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見えないもの

2016.08.30

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.64
この夏も晩秋に発表する2017モデルの試作立会いに工場へ通っていました。当社の協力工場は東北の山形にある朝日町と九州の日田市にあるのですが、両方盆地にあり、夏は暑く、冬は寒い所です。この夏は特に西日本の記録的な猛暑が続き、当社の協力工場のある日田市でも連日37度を越える日が続いていました。日本の木工場には、まず冷房がありません。裁断やミシンをかけたりする布を扱う一部の場所には冷房があるのですが、乾燥を嫌う木加工場にはエアコンなどありません。いつも過ごす試作の現場にある温度計は今年も35度を差していて、扇風機が暑い風をかき回しているだけです、、。暑い中、工場のみなさん本当に頑張っていると思います。その中で良い製品を作るのは大変な事です。

そのソファ工場で、張り替えられたソファの残骸が残されていました。海外で作られたボタン絞りのソファがほつれてきたという事で、取引先から修理の依頼があり剥がしたそうです。その背と座のボタンがついた表皮が剥がされていたのですが、表面の意匠も手抜きな感じだったのですが、ボタンが留まっている裏を見てびっくり、、。通常はクッション材に使われないクギのようなボタン止めが使われていました。通常は壁のフトン張りに使われる物ですが、使っていたとしても、クギ先を切り落としたりして安全な使い方をします。それを背と座の動く所に使っているとはびっくりというより、少し怖くなりました。ソファは中身が見えないので、表布を剥がしてウレタン素材等のクッション材を取らないと、どう製作しているか分かりません。工場の職人さんも、こういった使い方はないですよねと驚いていました。

ボタン絞りのソファの作り方はデザイン的に様々な手法がありますが、浅くボタンを付ける場合は、布の伸びを利用しカーブさせて少しだけこませる意匠や、深くボタンを付ける場合は背にシワのよらないように一枚一枚縫い合わせをして深く止める昔ながらの方法があり、ボタンの留め方は洋服と同じで、昔も今も丈夫な糸(昔は麻でしたが、今はナイロンやビニロン)が使われ、その糸を木枠に釘やタッカーで止めたり、ボタンで留める方法など、背の固さや動きによって留める方法は沢山ありますが、クギで止める方法はしません。お子さんが飛び跳ねたり、重量オーバーで万が一、木枠が壊れた時に人に危害が及ぶ方法で止めるべきではありません。人の安全性を第一に、それを考えながら職人さん達は物作りをしています。

フレームやバネ材、クッション材など、手を抜こうと思えばいくらでも抜けます。それをするかは製造者の気持ち次第です。これはテーブルに使われている合板素材や塗料の安全性や、椅子に使われる木材や、強度に重要な組み方や接着剤など、見えない箇所は沢山あります。合板やバネやウレタンフォームのクッション材、塗料などは木工場で作られる訳では無いので、信用おける取引先から仕入れ、仕入れた素材を使います。日本の企業が作る素材は日本工業規格の安全規格に則した物で、その中から適合する素材を選び使用します。日本製が全て良い物とは言えませんが、その規格内で作られている物は安心してお使いいただけると思います。

いつも家具の創り方セミナーで最後にお話をするのですが、家具は表面だけでなく、中身が大切なんです。でもそれが見えません。デザインと座り心地を良く吟味して、最後はショールームの方や担当営業に何が使われているか、聞いて下さい、それが答えられる会社の製品を選んで下さいと、お話します。皆様もぜひ中身を聞いて下さい。新製品が完成するまでまだまだ工場通いをします。これが一番楽しい時間なんです。2017年モデルをお楽しみに!
                                 (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)
左:NC-023ラウンジチェア。硬めで深さのある背のボタンは1枚1枚形の違う18枚の布が立体的に縫い合わされていています。右上:布で包まれたボタンにナイロンの糸が付けられます。右下:背のボタンの位置に木枠がありそれにタッカーで糸がしっかり止められます。
左:ND-055ソファ。柔らかな背にボタンがやさしく付けられています。右:背の動きに合わせてボタンが動くように裏張りの布と弾性ベルトに裏ボタンで止められています。人を傷つける物はいっさい使われていません。
海外製品(中国製と聞きました)の背は縫いあわせか、折り曲げに見えるように表面にパイピングが縫われているだけです。右上:MDFの板にボタン釘が打たれ、先を適当に折り曲げています。右下:ウレタンフォームにそのままMDFの四角い止めをしています。使っているうちにスポンジ状のウレタンはボロボロになると思います。

驕れる者

2016.08.28

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.63
オリンピックでの日本人選手が大活躍で、8月は寝不足になる毎日でした。これまでの一番多いメダル数だそうですね。皆さん良く頑張りました。2000年のシドニーオリンピック迄低迷していたスポーツ界を国を上げてのバックアップ体制にしてから徐々に力を発揮できるようになってきたとの事ですが、個人個人の努力があっての成果だと思います。喜ぶ選手の姿を見る事ができて嬉しいオリンピックでした。

その後、見たいテレビ番組が無くチャンネルを回していると、日本は優秀、日本人はすごい的な番組が多く違和感を感じました。オリンピックでも良い場面だけ流れているので、日本人凄い!という雰囲気の延長なのでしょうか、、。これはちょっとおかしいぞと思ってしまいました。日本全体が驕れる者になるような番組ばかりです、、。歴史で見た戦前教育での日本人は世界で一番優秀と思い込みさせているような違和感です。

たしかに日本製品の完成度は高く、良い物が多くあります。実際はどうなんでしょうか。私自身が好きな車の世界で、アメリカの顧客満足度調査の最新では1位:テスラ、2位:キャデラック、3位:レクサス、4位:リンカーン、5位:起亜自動車(韓国)でした。2016年半期の初期品質調査で初期不良が少ないランキングは1位:起亜自動車(韓国)、2位:ポルシェ、3位:ヒュンダイ(韓国)、4位:トヨタ、5位:BMWでした。レースの世界ではヨーロッパの市販車の売れ行きを左右するWRC(世界ラリー選手権)では日本車の参加は無く、フォルクスワーゲンと韓国のヒュンダイの争いになっています。レーシングカーの最高カテゴリーのF1ではホンダがエンジンサプライヤーとして参加して2年目になりますが、上位にはほど遠い成績です。車の世界ではヨーロッパでの販売台数は韓国車に追い越され、アメリカの満足度でも追い越されつつあります。WRCでは日本メーカーの活躍して欲しいのですが、、。

高速鉄道では中国の新幹線の事故以来、日本の新幹線の技術のほうがすごいと思われていますが、日本の総延長数を遥かに越える新幹線網と欧州高速列車の技術も取入れた車両デザインと品質が、日本を上回っており、二度と勝てないとまで言われています。韓国車や中国の高速列車の事等は知らないのはあまりニュースとして聞かされない日本人だけなのかもしれません。日本人の礼儀ただしさや、優しさなどワールドカップの会場掃除などニュースに流れ、日本人は全て優秀と思われていますが、そうでしょうか。当社の本社のある広尾のお屋敷街では道までを掃除する家は少なく、落ち葉や雑草など多くあり、コンビニ前のゴミ箱や自販機のゴミ入れにもゴミが溢れている事も多く見ます。

出張が多いので公共交通を利用する事が多いのですが、空港までのバス車内で優先席に平気で座っている人や、自分の席の隣に平気で荷物を置いて座らせない人が多く、目を疑ってしまう事が多く感じます。先日も前の夫婦が2人とも狭い車内なのに後ろに気遣いもせずに背をかなり倒されました。また特急列車に乗った時、人が多く降りる地方都市前の社内では席の網ポケットに多くのペットボトルがゴミが残されていました。これらは海外の方ではなく普通の日本人の姿なんです。新幹線では倒した席を元通りにして下さい、自由席では一人でも多くの方が座れるように荷物を置かないようにと必ずアナウンスがあり、席の前にはパソコン操作で音が出ないように周りに気をつけての貼り紙があります。それがあってようやくマナーが保たれている感じです。

駅や社内、最近では町中でスマホを見ながら歩いている人たちが多く、周りへの気配りがされていない事を多く感じます。海外旅行へ行く事が珍しかった頃(そんなに昔ではなく30〜40年前)までは海外へ行く時のマナーを海外旅行本や大人が目下へ教えていたものです。中国や東南アジアからの観光客のマナーの事を言われますが、30年くらい前までは海外での日本人と同じ姿でした。その姿に恥ずかしいと思った記憶があります。たしかに日本は良い国で作られている製品は世界の平均値以上の物作りはできるようになっています。それも戦後、先輩達が海外製品に負けないように、見習い、不具合を克服してきたからです。もう一度、日本の本当の姿を振り返る時がきているように思います。
                                  (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)  
左:在来線の特急列車内です。かなりの本数のペットボトルが置かれたままでした。右:羽田から横浜へのバス内です。発車を待つ社内です。空港連絡バスは車体下に荷物預けができるのですが、、。

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