COLUMN

2016.5.27 PRODUCT

PRODUCT :MEDUSA [メデューサ] Stool

AD CORE DEVISE PRODUCT BLOG Vol.38
メデューサはイタリア語でくらげ。1998年に水中をゆらめくクラゲをイメージしデザインしました。円形の座と、ゆるやかにカーブした脚のフォルムが空間に柔らかな印象を与えます。エーディコア・ディバイズでは椅子に合わせて、カウンターチェアが多く用意されています。その中でメデューサはシンプルなスツールとしてバーカウンターやコーナースツールとしてお使いいただける製品です。

クロームメッキの足掛けを持った、ゆるやかに下に伸びるビーチ材の脚部が座のフレームにしっかりとつながり、その円形のフレームの中に丸い木座が納まります。一見、簡単等に見える構造ですが、丸い木座は逃げの無い高い加工精度で木枠の中に納まり、脚部と座の色を変える事によって座が引き立ちます。シンプルな円形の座は一見フラットに見えますが、すり鉢状にへこんでいます。その形状が人のおしりに合うように3次元の成形合板で作られています。

座には2種類あり、ビーチ材単板合板のPタイプとウレタンフォームのクッション材が入っているAタイプがあります。Aタイプのクッション材の入っているタイプも3次元成形合板の下地が使用されており、一見薄く見えますが、中心部では40ミリのクッション材がしっかりと体重を支えます。同じ座を持ったスツールがサーコロ・デュエでサイコロ形状の本体と座の組合わせが楽しむ事ができます。高さはバーカウンターに合わせてH1,000~1,100用のハイカウンターのSH750とキッチンカウンターH800~850用のSH600、テーブル用のSH450の3種類があります。

ゆらめくようなフォルムのスツールは海に溶け込むくらげのように、空間に溶け込みます。モダンなキッチンからクラッシックなバーカウンター、化粧コーナーまで幅広い用途でお使いいただけます。                                                     (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

■MEDUSA・メデューサ AD-981 ▶

左:ゆるやかなカーブの脚が座フレームを支えます。その脚には傷に強いクロームメッキの足掛けが付きます。右:真円の座が丸いフレームの中に落とし込まれています。座合板と周りのフレームには隙間無く納まっています。
左:一見分かりませんが、座はすり鉢状にへこんでいて、おしりにフィットするようになっています。右:サーコロ・デュエの座と兼用でウレタンフォームのクッション材入りの座をお選びいただけます。

2016.4.26 PRODUCT

PRODUCT :053-MODEL Lounge Chair

AD CORE DEVISE PRODUCT BLOG Vol.37
2014年にスタートしたネオクラシコブランドのアメリカンクラッシックシリーズ、ヘリテージに2016年モデルとして、053-MODELなど2点のラウンジチェアを発表しました。ヴィンテージ、フェミニンからスタートしたシリーズはエフォートレスシックをキーワードに、エレガントな大人なカジュアルをイメージしたデザインはスタートから多くのご指示をいただいてます。

その中でも今回紹介する053-MODELは、デザインと掛け心地の良さから一番人気の製品になっています。ベルジャン・スロープ・アームチェア/053-MODELはシンプルな19世紀ベルギースタイルのインテリアをモチーフにデザインされ、その時代流行したウィングチェアのウィングを控えめにし、なだらかなアームを持つシンプルなラウンジチェアです。頭まで包まれる空間は、静かで落ち着いたパーソナルな空間を創るために効果があります。

053の構造は、体重を支える座に鋼製ウェーブバネを木フレームにしっかりと固定、その上に多層のウレタンとスーパーソフトウレタンを使用したクッションを置きました。特徴のハイバックの背は弾性ベルトをクロスに組み上げ、腰の当たりはしっかりとしたウレタンフォームを使用、背から頭にかけては雲の上に寝ているような柔らかさを出すためにスーパーソフトウレタンを多層に重ね、背骨のカーブに沿うような形状に作られています。その柔らかな座り心地は女性(150センチ)から男性(190センチ)の方まで、巾広い身長の方に、快適にご使用いただけるように、開発時に試作を重ね細かなモジュール設定を行い完成させました。

包み込むような柔らかな座り心地は、ただ柔らかいのではなく、しっかりとした木フレームと鋼製バネに守られた、安心できる長くお使いいただけるラウンジチェアです。住宅のリビングだけでなく、コントラクト物件でも長くお使いいただける製品です。ぜひお座りいただきお確かめ下さい。          (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

■053-MODEL ベルジャン スロープアーム チェア ▶

当社の東京広尾スタッフの営業課長の下山君(182センチ)と小山内さん(155センチ)の座り姿です。二人とも快適に座れます。巾広い身長に対応する、腰と背のバランスのモジュールを決めるために試作を重ねました。
左:背は腰と背で弾性ベルトの引っぱりを変えて腰の部分は少し固めにしてウレタンフォームも背より固めの物を使用して腰を支えます。座フレームには鋼製バネが張られます。右上:アーム内側には合板にチップウレタンが張られしっかりとした形を作りその上から柔らかなウレタンが張られます。右下:アーム外から背裏には優しいカーブを出すために綿が貼られています。(通常ならウレタンフォームを使用)

2016.3.28 PRODUCT

PRODUCT :ZEFFIRO [ゼフィーロ] Lounge Chair

AD CORE DEVISE PRODUCT:BLOG Vol.36
今から25年前の1991年に発表されたゼフィーロ。イタリア語で西風という意味で、風に向かう椅子をイメージしデザインしました。日本刀からインスピレーションを受けたフレームの面取りやカーブが特徴で、厚みのある3次元成形合板の背と座がシンプルに組合わされた椅子です。2000年、風に向かう流れるようなイメージはそのままに、ゼフィーロにラウンジチェアが生まれました。

ゼフィーロ・ラウンジはメープル材のフレームに、布バネのダイメトロールを使用したクッション性の高い座と、テーブ材で編まれた背にウレタンフォームを組合わせた背、その上から面ファスナーにてカバーリングが取付けられます。アームは下部には強度が高いアルミ鋳造パーツと肘部には温かみのあるメープル材を使用し、柔らかなカーブと共に手触りの良い仕上げになっています。

アームを支えるパーツは東北の山形市で造られ、溶かされたアルミ材が金型に流し込まれ成形される鋳造で造られていています。手仕上げでポリッシュ仕上げを施された柔らかな形状と、滑らかな表面仕上げが特徴で、金属とメープル材の異素材が違和感無く組合わされました。山形の鋳物鋳造は950年続く歴史があり伝統工芸だけでなく、家具用パーツ、最新の新幹線のパーツなど幅広く使われています。この鋳造されたアルミパーツの一本一本が職人の手仕上げでポリッシュされる事によって柔らかで独特の艶を出して、金属ながら温かみのある造形美を出す事ができました。インジェクションの金型射出成形では出せない色と艶。そして永く使える強度の鋳造品だからできた形です。

ゼフィーロ・ラウンジはシンプルな造形美だけでなく、カバーリングシステムはメンテナンスしやすく、般住宅だけでなく、コントラクト物件でも永くお使いいただけるデザインになりました。アルミ鋳造パーツとアームの柔かな触り心地もお試し下さい。                           (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

■AD-008Aゼフィーロ・ラウンジチェア▶

AD-008Aゼフィーロ・ラウンジチェア:本体フレームとアームパーツはボルト固定、柔らかな艶のアルミパーツとメープル材の肘は接着剤で接合されています。ポリッシュ仕上げのアルミとメープル材の無垢材で構成された手触りの良いアームです。
背と座のファブリックはカバーリングシステムで交換ができます。右上:座と背は面ファスナーにて固定されます。右下:座は蝶ナットを外す事によって、取り外す事ができます。

2016.2.26 PRODUCT

PRODUCT :MD-202 Chair

AD CORE DEVISE PRODUCT BLOG Vol.35
今回から製品紹介をデザイナーの視点で、その製品の一押し、こだわった部分のクローズアップを伝えします。今回はA-modeブランドからMD-202を紹介いたします。

エーディコア・ディバイズ製品ではスタッキング可能な椅子は多くあります。木製フレームと金属フレーム、CERVOのような木金混合のタイプがありますが、金属フレームのスタッキングは軽量で、コンパクトにスタッキングできます。このような金属フレームの椅子は一般家庭より、コンベンションや学校、企業の中のコントラクトでのお使いが中心でした。大きな社員食堂では一度に5000脚以上の納入実績もあります。その金属フレームの椅子の中でA-modeブランドのMD-202は、クッション性の高い座り心地の良さから、コントラクト物件より、一般家庭のダイニングとして多くお使いいただいていた椅子です。そのMD-202がこの春に社員食堂へ1000脚納品されます。コスト面では厳しい社員食堂に当社の製品をお使いいただくのは、デザイン性や耐久性だけでなく、座り心地も評価いただいての事だと思います。そのMD-202のこだわりを紹介いたします。

MD-202のデザインは、A-modeのブランドイメージのアメリカ西海岸のモダン住宅をイメージした、シンプルでスクエアなデザインです。フラットな座と背がシンプルなストレートなスチールパイプのフレームに乗ったとてもシンプルなデザインで、一見硬そうな印象を受けます。しかし、腰掛けると、固めのウレタンと驚くほどの深みのある描け心地に驚かれると思います。合板の上に薄いクッションが乗っただけの椅子に見えますが、実はお尻を乗せる座の部分が丸くお椀のようにへこんでいて、そのへこみを隠すような厚みのクッションが座の中心部に使われているからです。座の周りは25ミリのウレタンフォームを使用していますが、座には50ミリのウレタンフォームが使われています。その座を受ける脚部は存在感を無くすようにとても細いパイプが使われます。しかし、スチールパイプは車やバイクにも使われるハイテンション鋼を使い強度にもこだわりました。

椅子は実際に座ってみないと分からない物があります。座り心地が良さそうで、長時間座っているとお尻が痛かったり、硬そうに見えて、とても快適な座り心地だったり、本当に見た目では分かりません。椅子を選ぶ際にはじっくり座ってみて下さい。                              (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

■MD-202 製品ページ ▶

左:一見するとフラットな板が折れ曲がった座で硬そうに見えます。右:座を横から見ると座裏がお椀状に出っ張っているのが分かります。
デザインのスケッチです。脚の前後フレームをつなぐのは薄いスチールプレートで、その間にお椀状に座の成形合板が乗せられます。その為に表からは座の本当の形状が見えません。しかし、座の本当の厚みは70ミリ近くあります。

2016.1.12 PRODUCT

PRODUCT :LIBERTAⅡ [リベルタ デュエ] Dining Table

AD CORE DEVISE PRODUCT BLOG Vol.34
今回は昨年秋に発表したAD COREの中から、幕板を持たないミニマムなデザインのLIBERTAⅡ / リベルタデゥエを、紹介します。1989年に発表したLIBERTA / リベルタをより柔らかなスタイリッシュなテーブルに進化させました。浮遊する天板にソリッドの脚部の組合せ。浮遊するデザインは脚部を支えるアルミダイカストのジョイントパーツが可能にしています。木目も美しいホワイトアッシュ材の脚部は、楕円の断面を持ち、伸びやかで柔らかなフォルムを表現したダイニングテーブルとして、2015年に発表しました。

シャープなデザインが特徴のリベルタは、ミニマムなデザインを活かすため、より薄い天板厚とエッジの聞いた脚部が特徴でした。その為、最大寸法がスモールサイズのW1500☓D800でしたが、リベルタデゥエでは軽やかさをそのままに、強度を増した天板と楕円形状のホワイトアッシュ材の脚によって、W1800☓D900のサイズまで対応が可能になり、サイズバリエーションが、W900☓D900 / W1500☓D900 / W1800☓D900 / Φ1200 と広がりました。

天板はフラッシュ構造で構成しており、リベルタの天板厚30mmから35mmに変更し、芯材もシナの平行合板からメープル共芯合板に変え、強度を上げました。天板のコーナーは柔らかな丸みに仕上げています。天板と脚を支えるアルミダイカストは木部の塗装色によって合わせ易くブラックとクロームメッキを用意しました。またホワイトアッシュ材の脚部は、楕円の断面が、トップから脚先へR型状が変化する伸びやかで柔らかなフォルムにデザイン。非常に高度な加工技術により実現しました。

リベルタデゥエは、「エフォートレスシック」をキーワードに生まれました。エフォートレスは、肩の力を抜き、ほどよく崩した大人のカジュアル。モダンで主張し過ぎないデザインは、ホームユースからオフィスまで、幅広くご利用頂けます。流行にとらわれず、様々なインテリアシーンにマッチする、より快適に進化したダイニングテーブルです。

(エーディコア・ディバイズ 企画開発/菊地 裕輔)

   ■LIBERTAⅡ 製品ページ ▶

左:浮いた天板は、特殊な形状をしたアルミダイカストと強度を上げた楕円形状の脚で支えられています。右上:脚部に使用しているアルミダイカストは、AD CORE DEVISE オリジナルのパーツです。右下:楕円をモチーフにした脚部と天板のコーナーが合うように、丸みを合わせています。
左:楕円の断面で構成された脚部 。上中:天板のフラッシュ構造の芯材には、メープル材共心合板を使用しています。右上:脚先にはアジャスターを取付けています。右下:アルミダイカスト黒とシルバー