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2022.3.30 DESIGNER
アメリカ最高額の住宅の裏話
AD CODE DEVISE DESIGNER COLUMN Vol.130
東京では桜が満開を過きました。今年の桜は花のつきが良く明治通りぞいは桜のトンネルになりました。春になってもヨーロッパではロシアのウクライナ侵攻が続いており、暗い雲が世の中を覆っています。物価が上がり、ガソリン価格も上昇が続いています。ヨーロッパではイタリアが1リッター260円を超えて、ドイツでも200円後半になったと聞きました。その中、アメリカ不動産住宅市場は高額物件を中心に活況が続いているようです。先日、地上波TVで「全米史上最大・最高額の豪邸」の見出しが気になって見ると、ロサンゼルスの高級住宅地ベルエアに建つ330億円の住宅を、サンフランシスコ在住の野沢直子さんがレポートをしていました。撮影が1時間以内だったので、全ては紹介しきれていませんでしたが相当な豪邸でした。
その後、ロス撮影でお世話になっているYASUKOさんの友人で、高級不動産を扱うブレアさんのホームページに掲載されているかもと、見てみるとベルエアの住宅として掲載されていました。取り扱い物件だった事に驚きましたが、2月28日から3月3日までの入札物件として、2億9500万ドル(354億円)の価格がつけられていました。場所はビバリーヒルズよりハイエンドなベルエアにあり、そのもっとも山の上にある敷地は105,000スクエアフィート(9754平方メートル)でロス市内が360度見渡せます。寝室は21部屋、バスルームが45と1/2、駐車場は50台分との表記でした。バスルームが寝室数より多いのはリビングやプールにあるのはもちろんですが、寝室に2つあるので必然と部屋数より多くなります。ホテルのような建物の規模に対して寝室が少ないと思ったのですが、フォーマルリビングやダイニングも複数あり、いくつ部屋があるのかサイトからもよく分かりません。
テレビでは4レーンある本格的ボウリング場や5つのプール、シアタールーム、キャンディ用の部屋は紹介されていましたが、実際にはリビングスペースだけで20箇所以上、ダイニングもそれに近い数があり、フルサービスのビューティーサロンとウェルネススパ、巨大なスポーツジムもあります。ジムだけならロスの住宅なら当たり前ですが、その中にスムージーやプロテインをサービスする為の大きなカウンターバーがあります。ボウリング場の隣にはゴルフ練習場や屋上にパターゴルフもあり、ガレージは50台の駐車スペースがあり入り口にはバレーサービス用の待合室もあります。普通なら5つ星ホテルの中にある施設が全てあるような住宅で、中を歩くだけで疲れてしまいそうな規模です。いったい何の目的で建てられたのかと思う規模で、ホテルや企業の宿泊施設として使用できそうですが、ベルエアの住宅地にあるため、個人邸としての利用しか出来ません。どんな人がどんな目的で作ったのかを調べてみました。
この住宅は映画プロデューサーから不動産開発業者に転向したナイル・ニアミにより10年以上かけて開発されました。ニアミが全米一豪華な住宅を目指して計画したのですが、2019年完成時に建築構造的問題などの工事遅れなどでコストが増加し5億ドル(当時550億円)で販売をしました。今でもそうですが、1億ドル以上の物件はなかなか売れません。結局、破産しこの住宅は裁判所命令の管財人の管理となっていました。今年になり2月28日から3月3日まで入札販売として希望価格2億9500万ドル(354億円)の値が付けられましたが、最高入札額は1億2600万ドル(151億2000万)で落札されました。当初の金額からは72.5%の値下がりなのでかなりのお得物件です。オークション手数料を合計すると1億4100万ドル(169億2000万)になり、超高額な住宅には間違いありません。購入者はアメリカのファストファッションブランド、Fashion Nova CEOのリチャード・シャギアンです。
Fashion Novaは私自身全く知らないブランドで、アメリカで5つの実店舗しかないスーパーファストファッションブランドです。ファストファッションは落ち目と言われていましたが、Fashion Novaは2006年にインスタグラムを中心としたソーシャルメディアマーケティングを利用したPR活動で売上を伸ばしているブランドで、モデルや有名人、一般に近いインフルエンサーと言われる人たちに有料でPRさせたり、無料配布での広報活動をし、ネット販売がメインのブランドです。スーパーモデルなどを使用せずに、太めアメリカ人のリアルサイズを見せた売り方と身の丈にあった価格が好感を得て若い世代に売上を伸ばしているようです。それでも手数料入れて170億円の住宅を購入できるとは、、。151億円の家だと年間の固定資産税1.25%だけでも2億近く毎年支払う事になります。それにメイド、ガーデナー、プールメンテナンスなど維持費は想像を絶します。それとプールの水道代、、。
テレビでレポーターが1時間かけても半分も紹介できないくらいの規模の住宅です。主寝室だけでも都内の億ション以上の広さで、画像を見ながら想像はしますが、あまりの規模で疲れてしまいました。オークションでの米国の最高販売額の2倍以上、世界記録よりもほぼ50%高い価格の住宅ですが、快適性は?掃除するだけで大変と考えるのは庶民なんでしょうか、、。夢の中のような住まいですが、想像できる規模の住宅が実際には快適なように思います。今年か来年にはアメリカ西海岸ツアーは開催したいと思っています。ここまでの規模は見学できませんが、リアルな住まいをお見せできるように今から探さないと、、。
(クリエィティブディレクター 瀬戸 昇)