの方に参加いただきました。