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2026.06.30|

DESIGNER

ミラノ空の庭園とサローネの植物

AD CORE DEVISE DESIGNER COLUMN Vol.181 先日開催したミラノデザインウィークレポートは1500名をこえる方に視聴いただき、今までのWeb開催では最高の参加数でした。今回もZoomウェビナーでの開催でしたが、写真がきれいで分かりやすかったとアンケートに書いていただき励みになりました。一部の方から画像が荒かったとのご指摘がありましたが、Zoomソフト以外のブラウザを使用しての視聴環境の方がいらっしゃいましたので、次回はぜひ、Zoomソフトでお楽しみいただければと思います。今回のミラノレポートは30か所のイベントを500枚近い画像でお見せしましたが、すべて私自身が撮影した写真を画像修正した画像です。その画像を整理しながら、ミラノデザインウィーク中の取材写真と、終わってから普段の街を歩いたスナップを見比べると、終わってから歩いた写真にミラノ市内の集合住宅の上層階の緑の多さに気がつきました。今回のコラムではミラノイベント中展示の植物とその集合住宅の植物についてお話しします。 毎年歩いてきたミラノは、市内だけで650か所ある会場を地図(今はスマホのグーグルマッピング)を片手に歩く、フルマラソンのような限界ギリギリで歩いているので、上を見る余裕なんてありませんでした。今回はデザインウィークが終わって静かな街を歩いている時にふと、水滴が落ちる道の上を見上げると、集合住宅の上層階のベランダの植栽からでした。そうして上に気をつけて歩くようになると、公園以外の緑が少ないと思っていたミラノ中心街に植物が意外と多いことに気づかされました。それから見上げて街を歩くようになると、下から見ても素敵なベランダが多く、緑の多いペントハウスが多いことに気づかされました。ミラノといえば2014年に完成したステファノ・ボエリ設計のタワーマンション「垂直の森」が有名ですが、完成した時には管理の難しさとミラノの冬の環境で、植物の成長が可能か疑問に思われていましたが、この垂直の森は10年近く経て手入れが追いつかないくらい生い茂っていました。 4月のミラノは街路樹の「ピオッポ/セイヨウハコヤナギ」という、ポプラ科の木から綿毛のような花粉が飛んでいます。例年は4月初めのサローネなのであまり感じませんでしたが、4月末に近かったということで、この花粉が舞っているのが見えるくらいすごくて、花粉症の重症でない私もミラノでひどい花粉症になりました。ミラノデザインウィークが終わって、雨が少し降ったこともあり花粉が落ち着いたこともあり、よけいに建物を見る余裕もできて、建物の上層階を見られるようになりました。旧市街地に街路樹や道路に面した庭がないこともあり、植物を置いて癒しにしているのかもしれませんが、高級そうな集合住宅の、それもペントハウスや広いベランダに住めるだけの財力がある家だからできることなのかもと思いました。中心地の上層階に限られた富裕層の生活が自分の生活を楽しむために育てているのかもしれませんが、道路からだけでなく、家の前の建物の方には良い眺めになることは間違いありません。上の遠くなので何の植物かは分かりませんが、歴史ある暗い建物のある街を明るくしていました。 道路を歩きながら、今年のミラノサローネのフィエラ会場のブース内の植物や、市内ショールーム内の植物が寂しかったことを思い出していました。いつも置かれている植物もインテリアの重要なデコラポイントで、時代に合わせて変わってくるのですが、市内にできた有名家具ブランドのショールーム内には植物が置かれていませんでした。植物を置くと占有面積が取られてしまい狭くなるのもありますが、空間が無機質に感じられました。一方、フィエラ会場でも植物を感じることが少なくなっているように感じました。しかし、余裕のありそうな上位ブランドには植物が置かれ、インテリアの一部として使われていました。モンステラなど南洋植物の人気はまだ続いていて、シダ類やアレカヤシ科のように鉢からすぐ葉が出て場所が取られる植物も多く見られました。一方、ゴムの木やベンジャミンは1970年〜90年代のインテリアブームからでしょうか。 インテリアのトレンドはエクレクティックスタイルと言われる、ヴィンテージ、コンテンポラリー、そして個人的なアイテムが重ね合わせられたインテリアが主流になって、均一に流行でだけで集められたインテリアはあまり好まれなくなっています。観葉植物も同様なのでしょうか。均一な種類で集められた植物でなく、中心になる植物の周りに他の種を上手く集めたような置き方が、今の植物のトレンドのように感じました。適度にゆるいことがリラックスできる空間になっているのでしょうね。当社の六本木ショールームの植物も大きく育ってきました。広尾で事務所内に置いていたモンステラも大きく背丈を越えるように立派になり、今はショールーム内でピカピカな葉を見せています。フィカスも植え替えられ少し大きくなってきました。足元に置かれる胡蝶蘭もオープンのときにいただいた花が終わったものを植え替えて置いて花をつけはじめました。ぜひ、中庭の植物と合わせショールームでご覧ください。(クリエイティブディレクター 瀬戸 昇)

2026.06.26|

DESIGN

長く使うという価値

先日開催いたしました当社のオンラインセミナー「ミラノサローネレポート」には、2日間で1500名を超える多くのお客様にお申し込みいただきました。ご参加ありがとうございました。リアルタイムでご視聴いただき、この場を借りて御礼申し上げます。今回は私もミラノサローネを視察するためイタリア・ミラノを訪れました。最新の家具やインテリアデザインに触れることはもちろんですが、展示会場だけでなく、実際にミラノの街を歩くことで見えてくる発見も数多くありました。 ミラノの街を歩いていると、歴史ある建築物が数多く残され普段歩いている東京とは全く違う風景なことに気づきます。何百年も前に建てられたであろう建物が現代でも当たり前のように使われ、住宅はもちろんカフェやショップ、オフィスとして人々の暮らしに溶け込んでいます。その中に時折現れる新しい建築は、むしろ新鮮に見えるほどでした。ヨーロッパで古い建物が多く残る背景には、石やレンガ、コンクリートを用いた堅牢な建築であることや、日本ほど地震が多くないことが理由だそうです。歴史的建造物を保護する制度や法律も整っています。しかし、実際に現地を歩いて感じたのは、それだけでは説明できない文化的な価値観の存在です。特に印象的だったのが、市内を走るトラムでした。最新車両もありますしたが、長年使われてきた古い車両(サビだらけの外観で、いかにも長く使われている個体)も現役で活躍していました。大切に整備されながら街の風景の一部として受け入れられている姿を見ていると、法や制度での制約にとどまることのない「古いものを活かし続ける」という考え方が人々の暮らしに根付いているように感じました。 日本の街並みは少し異なります。木造建築を中心に発展してきた歴史や、地震・台風など自然災害への対応、戦後の急速な都市開発などを背景に、建て替えを前提としたスクラップ&ビルドの文化が形成されてきました。東京を歩けば、新しい高層ビルや再開発が次々と進み、常に街が更新されています。もちろん、どちらが優れているという話ではありません。近年の日本でもリノベーションや既存建築の活用が広がり、「ストック活用」という考え方は着実に浸透しています。一方で、ヨーロッパでは古いものに新たな価値を与えながら使い続ける文化が色濃く残っています。そうした人々の価値観そのものが、街並みや暮らし方の違いとして表れているように思いました。また、この考え方は環境負荷の低減という観点からも注目されています。建物の構造体を活かしながら改修を行うことは、新築に比べて資源やエネルギーの消費を抑えることにつながります。長く使うことそのものが価値になるという発想は、今後ますます重要になっていくのかもしれません。 私たちの家具づくりも、この考え方に通じる部分があります。当社では見た目のデザインだけでなく、長く使い続けていただける構造や内部仕様にもこだわっています。また、多くの製品でメンテナンスや張り替えに対応しており、長年ご愛用いただいているお客様から修理のご依頼をいただくことも数多くあります。先日も20年以上前に納品した製品のメンテナンス・リペアを行いました。時を経て再び活躍する姿を見ると、とても嬉しく感じます。流行を追うだけでなく、長く愛されること、使い続けることで価値が深まること、ミラノの街を歩きながら改めてその大切さを実感しました。これからも、お客様に安心して長く使っていただける家具づくりを続けていきます。(開発部 渡辺)

2026.06.25|

SHOWROOM

空間を美しく魅せる、キドニーソファのレイアウト術

AD CORE DEVISE SHOWROOM BLOG Vol.515(東京・六本木ショールーム) 独特の美しい曲線を描くキドニーソファは、世界的にも人気のスタイルですが、当社でもショールームに来場される半数以上の方が、キドニーソファ(075-MODEL)を見にいらっしゃいます。その有機的なフォルムは、お部屋に1台あるだけで、まるでアートピースを置いたかのような洗練された佇まいを演出してくれます。 しかし、一般的なスクエアなソファと違って「どう配置すればいいか分からない」と悩まれる方も少なくありません。今回は、キドニーソファの魅力を最大限に引き出すレイアウトのポイントをご紹介します。 キドニーソファの最大の魅力は、360度どこから見ても美しいフォルムにあります。壁にぴったりとつけてレイアウトするのではなく、思い切ってお部屋の中央(アイランド配置)にレイアウトするのもお勧めです。アイランド配置は、背面のなめらかな曲線が引き立ち、空間に贅沢な余白が生まれます。特に、リビングとダイニングを緩やかに仕切るパーテーションのような役割も果たしてくれます。また、現代の日本の住宅は、壁、ドア、テレビボードなど直線(四角)で構成されていることがほとんどです。そこにキドニーソファの曲線が入ることで、空間の緊張感が和らぎ、心地よいアクセントになります。センターテーブルは、ソファのカーブに沿うような円形や楕円形、MD-3212リビングテーブルのような変型を選ぶと収まりがよく、あえて四角いラグの上に載せることで、直線と曲線の美しいコントラスト対比が生まれます。または、円形のラグを合わせることでより柔らかな印象が強調されます。 キドニーソファのように曲線を描くソファは、四角い家具のように壁と平行に置く必要はありません。お部屋のコーナーに向けて、少し斜めに角度をつけて配置することで視線の抜けと動線を作ることができます。角が丸いため、斜めに置いても通路(動線)を圧迫しにくく、むしろ視線が奥へと抜けるため、空間を広く見せる効果があります。夏に向けて、風が通り抜けるような軽やかな印象のリビングを作ることができます。四角い枠にとらわれないキドニーソファは、レイアウトの自由度が高い家具でもあります。家具は壁際に置くものという固定概念を少し外してみるだけで、リビングの過ごし方がガラリと変わるはずです。キドニーソファの美しい曲線がもたらす「視覚的な心地よさ」と「ゆとりのある空間」を楽しんでみませんか?ぜひショールームで実際にご覧ください。ご来場をお待ちしております。 (東京・六本木ショールーム 西條 恵理) ▷075-MODELソファはこちらから ▷ご予約はこちらから

2026.06.23|

SHOWROOM

クオリティの高さを再確認した工場研修

AD CORE DEVISE SHOWROOM BLOG Vol.514(名古屋・栄ショールーム) 先日、全社員で工場研修に九州を訪れました。今回はスギの産地としても名高い大分県日田市の工場3社を訪問しました。通常、製造工程や内部の構造を目にする機会が少ない私達にとって、年に一度のこの工場研修は家具製作を再確認できる大変貴重な勉強の場です。 工場を訪れた際には、大人気のNC-075ソファの製作が各工程で進んでいました。骨格になるフレームには全てスギやヒノキの国産合板が用いられ、背板には強固な国内再生紙が使用されています。背や座のクッション材にはウレタンクッションの端材を再利用して作られたリボンテッドフォームやリサイクルフェルトが用いられ、とことん環境に配慮した優しい素材で創り上げられています。いくつもの工程を経て創り上げられていく様を確認することが出来、かたち創られている内部構造の一つ一つの役割の重要性も学ぶことができました。また、各工場内の工程毎に分けられた作業スペースは、動線もきちんと確保され整理整頓が行き届いていました。整った環境が怪我や事故を防ぎ、作業効率を格段に上げています。 当社は創業当初から環境問題の一環として、国内受注生産をベースに国産材、リサイクル材の使用など自然環境に配慮したものづくりに取り組んでいますが、訪問した日田市でも様々な取り組みが行われていました。世代を問わず国産家具の良さを周知してもらう活動や、日田杉の天板で作られた机を小学校入学時に渡し、自分専用として6年間使用したのち、その天板を卒業と共に思い出として持ち帰る。といった、地域産業に触れながら自然の恵みを大切にする気持ちや、地域愛を育む試みが行われていました。 クオリティの高い国産材を材料に、最新の機械と熟練された職人さんの丁寧な手作業で創られたMade in Japanの家具を、是非ショールームでご体感ください。きっとデザインだけでなく座り心地にもご満足いただけるはずです。 (ショールーム担当:水野 未佳子) ▷ご来場予約フォームはこちらから ▷075-MODELはこちらから

2026.06.18|

SHOWROOM

自分だけの家具作り

AD CORE DEVISE SHOWROOM COLUMN Vol.513(大阪・心斎橋ショールーム) 家具は毎日使うものだからこそ、デザインや座り心地だけでなく、自分の暮らしや好みに合ったものを選びたいものです。今回は、エーディコア・ディバイズの受注生産だからこそできるカスタマイズの魅力についてご紹介いたします。 同じデザインのチェアやソファでも、張地や木部の色が変わるだけで空間の印象は大きく変わります。ナチュラルでやさしい雰囲気にしたり、落ち着いたシックな空間にしたりと、組み合わせ次第で理想のお部屋づくりを楽しむことができます。当社の製品は受注生産のため、ブランドごとに豊富な塗装色や張地からお選びいただけます。木部の塗装色はナチュラルな木目を活かしたものから空間を引き締めるダークカラーまで幅広くご用意しており、インテリアやお好みに合わせてお選びいただけます。また、張地もファブリック、フェイクレザー、本革など多彩な素材を取り揃えており、素材やカラーの組み合わせによって同じ製品でも異なる表情をお楽しみいただけます。「明るい空間にしたい」「木の温もりを感じる部屋にしたい」「アクセントカラーを取り入れたい」など、お客様のご要望に合わせたご提案も可能です。選ぶ仕様によって印象が大きく変わるため、自分だけの一台をつくる楽しさもエーディコア・ディバイズならではの魅力です。 一部のソファやチェアでは張地の張り分けも可能です。内側と外側で異なる張地を組み合わせることで、空間のアクセントになったり、より自分らしい一台に仕上げたりすることができます。また、カラーや素材選びだけでなく、一部製品ではオプションによるカスタマイズもお楽しみいただけます。チェアにハンドルを付けることで移動がしやすくなるだけでなく、バックスタイルのアクセントとなり、張地の汚れ防止にもつながります。さらに、本革のパイピング仕様をお選びいただくことも可能です。パイピングを本革に変更することでデザイン全体が引き締まり、より上質で高級感のある印象になります。小さなお子様やペットがいるご家庭でも安心してお使いいただける機能性の高いファブリックも多数ご用意しております。お客様の暮らし方やお好みに合わせて選ぶことで、より愛着の湧く一台に仕上がります。 長く使い続ける家具だからこそ、自分らしさを大切にした家具選びをしてみませんか。受注生産ならではの豊富な塗装色や張地の中から、お好みの組み合わせを選び、自分だけの一台をつくることができます。ショールームでは実際の製品や素材サンプルをご覧いただきながら、ご希望に合わせたコーディネートのご相談も承っております。ぜひ素材やカラーを見比べながら、世界にひとつだけの家具づくりをお楽しみください。 (大阪・心斎橋ショールーム 天川 唯) ▷ご予約はこちらから

2026.05.27|

DESIGNER

ミラノの本当の姿

AD CORE DEVISE DESIGNER COLUMN Vol.180 今年も4月のミラノデザインウィークへ行ってきました。24歳の時からミラノサローネへ行っているので、もう40年通っていることになります。最初は市内中心近くにあった見本市会場のフィエラ・ミラノ・シティで行われる国際家具見本市で、Duomoから7駅の便利な場所にありました。その会場までは9月に開催されていて、最後に行った年は真夏のように暑くクーラーのない会場はブースを照らすハロゲンライトの照明で、建物内がサウナのような温度だったことを覚えています。(その頃はミラノ市内のショップでもクーラーがないのは当たり前でした)2005年からミラノ市郊外の今のフィエラ・ミラノ・ローで開催されるようになり、暑さからは開放されましたが、地下鉄でDuomoから17駅と30分くらい遠くなり、会場も巨大で歩くことが大変になりました。そしてその頃から元工場跡で開催されるトルトナエリアやミラノ市内中心に様々なイベントが行われるようになり、世界中から人が集まるようになりました。 ミラノサローネはドイツ、ケルンで開催されるケルン国際家具見本市と2大家具見本市として知られ、同時に開催されるキッチン展は隔年でイタリアとドイツで別年に開催されるようになり、ミラノサローネでキッチン展が行われる年はインテリアコーディネーターの方が多く行かれるようになりました。この数年、このドイツとの共同的なキッチン展が崩れ始め、ドイツのキッチンブランドはミラノ市内でのショールーム展示に力を入れて、フィエラ会場には出なくなっています。そのため年々、館内のスペースが余るようになり、今年も通路が広くなり余ったスペースを隠すような幕が張られるようになりました。昨年の照明展も同様でした。家具ブランドも同じで、主要ブランドが多く出展していたフィエラ会場も市内へショールームをオープンさせ常設展示をするようになり、10年前まで訪問していた主要メーカーが半減しました。 これは展示会場での高騰する出展料や巨大なブースを設置するコストよりも市内でショールームを出す方が経費的に良いという判断です。昔は世界中からバイヤーが集まり、その1週間に1年の売上を作るための展示会で、購入するために見るバイヤーも、販売する側も真剣で、初日から3日間のバイヤーデー(一般人は入館不可)では真剣に販売目的の熱気が感じられました。今は、主要ブランドは世界エリアでエージェントが決まっており、主要都市にはフランチャイズの代理店があり、新規での仕入れが不可能になり、やりとりも決済もインターネットから簡単にできるようになったので、展示会の見せ方もバイヤー主流からユーザーへのイメージを見せる場へと変わりました。そのイメージの見せ方に人が集まるようになり、市内イベントではその集客を見込んで、デザインのお祭り的な期間となり、家具ブランド以外のインスタレーションなどブランド広告のイベントが多くなり、それに多くの人が集まるようになりホテル代高騰を招きました。 この数年、サローネ時期の渡航経費の高騰には困りますが、今年は円安が進みユーロが2割程度上がったこともあり、この数年宿泊しているホテルが一昨年一泊6万円程度だったのが昨年は9.3万円になり、今年は12万円以上になってしまいました。当社がミラノサローネツアーを開催していた15年前には2万円台だった頃から比べると異常な金額です。そのため、今年は日程をいつもの初日の水曜から三日間滞在を、金曜から日曜の一般デーにしてホテル代を少しでも安くしました。(最終日の日曜の宿泊代は半額に下がる)そして、私だけはサローネ開催時期の後の様子を見るために三日間延泊をして市内を回ることにしました。最終日の日曜に回るのも初めてでしたが、サローネ期間が終わってからのミラノは40年通って初めてのことです。最終日の日曜はファッションブランドのイベントは長蛇の列で入館は諦めましたが、日本でも知られる有名家具ブランドのショールームは閑散としていました。一般市民は家具ショールームには興味がないんだなと、、。 月曜から1/5の宿泊代になった同じホテルでは、急に朝食会場が混み出しました。サローネ期間では席が満席になることはありませんでしたが、通常のビジネスマンで一杯になり賑わっていました。たしかに仕事での出張でホテル代は10万円以上は出せないし、ホテルも日本のビジネスホテルグレードなので、普段はビジネス客が使用するホテルだったんです。サローネ期間が終わってから街を歩いて驚いたのが、あれだけ賑わっていた街中が閑散としていて、家具やキッチンブランドのショールームでは入館規制もなく、誰もいなくなった入口から普通に入り、中では普段の時間に戻ってゆったりと仕事をしているスタッフが少しいるだけで、見放題、座り放題、写真の撮り放題でした。ブレラにある人気キッチンブランドも期間中は長蛇の列でこの数年見ることも諦めたり、入れても人が多くて写真も撮るどころではなかったのですが、あの喧騒はどこに、、。 デザインウィーク期間中しか知らなかったこともありますが、こんなに静かに歩けるミラノだったんだと初めて知りました。来年からは期間中にショールーム以外を回り、終わってからショールームを回って歩こうと思いました。新作もそのまま展示しているし、ゆったりとインテリアや製品を見ることができます。お祭りのようなインスタレーションを見るのもいいのですが、それが仕事に役立つのかと考えると、期間中だけ楽しく見える万博的な展示を見ることよりも、有意義な時間を過ごせそうです。期間中に行く人が減れば、ホテル代も少しは下がるのではないでしょうか、、。さて、今年のミラノデザインウィークのレポートはゆったりとした空間で撮影した写真が多くあり、見応えのあるレポートができそうです。お楽しみに!(クリエイティブディレクター 瀬戸 昇)

2026.05.27|

DESIGN

パリで感じたデザインのあり方

4月末、インテリア視察のためにイタリアミラノに伺いました。毎年開催される国際的なインテリアの祭典であるサローネでは、数多くのトレンドやブランドごとのストーリーを存分に味わうことができました。日本に戻る前にもう1箇所、フランスパリを訪れました。今回の滞在では、オルセー美術館、ルーヴル美術館、ブルス・ド・コメルス - ピノー・コレクション、ラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸などを巡り、建築やアート、インテリアを中心に多くの刺激を受けました。もちろんエッフェル塔やエトワール凱旋門といったパリを象徴する場所にも足を運びました。限られた日程だったため、スケジュールはかなり詰め込み気味ででしたが(美術館のスケールもあって1日3万歩近く歩きました、、、)その分非常に濃密な時間となりました。4月下旬のパリは天候にも恵まれ、雨に降られることもなく、歩いていると少し汗ばむほどの陽気でした。歴史的な街並みの中に、現代的なデザインや新しいカルチャーが自然に溶け込んでいる空気感は、やはり現地でしか味わえない魅力があります。 今回の視察を通して特に感じたのは、デザインは単体では成立しない、ということです。美術館に展示されている作品だけでなく、建築、照明、素材、ひとの流れ、空間の余白に至るまで、すべてが一体になって空間を構成していました。どの場所も見せるための設計ではなく、どう感じてもらうかまで考えられたデザインが存在していました。印象的だった一つは、ラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸です。ル・コルビュジエが提唱した近代建築の思想も多く取り入れられた住居兼ギャラリーで閑静な住宅街に佇みます。建築だけではなく、光の入り方、視線の抜け方、家具との距離感まで細かく設計されており、空間そのものが一つの作品として完結していました。ただ美しいだけではなく、「人がどう過ごすか」を軸に考えられている点にデザインに対する思いやりを強く感じました。家具づくりにおいても、これは常に重要な視点だと感じています。家具は単体で存在するものではなく、空間や人との関係性の中で本領を発揮します。どのような場所で、どのように使われ、どんな時間を過ごしていただくのか。そうした背景まで含めて考えて初めて製品化へのスタートラインに立つことができる。デザインは単に形や構造を構築するのではなく、そういった想いが必要なのだと感じました。 また、パリの街を歩いていて印象的だったのは、古いものと新しいものの共存です。何百年と使われてきた建築や家具が今も自然に街に溶け込み、その中に現代的なデザインが違和感なく存在している。流行だけを追うのではなく、長く残ることを前提に考えられているからこそ、時間が経っても価値を持ち続けているのだと思います。ルーヴル美術館の歴史ある建築とアイコニックなガラスのピラミッドは、重厚な歴史的建築の中に現代的なガラス構造が自然に溶け込み、「古いものを残しながら現代に合わせてアップデートしていく」という考え方を体現しているように感じました。2031年頃までを見据えた改修計画も進められており、歴史的建築であっても止まることなく進化を続けています。これも家具づくりにも通じる考え方であり、長く愛されるものほど、時代に合わせたアップデートが重要なのだと改めて感じました。 今回の視察では、多くの空間や作品に触れる中で、改めて本質的なデザインとは何かを考える機会になりました。見た目の美しさだけではなく、人の感覚や体験まで含めて設計していくこと。その積み重ねが、長く愛されるものづくりにつながっていくのだと感じています。これからも国内外でさまざまなものに触れながら、新しい感覚を取り入れ、より魅力的な家具づくりへと繋げていきたいと思います。(開発部 渡辺 文太)

2026.05.18|

SHOWROOM

リビングでの時間を格上げするテーブルの選び方

AD CORE DEVISE SHOWROOM BLOG Vol.512(東京・六本木ショールーム) 爽やかな季節も束の間、夏を思わせる暑さや急な冷え込みなど、体調管理が難しい季節になりましたね。そんな時期は、無理をせずご自宅でゆっくり過ごされる方も多いのではないでしょうか。おうち時間の中心となるリビングですが、最近はその過ごし方も多様化しています。お客様からも「どんなリビングテーブルを選べばいい?」「そもそも、リビングテーブルって必要ですか?」といったご質問をよくいただきます。そこで今回は、リビングでの時間をより快適にするための、リビングテーブルの選び方と活用方法をご紹介します。今月は各ショールームの公式Instagramでも様々なリビングテーブルをピックアップしていますので、ぜひ合わせてチェックしてみてください。 ライフスタイルに合わせた「サイズ」の選び方 リビングで心身ともにリラックスするために、メインとなるのはやはりソファです。しかし、そこで「どんな過ごし方をするか」によって、最適なリビングテーブルは変わります。まずは、お部屋のスペースやソファとのバランスを意識してみましょう。基本的には、ソファの横幅に合わせて天板のサイズを選ぶと、空間が美しく整います。カウチソファの場合:3〜4人掛け(幅160〜180cmのソファ+70〜90cmのカウチ)であれば、幅120cm前後の長方形テーブルを合わせるのが一般的です。L字ソファ・システムソファの場合: ソファで囲むようなレイアウトには、正方形のテーブルを選ぶとどの席からも手が届きやすく、バランスよく収まります。また、リモコンや雑誌をすっきり片付けたい方は、棚や引き出し付きのタイプを選ぶのもおすすめです。 役割で選ぶ、3つのテーブルデザイン リビングテーブルには、デザインによってそれぞれ異なる役割があります。ご自身のライフスタイルに合わせてお選びください。センターテーブル:空間の重心を低く見せ、お部屋を広く開放的に感じさせる効果があります。大人数で集まったり、床に座って床座スタイルで食事をしたりする方におすすめです。サイドテーブル:ソファの横や手前に引き寄せて使え、現代の暮らしに最もフィットする利便性が魅力です。ソファに深く腰掛けたまま、コーヒーを飲んだりパソコン作業をしたりするのに最適です。ネストテーブル:サイズの異なるテーブルを組み合わせることで、空間に立体的な表情が生まれます。来客時には切り離して別々に使えるほか、高さが60cm程度あるものなら、ソファに座ったまま無理のない姿勢で軽食を楽しむことも可能です。 「サイズ感や、実際の使い心地がイメージしにくい」 そんな時は、ぜひショールームの公式Instagramをご覧ください。今月の投稿では、スタッフが実際にソファに座ったり、テーブルに飲み物やタブレットを置いた様子を写真でご紹介しています。ホームページの製品写真だけでは分かりにくい「リアルな生活動線やサイズ感」がイメージしやすいと、大変ご好評をいただいています。ホームページの製品紹介とInstagramのリアルな使用感を合わせてご覧いただくことで、皆様の暮らしにぴったりの一台がきっと見つかるはずです。「我が家のソファにはどれが合う?」「素材の組み合わせに迷う」という方は、ぜひお気軽にショールームのスタッフまでご相談ください。皆様のご来店を、心よりお待ちしております。 (東京・六本木ショールーム 西條 恵理) ▷ご予約はこちらから

2026.05.15|

SHOWROOM

イタリア・ミラノを視察してきました

AD CORE DEVISE SHOWROOM COLUMN Vol.511(名古屋・栄ショールーム) イタリア・ミラノといえば今年開催された冬季オリンピックを思い出される方も多いと思いますが、毎年4月に開催される世界最大規模の家具見本市「ミラノサローネ国際家具見本市」を研修で訪れました。メイン会場のFIERA会場だけでなく、ミラノ市内全体で様々な企業やデザイナーによる展示が行われ、ミラノデザインウィークとして街中がたいへん多くの人で賑わい、盛り上がっていました。 初めての視察に出発前から期待で気持ちが昂っていましたが、その期待を裏切ることなく世界トップレベルのデザイン、空間のしつらえや演出に大変刺激を受けました。市内でもインテリアに限らずラグジュアリーブランドや高級時計ブランド、高級車メーカー等がこぞって展示スペースを設け、ミラノの街全体がお祭りのような盛り上がりでした。訪欧期間中は連日晴天に恵まれたこともあり、地元の方々も青空の下で思い思いに過ごされている様子も印象的でした。 私は通常、ショールームでお客様をお迎えしているので、空間の見せ方も視察の大きな課題でしたが、各スペースを巡り感じた全体の印象は、ナチュラルカラーを主体に製品そのもののクオリティを際立たせているような見せ方でした。自然素材から着想を得たような色使いが多く、すっきりとした印象です。その中で目を引いたアクセントカラーがテラコッタ色で、ファブリックや塗装色、大理石に至るまで多く用いられており、品格のある演出がとても目を引きました。ディスプレイも簡素なデコレーションが多く、花材も何色も色味を持たせず単色で際立たせるアレンジが印象的でした。このような素材感を活かした演出の中、よく目にしたのはアジアを意識したディスプレイです。随所に和小物が用いられていて、私たち日本人には見慣れたアイテムもモダンな空間に映え、存在感を醸し出していました。ブランドスタッフの方の所作や身だしなみも、客観的に観察できる良い機会となり学ぶことの多い研修でした。 今回のミラノ研修で目に焼き付けてきたコーディネートや色使いは、ショールームへお越しいただいたお客様へご提案させていただきたいものばかりです。家具を新調したいけど、何から手をつけたら良いか分からない。といった時もお気軽にご相談ください。漠然としたイメージからお好みの空間を作り上げるお手伝いをさせていただきます。ショールームで皆様のご来店をお待ちいたしておリます。 (ショールーム担当:水野 未佳子) ▷ご予約はこちらから

2026.05.11|

SHOWROOM

自宅でホテルライクをかなえる家具選び

AD CORE DEVISE SHOWROOM COLUMN Vol.510(大阪・心斎橋ショールーム) 5月に入り、日中は汗ばむ日も増え初夏の気配を感じる季節となりました。新生活が落ち着き、お部屋のインテリアを見直したいとお考えの方も多いのではないでしょうか。ショールームへご来店されるお客様からは、「ホテルのように重厚感のある空間にしたい」「宿泊したホテルのようなイメージの家具を探している」といったご要望を多くいただきます。今回は、実際にホテルでも採用されているエーディコア・ディバイズの製品をもとに、ご自宅でもホテルライクな空間をかなえる家具選びをご紹介いたします。 4つのブランドを展開しているエーディコア・ディバイズの製品は、さまざまなホテル物件にもご採用いただいており、お好みのホテルイメージに合わせたご提案が可能です。特にホテルライクな空間をお求めのお客様に人気なのが、NEO CLASSICOシリーズです。空間にラグジュアリー感を与えながらも、圧迫感を感じさせないデザインは、ホテルの客室やロビーなどの空間でも多く採用される理由のひとつです。お部屋のインテリアにも自然に馴染み、上質で落ち着いた空間を演出します。 ソファでは、NEO CLASSICOシリーズのNC-016やNC-009のような、重厚感のある上品なデザインがホテルライクな空間におすすめです。主張しすぎないクラシックなデザインと、長時間座っても疲れにくい使用感で人気があります。また、同シリーズのラウンジチェアNC-043LAやNC-053L-Hは、お部屋のインテリアに溶け込むデザインで、ホテルのような落ち着いた空間づくりに最適です。和の空間にも合わせやすく、頭部までしっかり支えてくれるハイバック仕様のため、ゆったりと身体を預けておくつろぎいただけます。張地はベーシックなお色味を選ばれることが多いですが、アクセントとして目を引くカラーを取り入れることで、空間全体にメリハリが生まれ、より上質な印象を演出できます。チェアでは、NC-020や背がオーバル型のチェアNC-007もおすすめです。ゆったりとお座りいただけるサイズ感と、繊細なディテールが特徴で、実際にホテルの客室やエントランスなどにも数多くご採用いただいています。 今回はNEO CLASSICOシリーズの一部のみのご紹介となりましたが、他にもおすすめの製品を多数ご用意しております。ショールームでは、実際のサイズ感や座り心地、素材感をご体感いただけますので、お好みのイメージ画像などがございましたら、ぜひご持参ください。毎日過ごすご自宅だからこそ心からくつろげる空間で、ホテルで過ごすような上質な時間をぜひご自宅でもお楽しみください。 (ショールーム担当:天川 唯) ▷ご予約はこちらから

2026.04.27|

DESIGNER

世界で一番有名な住宅の価格

AD CORE DEVISE DESIGNER COLUMN Vol.179 インテリア雑誌にロサンゼルスのハリウッドにあるスタール邸が2500万ドルで売りに出されたことが書いてありました。スタール邸はピエール・コーニッグが設計し、ジュリアス・シュルマンが撮影したことで世界的でもっとも有名になった住宅で、ケーススタディハウス#22としても知られています。この住宅は1954年に元プロフットボール選手で看板職人として働いていたバック・スタールがハリウッドヒルズの自宅の近くにあった空き地を1万3500ドルで購入し、建設のため自力で整地などを行っていました。1957年、若き建築家ピエール・ケーニッヒに設計施工を依頼し、建設が始まったのは1959年9月、完成したのは1960年5月、建設費は3万4000ドル、プールの建設費は3,651ドルでした。この住宅をロケハンで2006年に初めて訪問した時には奥様が元気でお住まいになっていました。この住宅を建てたときは、こんな所、誰も振り向かない所で安く手に入れて、工事車両が入るのも苦労し、お金がなくて夫婦で整地したことや建物は3万ドルで建てたのよとおっしゃっていました。 アメリカ中流階級の人々に安価なプレハブ建築の魅力を知ってもらうために米建築雑誌「アーツ・アンド・アーキテクチュア」が企画した実験的住宅建築プログラム「ケース・スタディ・ハウス」の22番目の建築として建てられたスタール邸は、完成後すぐに写真家ジュリアス・シュルマンがこの家を撮影し、開放感とハリウッド市街が見える景色のあるモダン建築として世界一有名な住宅として有名になりました。奥様からは建築時の話や住み心地や、さまざまな雑誌や映画やテレビドラマに使われて、楽しかった思い出をお聞きしました。ガラスの面積が大きいので冬は寒く、夏は西陽の日差しが暑く、雨が降ると屋根の音がうるさくて、住み始めた頃はけっして快適ではなかったとのことでしたが、シュルマンの建築本で有名になったことで、さまざまな撮影で有名人に会えたりして楽しいことも多かったと笑いながらお話ししていただけました。 その後、奥様がお亡くなりになり、息子さんが相続して有料の完全予約制で公開されるようになってから、当社の建築ツアーで数回お客様を案内しました。行くたびに小綺麗にはなっていくのですが、地元の家具屋さんのスポンサーを受けジェネリックのミッドセンチュリー家具など時代に合わない家具が置かれるようになり、家は住まわれなくなるとリアリティをう事を実感しました。スタール夫人がお住まいの時はちょうど良い抜け感があったよのですが、、。今はお姉さん夫婦が所有しているようです。1960年完成の家に50年近く住まうのは住み替えが多いアメリカでは珍しい事で、コーニッグ建築が改装されず、ワンオーナーで住み続けた事は本当に珍しい事かもしれません。そのオリジナルの状態の住宅が売りに出されたという事で建築業界でも話題になりました。どこが販売権を持っているのか調べると、豪邸を販売している不動産グループのThe Agencyで、アメリカ西海岸建築ツアーでお世話になっていたブレア・チャンさんのグループ会社でした。 昨年暮れに販売されたスタート時には2,500万ドル(約40億円)でしたが、今現在は2,000万ドル(32億円)になっていました。この家はロサンゼルスの歴史的建造物に指定され改装は制限されていますが、建築された当時のオリジナル性が価値として、絵画アートと同様にアートコレクターに注目されています。もし取引成立したら、土地1,133平米/343坪、建坪204平米で2LDKとしては世界一の金額の住宅になるのかもしれません。一昨年に訪問したピエール・コーニッグが設計施工したケーススタディハウス#21のベイリー邸はもう少し小さな住宅でしたが、2006年に韓国人女性アートコレクターに318万ドルで売却され、当時モダンハウスとしては2番目の高額で、建築がアートとして取引された転換期と言われました。それがこの数年、有名建築の販売価格は美術品のような金額で取引されてついに2000万ドルになりました。アートと違い、固定資産税と火災保険の高額な固定費が永遠とかかるので、美術品より費用がかかるのですが・・・。 今年もミラノサローネへ行ってきます。アメリカ発信のインテリア流行で1970年代が大流行りでしたが、今年はどのような提案になっているのでしょうか。今までの重要顧客で、イラン戦争の影響を受ける中東や、景気低迷の中国などの販売から方向が変わっている事だと思います。中東経由の航空航路がストップし、倍近く高騰している航空券ですが、12月に予約したホテルが空きがあり、昨年の半額以下になっているのを見ると、相当来場者が減っているようです。今年のミラノサローネの展示会場は入場料の値上がりでしたが、主要ブランドの減少など、視察側も行くべきイベントなのか見極める時にきているような気がします。レポートセミナーは検討していますのでお楽しみに!(クリエイティブディレクター 瀬戸 昇)

2026.04.22|

DESIGN

SNSで伝える家具

近年、InstagramやYouTubeといったSNSは、製品を魅力的に伝えるうえで欠かせないツールになっています。当社でも日々発信を行っていますが、単に写真や動画を投稿するのではなく、「どう見せるか」という点を非常に重要視しています。家具は、ただ置かれている状態を見るだけでは本来の価値が伝わりにくいものです。サイズ感や素材の質感、空間との関係性、そして座り心地といった複数の要素が重なってはじめてその魅力が伝わります。しかしSNSでは、それらを限られた情報の中で表現しなければなりません。だからこそ一つひとつの見せ方に工夫が必要になります。 写真は一瞬を切り取る力に優れています。光の入り方や構図、背景とのバランスによって、同じ製品でも印象は大きく変わります。当社でも毎年の撮影ではカメラマン・ディレクターそして当社で「どういうふうに撮ればこの製品の良さが最大限伝わるか」をその場で話し合いながら撮影しています。毎月配信している動画では、空間の広がりや動き、実際の使用シーンをよりリアルに、当社デザイナーならではの視点でより詳細に伝えることができます。椅子に腰掛ける動作や立ち上がる瞬間、テーブルのサイズ感などは、動画でこそ伝わる要素です。当社では、それぞれの特性を踏まえながら、写真と動画を使い分けて発信しています。当社では家具そのものをデザインするのと同じように、「見せ方」も工夫を凝らしています。どの角度から見せるか、どの高さで撮影するか、背景との関係性をどう整えるか、ショールームのレイアウト自体を撮影のために調整することも多くあります。さらに、光の当て方や影の出方によって素材の見え方は大きく変わるため、撮影時間や照明環境にも配慮しています。HPに掲載される写真やInstagramでの写真、動画の裏側には、こうした細かな検討と調整が積み重なっています。 一方で、SNSには限界もあります。どれだけ工夫を重ねても、座り心地や触れたときの質感、空間の中での存在感といった要素は、実際に体験していただかなければ完全には伝わりません。画面越しに伝わる情報はあくまで一部であり、家具の本質的な価値はリアルな体験の中にあります。当社ではSNSを「製品を実際に見てみたくなるきっかけ」として位置付けています。まずはInstagramやYouTube動画を通して興味を持っていただき、その先で実際にショールームに足を運んでいただく。空間の中で家具を体感していただくことで、初めて伝わる価値があると考えています。 家具はつくることと同じくらい、「どう伝えるか」が重要な時代になりました。見せ方ひとつで印象は大きく変わり、価値の感じ方にも影響します。これからも、ものづくりと同様に伝え方にもこだわりながら、より多くの方に当社製品の魅力を届けていきたいと思います。ぜひショールームで、その質感や座り心地を体感してみてください。(開発部 渡辺 文太) 公式Instagram:@adcoredevise_official ショールームInstagram:@adcoredevise_showroom 公式YouTube:@adcoredevise_inc