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職人技の製品と技無しの製品

2013.05.28

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.17
6月4日の東京から始まる家具セミナー。今回はソファの作り方の第二弾と無垢テーブルの作り方。どちらも職人技が物の出来を左右します。その取材で九州の協力工場へ数日間お伺いして、職人さんの近くでじっくり見てきました。

今回のセミナーのA-modeのソファも新製品の試作をする際には工場へ通い、隅々まで知っていたつもりでしたが、最初から最後までずっと製品が出来上がるのを通しで見るのは初めてです。手の込んだ仕事を手早く仕上げるのは本当に感心します。想定した時間内で作業をするので、素早く、写真を撮るのに苦労します。それでも要点を押さえながら、サクサク作り上げるのは職人技です。近くで見られながら作業をするのは嫌だろうな、、と思いながらシャッターを切ります。でも、皆さん嫌な顔一つせずに見せてくれます。以前、当社は印刷した会報誌を製作していて、その時にも撮影をしたのですが、その時は、嫌そうだったのですが、今回はなんだか嬉しそうに、作業のコツを教えてくれながら進めてくれます。ふと壁に目をやると7年前に取材した印刷物を大切に置いてくれていました。それをひらいて私はここに映っているんです。と話してくれました。いつもは黒子の職人さん達なのですが、製品を使われるお客様に自分達の姿を見せられる事が晴れやかな気持ちに思っていただいているようでした。

家具のバネを作っている工場へも行きましたが、そこの職人さんもこれを見て欲しいと作業を実演してくれました。バネは座り心地を左右する大切なパーツなのですが、表からは絶対に見えません。それを見せられる機会は本当に無いと言われていました。ソファの中身の木枠も同じです。見えない所を作る職人さん達がきちっとした物を作り、表面を仕上げる職人さんが、最後を仕上げる、技の連携で物は作られている事を再認識しました。私達はそういった職人さん達に支えられて、製品を皆様に届ける事ができています。

九州の家具の産地である話しを聞いたのですが、某会社が輸入している製品を西海岸イメージの家具に変えたとたんにクレームが激減したそうです。品質が上がったのではなく、今迄だとクレームだった仕上げが、西海岸風という事で、お客様の目が緩くなって助かっているという話しでした。それを聞いて複雑な気持ちになりました。適当な作りで許される物が増えているようです。でも、日本にはお客様の厳しい目で鍛えられた職人技があり、それに答えられる職人さんがいます。その職人さんの為にも丁寧に作られた製品をいつまでもお届けしなければと思いました。
(エーディコア・ディバイズ クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)
2004年の3月に発刊した会報誌です。NC-016の作り方を1から細かく説明しています。工場の方も分かりやすいと評判でした。 今回セミナー用に取材したMD-110ソファです。最初は木の骨組みだった物が立体的な形になります。形はシンプルですが、コイルスプリングを使った手の込んだ中身です。

世界的なコードバンの品薄

2013.05.12

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.16
最近、アメリカファッションが人気です。アメカジだけでなくトラディショナルの世界でも同様、無骨なアメリカ靴が人気で、特にAldenという靴ブランドが人気です。

先日、アメリカのAlden販売店へ行きました。Aldenはアメリカブランドで、無骨なデザインが多く、コードバンを使った靴がこの数年人気です。その店に張り紙があり、世界的なコードバンの品薄で生産数が少なくなっているとの事でした。店員さんに聞くと、Aldenの靴が世界的に人気な事と、その流行に敏感な日本人がコードバンの靴をこぞって買っているからだと、、。コードバンは馬のお尻の革で、形から日本ではメガネ、西欧ではシェルと言われています。きめ細やかな革は磨くとなんとも言えない艶が出ます。急にコードバンが必要になってもそれほど多く生産できずに、品薄状態だそうです。コードバンを扱うタンナー(鞣し工場)は世界に3社しかなく、アメリカのホーウィン社と日本の大喜皮革、あとは自社一貫製造をしているフランス靴メーカーのJMウェストンしかないそうです。

世界的なコードバンの品薄に日本人が関わっている話を聞いて、右へならえの流行は昔から変わらないんだなと、その店で買ったクリームを使って、数年前に手に入れたコードバンの靴を磨きながら、少し考えてしまいました。コードバンは美しい艶が出ますが、雨に弱くシミができるので、雨の日には履けないんです。雨の多い日本には不向きな素材なのですが、この艶が好きなんだなあ。
(エーディコア・ディバイズ クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)
左ローファー:7年前にロンドンで手に入れたCrockett & Jonesのコードバンのローファー。右ウィングチップ:5年前にアメリカで手に入れたAldenの定番のウィングチップです。どちらも良い艶になってきました。

テキトーと適当は違う

2013.05.01

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.15
最近、ラフでカジュアルなファッション、インテリアが流行っています。お店の床材も中古の床材や古材を使ったインテリアが多く見られます。塩ビタイルでも綺麗な素材を転写したのでなく、古材や節のある通常では使わないものを転写した物が見られます。その多くはヴィンテージをイメージして使われていますが、ヴィンテージとラフさを少し誤解して理解されているように感じる事が増えてきました。

ヴィンテージイメージとして作られている家具やインテリアの作りは、テキトーに作られている物が多くあります。本当の職人は作らない、職人には作れないような素人が作った物が多く見られて、残念に思えます。ヴィンテージとはワインの当たり年、車や家具も良い時代に作られた物をヴィンテージと言います。古くラフに作られたものを言うのではありません。良い時代に職人が一生懸命作った物が大切に使われ時代を経て、ヴィンテージの物になるのです。ハンドメイド定義も職人が丁寧に作った物よりも、テキトー(適当とは違います)に作った物が手作りらしく思われているようなに感じる事も多くなってきました。

良い時代は景気が良かった時代で、職人が時間をかけて作れた時代です。それがアメリカのミッドセンチュリーの時代で、1950~60年代は車やインテリアもデザインだけでなく、作りが良い品が多く、今でも十分使えます。LAの住宅ではミッドセンチュリー時代の家が多く残り、それをリノベーションして住んだり、販売されています。それが時代に敏感な人達が所有し、それに憧れる人々に広がっています。1956年のジョン・ラトナー設計のマークさんの家や、1948年のリチャード・ノイトラ設計のワーナー副社長の家は窓の金具一つまで職人仕事が再現された本物のヴィンテージでした。

日本では少し違った意味でのテキトーが広がっている事が少し気になります。職人仕事を大切にした程よい適当であればいいのですが、、。当社の家具もヴィンテージになるように、良い物を作らなくては、、。
(エーディコア・ディバイズ クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)
1956年のジョン・ラトナー設計の住宅。持ち主のマークさんは50年代のディオールなどヴィンテージファッションのお店のオーナーです。ドア金具、スイッチ、コンセントまで50年代にこだわってレストアされています。 1948年のリチャード・ノイトラ設計のワーナー副社長の家です。オーナーのお父様がノイトラ設計の住宅の家具を作る家具職人でした。

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