COLUMN

2019.6.26 DESIGN

成田国際空港ANAラウンジスペース

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.86
先日海外出張の折、成田空港のANAラウンジを利用させていただきました。こちらのラウンジは以前からエーディコア・ディバイズの製品をお使いいただいていて、何度かメンテナンスの作業にお伺いしているスペースです。昨年の3月には、ラウンジチェア のアーム木部を人工大理石に交換するメンテナンスを行いました。最終便が離陸した後、ひっそりとした空港ラウンジでの作業は何か特別な感じがしたのですが、お客様として利用すると、また違った感慨が湧いてきます。国際空港のラウンジといえば、世界中の方々が利用するスペース。そんな世界の皆さんをお迎えするラウンジに、エーディコア・ディバイズの製品を使っていただいています。

海外へ出発するときに、ありがたいお蕎麦のコーナーで使われているのは、成田空港用にオリジナルのアレンジを施した特注仕様のAD-961A チェルボ デゥエ。製品化されてから20年以上になるロングセラー商品です。納品したのが2006年の5月ですから、なんと13年の長きにわたって空港ラウンジのヘビーユースに耐えてきたことになります。手前味噌ながら改めてその耐久性と強度に自信を持ちました。もちろん、大切にお使いいただいているからだということはいうまでもありません。

落ち着いた照明のラウンジコーナーで使われているのは、A-modeのラウンジチェアMD-101L。黒いレザー張りとスチールブラックの脚部。このラウンジには100脚以上のラウンジチェア が使われているのです。アームの部分は昨年木製から人工大理石に交換しました。このチェアも5年以上お使いいただいているので、天然皮革の艶感や全体にそれ相応の風合いは出ていますが、座り心地など躯体はしっかりしています。実は、同時期に納品された他のメーカーのソファは、劣化してしまい新しいソファに入れ替わっていました。

車でも工業製品でもそうですが、「直すよりも新しく買った方が性能も良いし安い」ことがスタンダードになっています。企業にとっても新しい製品を世の中に送り出し、新しく購入いただいた方が利益を上げることができます。古びたモノより新しいモノが魅力的にも見えます。でも、何十年とオーバーホールをして身につけている時計や、靴底を張り替えながら自分の足型に馴染んだ革靴など、何者にも変えられない愛着があります。家具も数少ない愛着を持って使い続けられるモノの一つです。企業の利益を考えたら?ある程度でヘタって買い換えていただいた方が良いのかもしれませんが・・・しっかりと使い込まれて、風合いが増したエーディコア・ディバイズの家具を見ていると、ちょっと誇らしい気持ちになりました。(開発 武田伸郎)

落ち着いた空間に黒いレザーを纏ったMD-101L。アーム部分は昨年交換した人工大理石仕様です。
13年もの間、しっかりと活躍しているAD-961チェルボ デゥエ。誕生から20年経つ我が社のロングセラー商品です。