COLUMN

2020.4.24 DESIGN

オンラインミーティング

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.96
いつもなら初夏の気配が漂う緑が芽吹き始める気持ちのいい季節。GW直前のそわそわした時期にあたりますが、今年はみんなで自宅で自粛する期間となります。連日、新型コロナウィルスのニュースで不安な日々が続いていますが、今は1日でも早くこのウィルス感染が終息できるように、出来うる限りのことを実践するしかありません。

エーディコア・デバイズでは感染が広がり始めた2月末から、検温や除菌の実施などを行い、感染者数の増加に即した社内の業務体制をステージごとに設定してきました。時差通勤やショールームの完全予約制、社内での3密を避けるためのレイアウト変更など可能な限り業務を遂行できるような対策も取ってきましたが、さらに自粛要請が広がってきたことを受けて、先週より社員スタッフを2チームに分けて在宅勤務体制を始めました。ニュースでも在宅勤務が取り上げられていますが、電話やメール、その他ネット通信ツールを活用しての勤務体制になります。

在宅勤務になると、業務連絡や外部との調整が多岐にわたる場合コミュニケーションが難しくなります。社内全体のコミュニケーションも一度に取るのが大変です。そこで、当社ではオンラインミーティングシステムの「Zoom」を活用しています。これまでスカイプ会議なども行ってきましたが、もっとスムースでフレキシブルに対応ができるシステムです。めんどうな準備も必要なく、いつでもどこでも簡単に参加できることが最大のメリットです。画面を通しての会話から図面やCADデータを共有しながらの打ち合わせ、ホワイトボードを共有してそれぞれが書き込みができる機能など、便利なスペックがたくさんあります。この自粛制限が解除になっても、ますます広がっていくシステムだと思います。

エーディコア・ディバイズでは、毎朝の朝礼と夕方の終礼を「Zoom」で行なっています。出勤チームも3密を避けてそれぞれのデスクから参加、在宅チームと合わせて合同朝礼を行なっています。まだ慣れないことが多いのですが、日々使うことによって活用度合いも進化しています。感染問題の在宅勤務で活用を始めたツールですが、工場との打合わせの他にもお客様への営業活動などで使用が増えてくるのではないでしょうか。今後は、会場を設けて開催していたセミナーを「Zoom」を活用した開催も検討しています。感染問題が収まっても、これからは必須のアイテムになると思います。(開発 武田伸郎)

この日のミーティングは、社内で行なっている抗菌試験の結果報告。瀬戸が画像を共有して見せながらのレクチャーです。

2020.3.30 DESIGN

国内で生産した家具を抗菌塗装仕上げで対応いたします

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.95
記録的な速さで桜が開花したこの春、暖かい日が続いて夏日まで気温が上がった日もあったというのに・・・先日の日曜日には都内でも雪が降り積雪まで記録しました。満開の桜と雪模様、いつもならあまり見ることのできない美しい季節の組み合わせに見入ってしまいそうですが、目まぐるしく状況が変化する新型コロナウィルスの問題で、残念ながら例年のように桜を楽しむ事もできなくなってしまいました。

そんな折、感染防止、感染対策には細心の注意を払い、エーディコア・ディバイズの製品をお願いしている九州の工場に製品確認に行ってまいりました。今回の工場視察では、皆様にご案内しています「抗菌塗装」の仕様確認も目的の一つです。世界中で大変な問題になっている新型コロナウイルス、家具業界に携わっている私たちに何ができるのか?今できることとして取り組んだのが「抗菌塗装」「抗菌ファブリック」のご提案です。手洗いの徹底やマスクの着用などと同様に、今できることで少しでも感染を防止できれば、とはじめた対応です。

新型コロナウィルスの問題が深刻になるにつれ、いろんなメディアで「抗菌」アイテムのPRも一気に増えてきました。建材やスプレーなどアイテムは様々ですが、手軽さや即効性だけではあまり意味がありません。今回採用した抗菌塗装は、ポリウレタン塗装のトップコートに高機能抗菌剤を配合し抗菌性を持たせ、塗装膜の中に均等に分散されたナノサイズの抗菌剤が効果を発揮する持続性のある抗菌塗装仕上げです。添加剤は無色透明で、これまでの通常塗装の仕上げと違いがないことも確認しました。エーディコア・ディバイズの製品は全て国内で生産しており、仕様の変更や対策がすぐにできることが強みです。新型コロナウィルスの問題が広がる以前に、塗料メーカーと工場で準備を進め抗菌塗装の対応を取りました。

新型コロナウィルスが世界規模に拡大していく中、日本での感染拡大も心配ですが不安がってばかりもいられません。お客様にはご注文をいただいた家具を、今までと同様にお届けしてまいります。お伺いした九州の工場でも感染予防をしっかりと行って、フル稼働で生産を進めています。エーディコア・ディバイズの「すべての製品は国内生産」、こんな時こそ Made in Japan の底力を発揮する時だと思います。抗菌塗装もぜひお問い合わせください。今できることを最大限に、エーディコア・ディバイズでは家具作りを続けてまいります。(開発 武田伸郎)

ソファ工場では感染対策のマスク着用でフル稼働で生産しています。
抗菌塗装仕上げ用の添加剤。無色透明で仕上がりの色もツヤも規格の塗装色と変わりません。

2020.2.25 DESIGN

家具のお手入れ「除菌」についての注意

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.94
元号が変わり、令和2年もあっという間に2ヶ月が経とうとしています。この冬は記録的な暖冬で、厳しい冷え込みも少ない暖かい穏やかな日が続いていました。オリンピックイヤーの今年、これから春に突入して本格的に盛り上がっていこうという矢先、新型コロナウィルスの問題が発生してしまいました。

昨年末に発生が確認された新型コロナウィルスは、急激に問題が拡大し状況も刻々と変化しています。最近はTVなどの報道ばかりではなく、インターネットやSNSなど様々な情報が飛び込んでくるので、いろんな事に左右されてしまいがちです。正しい情報をつかむことは大切ですが、あまり情報に左右されることなく各自で出来る事をしっかり行ってこの問題に対処しないといけないと思います。マスクの着用や外出先からの手洗いやうがいの実施など、地道なことではありますが感染防止には大切な対策です。最近では感染を塞ぐために、手の触れる箇所の除菌クリーニングの施工が広がっています。一般的には病院などで実施されている作業ですが、家具の除菌については注意しなければいけないことがあります。

身の回りの除菌というと、手の触れる箇所を除菌効果のある液体やスプレー、またはシートなどで拭き上げる作業になります。ドアノブやハンドル、椅子やテーブル、ソファなども除菌する対象になります。注意しなければいけないのが、除菌材が家具に使われている素材を劣化や変質させてしまう場合があることです。使ってはいけない代表的なものが「アルコール」です。薬局などで販売されている除菌スプレーはアルコールが多く、成分表示を見るとアルコールではなくエタノールと記載されていることもあります。製品により濃度が変わり揮発してしまうものもありますが、いずれも木部の塗装やソファの布、人工皮革や天然皮革は変質してしまう可能性があります。(アルコール除菌剤でもしっかり拭き取れば影響がないタイプもありますが)ウレタン塗装を施したテーブルやチェア、布や人工皮革、天然皮革のソファなど、安心して使えるのが中性洗剤です。キッチン用やお風呂用など種類はありますが、家中の掃除に使える万能洗剤です。製品によっては、除菌率が99%以上で洗浄成分は100%植物由来で2度拭きの必要がない便利な製品もあります。ただし、中性洗剤でも直接振り掛けず、洗剤が残らないように拭きあげる注意が必要です。この時期、いろいろと不安になってしまいますが、慌てて除菌処理してしまい大切な家具を台無しにしてしまわないように注意しなくてはいけません。

ここにきて感染拡大を防ぐため、学校の休校やスポーツイベント、催事の自粛が要請されはじめました。これからの2週間が感染を抑えるための重要な期間になるようです。あまり過剰に慌てることなく、自分たちで出来ることをしっかり行って感染終息にむけて頑張りたいと思います。(開発 武田伸郎)

ショールームでも使用している家具用中性洗剤。除菌効果があり、2度拭きが不要でとても便利です。ただし、家具には直接振り掛けず布に吹きつけてご使用ください。

2020.1.30 DESIGN

天領の町、日田市の工場訪問

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.93
関東地方に大雪注意報が発令された1月末、九州の工場へ行ってまいりました。来月納入する物件の製品検査と製品の確認と業務的な打ち合わせに、今回は業務管理と同行して製品確認以外にも配送やパーツ在庫についてなど、いつもとは異なるスタッフの方とも打ち合わせを行いました。

出発当日の東京は、夕方から雪の予報。翌朝にかけて積雪の可能性がありニュースで大々的に報道していました。東京は雪の予報でしたが西日本は暴風雨で大荒れの予報。夕方発の便はほぼ予定通りに出発し、無事到着できました。エーディコア・ディバイズの製品をお願いしている工場は大分県の日田市、江戸時代に幕府直轄の天領だったことでも有名な町です。九州とはいえ東北地方並みに寒さが厳しく、冬の工場訪問の際は防寒対策をして伺います。しかし今年は記録的な暖冬で、暖房機器のない工場内でも寒さを感じませんでした。(それでもここ最近では寒い方だと言うことでしたが)寒気に震えることなく、製品倉庫から品質管理室、工場の制作現場と廻ることができました。今回は規格モデルをカスタマイズした物件用のラウンジチェアと、商業スペースにお使いいただくハイバックのラウンジチェア、マンションの共用部にお納めするソファなどたくさんの製品を検品しました。

製品検品は、仕上がった製品が指定通りに出来ているか、寸法から張りの仕上がり、キズやガタツキがないかどうかなど、チェックしていきます。(今回は広いエリアに納品する大型物件があり、梱包の設置場所表記シールの確認も行いました)ソファやラウンジチェアはファブリックや革で仕上がりが決まってくるので、ちょっとしたテンションの違いや留め方の具合で見栄えが変わってきます。張り方もそうですが張り上げた後のセッティングもとても大事になります。エーディコア・ディバイズの製品は要所要所にこだわりのポイントがあるので、制作を手掛けるのは限られたスタッフのみです。納め方を熟知したスタッフに丁寧に仕上げていただいているのですが、慣れてくると少しずつ仕上がりが変わってしまうことがあり、気がつかないうちにそれが通常の仕上がりになってしまう場合もあります。それを是正するのも工場確認の目的です。工場で流れていた製品も、パイピングの収め方やコーナーや立体的な箇所の布の差し込み方など、仕上がりをスタッフの方と確認しながら擦り合わせを行いました。

夕方には製品パーツの確認も終えて、帰京の途につきました。大雪注意報が出ていた東京は甲信地方でちょっと雪が舞った程度だったようで、大きな交通の混乱もなく、帰りの便に乗ることができました。今回確認してきた物件の製品は、来月中旬から納品が始まる予定です。エーディコア・ディバイズの製品が、また新たにいろいろなところでお使いいただけるのが楽しみです。(開発 武田伸郎)

製作途中のNC-053L-H。包み込まれるような座り心地は、クッション材のウレタンの仕込みが重要です。
システムソファのAD-085 PANNELLO。フレームパネルのパイピング加工部の加工を丁寧に施します。仕上がりを左右する大事な要所です。

2019.12.24 DESIGN

年の瀬の工場研修

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.92
先日、9月に入社した2名の新入社員が、3ヶ月の研修期間を終えたので、エーディコア・ディバイズの製品を製造している工場へ研修に行ってまいりました。まだ本格的な寒さが到来していない東北の工場でしたが、やはり寒さが一段違います。例年よりは暖冬傾向とのことで雪も全くありませんでしたが、日差しのないところや床がコンクリートの工場内は寒さが身にしみました。

工場内では、各工程ごとに粛々と家具の製作が進行しています。新人スタッフは、入社後の研修で家具の主な材料になる「木」のことや作り方についてのレクチャーは受けているのですが、実際の製造現場を見るのは初めて。巨大なプレス機や、工場の天井までそびえ立つ電動ラックに収められた沢山の成型合板の型など、初めて見る工場の設備に圧倒されていました。今回の、研修先の工場は、図面データから精緻な機械加工まで連動した高度にシステム化された工場で、一般的な家具製作の現場を知る者にとっては驚くような加工技術ばかりです。パーツごとの専用治具にセットされた木材は、一旦セットされるといろんな角度に回転しながら様々な切削加工を経て精密なパーツが出来上がります。削る、切る、掘る!!複数の加工をいっぺんにこなしてしまう多軸のNCマシーンはまるでブラックボックスのようです。

それでも製品の仕上がりを決定付けるのはやはり人の力です。天然の木材や椅子やソファの張り地については、データと共に職人さんの感覚がとっても重要になります。完全には数値化できない天然皮革の伸縮性や天然木の木肌や滑らかさを仕上げ切るのは職人さんの技術と経験のなせる技です。「AIの時代」とも言われますが、微妙な手加減が仕上がりを大きく左右します。木製家具に温もりを感じるのはそんな手作業があるからかもしれません。今回研修したスタッフも、思いの外手作業が多い家具の製造現場にそんな思いを感じたようでした。

夕暮れまで続いた工場研修、空港へ向かう道すがら急に雪が舞い始め吹雪模様になってきました。これから本格的な冬が到来、厳しい寒さがやってきます。そんな厳しい環境の中、温もりのある家具が今日も創り続けられていきます。来年も作り手の温もりを感じていただけるような家具をお届けできればと思います。今年も一年ありがとうございました。(開発 武田伸郎)

NEO CLASSICO NC-003L ラウンジチェアの木枠フレームを食い入るように見ています。
暖冬といっても工場内は冷えます。AD COREのダウンジャケットを着用するスタッフ。