COLUMN

2023.9.21 SHOWROOM

サスティナブルな家具

AD CORE DEVISE SHOWROOM COLUMN Vol.416(東京・広尾ショールーム)

近年、環境問題に配慮した製品やサスティナブルな製品に注目が高まり、身近になってきました。エーディコア・ディバイズでは、1985年のブランド発足当時から常に環境に配慮した製品作りを心がけてきました。永くお使いいただけるように「一度製品化した製品を廃盤にしない」、必要なものだけお作りする「受注生産のオーダーシステム」、「国内工場で環境に配慮した資材での製品作り」をすることなど、進化しながらサスティナブルな対応を行なっています。そんな中で、当社の製品をお使いのお客様からメンテナンスのご相談をいただくことも多くあります。当社では、アフターケアもしっかり行っておりますので、永くお使いの製品もメンテナンスが可能です。

今回お客様から、18年程前に購入したCERVOシリーズの椅子をメンテナンスしたいとのご連絡をいただきました。写真を送っていただくと、白い張地が汚れてはいるものの、とても綺麗で大切にお使いいただいている様子が伝わってきました。お客様からは、メンテナンスを機に背座の部分を木にしたいとご要望がありました。CERVOシリーズは、背座部分が木質の合板の仕様がないのですが、CERVOⅡシリーズの背座が木製突板のタイプに背座交換することをご提案させていただきました。塗装色は3色グラデーションでお選びいただき、ダイニングの雰囲気もかなり変わり、大変喜んでいただきました。
CERVOシリーズは、CERVO・CERVOⅡ・CERVOⅢ・CERVOⅣと4シリーズありますが、背座部分のシェルと脚をX型のスチールパイプフレームで繋ぐ構造が特徴です。パーツ化された構造は、いたんだ部分のみを交換することができるなどメンテナンス性にも優れています。デザインだけでなく、永くお使いいただくためのこだわりが結果的に環境への配慮にもつながっています。

お使いの家具が汚れたり古くなったので買い換えるのではなく、愛着のあるものや気に入っているものを使い続けたいというお客様の気持ちにお応えできるようにメンテナンスの方法をご提案させていただいています。お使いの家具でお困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。
(ショールーム担当:西條 恵理)

椅子の背座部分を木仕様に交換しました。塗装色はN-2(ハニーナチュラル)、N-3(ペアナチュラル)、N-4(ライトブラウン)の3色をセレクトいただきグラデーションになりました。
左:約18年お使いいただいているCERVO。
CERVOプロダクトページ▷
右上:テーブルはFRESCOシリーズをお使いいただいています。N-4(ライトブラウン)カラーのチェアがアクセントになっています。
右下:CERVOⅡシリーズを背座部分を木製と布張りでミックスしてコーディネートした納入例。
CERVOⅡプロダクトページ▷

2023.9.19 SHOWROOM

生活スタイルに合うラウンジチェア

AD CORE DEVISE SHOWROOM COLUMN Vol.415(名古屋・栄ショールーム)

猛暑が続いた今年の夏も終わり、少しずつ秋の訪れを感じるようになり、朝晩は涼しく感じることも増えてきました。ここ数年間のマスク生活からようやく解放され、日常生活が戻った感がありますが、私達の生活は色々と変化してきました。働き方のスタイルが変わりましたが、プライベートと仕事モードのメリハリを付けられるよう、ご自宅でのくつろぎの時間ではよりリラックスできるラウンジチェアをお薦めします。家族で談笑したり、一人集中して読書を楽しんだりとシーンを選ばずお使いいただけるラウンジチェアは、インテリアとしても是非取り入れていただきたいアイテムの一つです。

名古屋・栄ショールームにも展示のあるA-modeブランドのラウンジチェアMD-901Lは、すっきりとしたシンプルなデザインが空間を選ばず人気です。ダイニングチェアMD-901と同シリーズなので、リビングダイニングでコーディネートいただくことも可能です。座り心地は腰から背にかけてカーブが身体にフィットし、優しく身体を支えてくれます。長時間座っていても疲れにくいのも人気の理由です。背の高さもハイタイプとロータイプの展開がありますので、ご用途やお好みでお選びください。
次にご紹介するラウンジチェアMD-101Lは脚部にスチール材を用い、アーム部分にホワイトアッシュ材、そして張地と異素材を組み合わせたユニークなラウンジチェアです。木質があることで和の空間にも溶け込み、シーンを問わず使いやすいデザインです。ラウンジチェアには珍しく、二人掛けの展開もございますので、組み合わせてコンパクトなソファセットとしてもお楽しみいただけます。
AD CORE DEVISEのラウンジチェアの座面高さは、一般的なダイニングチェアよりも低い約40cmで設計されています。一般的な車椅子の座面の高さにも近いサイズ感なので、車椅子をご利用の方の移り座りもし易く、座面自体も大きく設計されているラウンジチェアなら、ゆったりと身体をあずけてお座りいただけます。座面が低いことで小柄なお子様も座りやすく、またアームがあることで立ち上がりの所作もスムーズにお使いいただけるので、年齢を重ねた方にも優しい使い勝手の良いチェアです。ラウンジチェアは決して特別なシーンだけで使うチェアではなく、日々の生活の中での日常使いをお薦めします。普段から生活に取り入れ、幅広くお使いください。

今回ご紹介したラウンジチェア以外にもAD CORE DEVISE広尾・心斎橋・栄の各ショールームには多くのラウンジチェアを展示しております。どうぞお気軽にショールームでご体感ください。皆様のご来場をお待ちいたしております。
(ショールーム担当:水野 未佳子)
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左:MD-901Lラウンジチェアはシンプルなデザインでお部屋に馴染みます。ダイニングチェアと組み合わせてトータルコーディネートをお楽しみ下さい。
左上:アームに木材が用いられているMD-101Lは和モダンな空間にもよく合います。 左下:2人掛けタイプと1人掛けタイプを組み合わせてソファセットとしてもお薦めです。 右:車椅子の座面高さより低く設計されているラウンジチェアなら移り座りもし易いです。

2023.9.7 SHOWROOM

ショールームを秋の装いに

AD CORE DEVISE SHOWROOM COLUMN Vol.414(大阪・心斎橋ショールーム)
まだまだ暑い日が続いていますが日が暮れる時間もだいぶ早くなり、ふとした時に秋の気配が感じられる様になりました。街のショーウィンドウも一気に秋の装いに変わってきましたね。エーディコア・ディバイズ各ショールームでも初秋のディスプレイにチェンジし、皆様をお迎えしています。

今年の秋のディスプレイはオレンジカラーを中心にブラウン、ゴールド等を使い、落ち着きのあるデコレーションにしています。『AD CORE』ブランドはスタイリッシュな暖色系のクッションで秋っぽさを加えました。『A-mode』ブランドはナチュラル感を大切にし、ダイニングテーブルのお花には、鮮やかなオレンジのケイトウで明るい印象に仕上げています。
秋を感じるオレンジとグリーン、たくさんの植物で優しく和みます。寒い季節が近づくとオレンジやレッド系など暖かさを感じる色を求めるようになります。寒色系と暖色系では心理的な温度感が3℃も違うといわれています。このような色の視覚的効果をインテリアにも取り入れて、快適な空間をコーディネートしてみてはいかがでしょうか?ソファやカーテンのカラーを季節ごとに変えるのはなかなか難しいですが、クッションやディスプレイ小物に季節の色を加えるだけでもお部屋の印象はガラリと変わります。簡単に始められますので是非チャレンジしてみてください。

エーディコア・ディバイズ各ショールームでは、ディスプレイやインテリアコーディネートのご相談を承っております。家具の買い替えだけでなく、イメージチェンジやディスプレイのご相談などお気軽にお問合せ下さい。皆様のご来場をお待ちしています。
(ショールーム担当:天川 唯)
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小物やクッションカバーもテーマカラーで秋の装いにしました。
左:ダイニングテーブルのお花にはオレンジのケイトウで優しい印象にしています。右上:小物の組み合わせで秋を演出しています。右下:小物やクッション、お花で暖かみのある空間にしています。

2023.8.31 DESIGNER

樹木や草木は街の財産

NHKの連続テレビ小説で槙野富太郎をモデルにしたドラマが放送されています。高知出身の槙野富太郎がモデルになったドラマで、私も同郷で小さな頃から槙野富太郎の事は知っていましたが、連続テレビ小説の主人公になるとは思ってもみませんでした。槙野富太郎の日本の植物学での偉業はありますが、坂本龍馬など他の高知出身の偉人からは地味すぎるのと、研究に熱中するあまり実家の身代を潰した事は有名で、槙野富太郎みたいになりたいとは思いませんでした。それでなくても高知は日本の中でも山深く緑が溢れる地域で、営林署勤務の父親の転勤で山深い場所の草花に囲まれて育った事もあり、植物に関して興味はありませんでした。

東京に来てから植物の大切さが分かり癒されるようになりました。当社は最初、アメリカでNYのソーホーの繊維工場跡を使ったショップが流行っていて、それを参考に新橋の倉庫ビルに事務所を構え、お台場向こうの青海という埋立地の保税倉庫内にショールームを作っていたので、自然光は無く街路樹や緑もありませんでした。そういった事もあり、現在の広尾本社を探した時には、街路樹や緑が多い場所で自然光が入る建物という事が第一条件でした。それは大阪、名古屋ショールームも同じで、3箇所とも明るい自然光が入るショールームになっています。最近、世間を騒がしている車販売店で、ショールームの中を見やすくするためと、草取りの手間を省く為に公共の街路樹を撤去したり、除草剤で枯らしたりしたという事を聞いて悲しくなりました。

当社の広尾本社のある辺りは近くにチェコ大使館があり、昔ながらの大きなお屋敷がある場所で、会社の目の前には数年前までエネルギー会社の会長宅で、大きな敷地には広い庭と巨大なシンボルツリーがありましたが、現在は数軒の賃貸住宅(それでも大きな家ですが)に分けられて緑が少なくなりました。名古屋ショールームも3階でしたが、目の前の名古屋テレビ塔のある久屋大通公園の巨木が並ぶ気持ちの良い公園でしたが、今はショッピングパークになり、ショールームの窓の前に広がっていた巨木が無くなってしまいました。窓から見える緑の樹木が魅了で入居したのに、とても残念な出来事でした。相続で邸宅が小割になるのは仕方ありませんが、公共の場所の何年もかけて育った巨木が切り倒されてショッピングモールになるのはいかがなものかと思いました。

仕事で出張する事が多くレンタカーで街を走ると、家や建物よりも道の街路樹や植栽の手入れや雑草やゴミを見ると、その街の文化度や治安が良く分かります。これは日本だけで無く海外も同じで、汚い場所からは止まらずに速度を早めて過ぎ去りたくなります。田舎だと落ち葉など掃除は大変なのですが、文化度の高い街では道路から家の前もゴミや落ち葉が落ちていません。ショールームを探す時にも建物は素敵でも、近くに沢山のタバコの吸い殻が落ちていて条件を聞くのも止めた事があります。広尾に引越した25年前は邸宅が多く、緑も多く道路のゴミ掃除をしている方も多かったのですが、賃貸のマンションや住宅が多くなり、自宅でも要塞のような中が伺えないような家では前の掃除もされなくなりました。

先週アメリカ西海岸セミナーをしてセミナーで紹介する家は、家の写真だけでなく街並みや道路からの家の写真も見せるのですが、どの家も道路にはゴミが落ち葉がありませんでした。これは家の前まで掃除する義務が住人にはあり、ある程度のクラス以上は必ずガーデナーという庭師より掃除中心の人に頼んで綺麗にしています。道路と家の間にある芝生の剪定や草取りや水やりも住人がする義務になります。また、自邸の庭に植えた樹木であっても勝手に切る事はできず、庭を手入れしていなくても罰金を取られます。イギリスでは1927年にナショナル・ガーデン・スキームが設立され自邸を見せるオープンガーデンが始まり、現在では教会のイエローブックに4000カ所近くの登録があるそうです。

当社でも毎日全社員がショールームの清掃を行いますが、広尾本社では外の道路から植栽の草引きからゴミ取りをしています。会社の大きく育った樹木は高枝バサミで私自身が剪定を行います。この夏は猛暑の事もあり歩道に日陰ができるように少し大きめにカットしました。この夏は朝から猛暑で大汗をかいていますが、この街で商売をさせていただいている事を思い、向こう三軒両隣の言葉通りかかさず掃除をしています。その道路と街路樹が見えるエントランスの吹き抜けのソファ席が一番好きな場所です。ショールームへ来られる際にはエントランスの樹木も見ていただければ嬉しく思います。
(クリエィティブディレクター 瀬戸 昇)

左:エーディコア・ディバイズ広尾本社。チェコ大使館近くにあるショールームで、吹き抜けのエントランス前の樹木が大きくなり剪定は大変です。広尾の日赤通りはサツキが歩道に植えられて春には赤い花を咲かせます。10年前はもっと緑豊かな通りでした。右:名古屋ショールームで3階にありますが、名古屋テレビ塔がある久屋大通り公園の大きな樹木が目の前にあり気持ち良いショールームでしたが、今はショッピングパークのために切り倒されて無くなりました。
左:サンタモニカに建つ建築家ノイトラが設計した住宅。今まで見た中で一番気持ちの良い街並みにありました。右:パサディナにあるスイムウエアのデザイナーの住宅。巨大なカリフォルニアオークがシンボリツリーで、街の保存樹に指定されています。どちらの家も道路まで綺麗です。

2023.8.30 DESIGN

真夏の工場訪問紀行

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.136
もう目にするのも耳にするのも耐えられないような今年の記録的な猛暑。日本全国うだるような暑さが続いていますが、そんな猛暑の中、今月は日本各地の工場を巡ってまいりました。関東近郊の千葉から大阪、広島の府中から九州の大分県は日田市、家具の産地である福岡の大川市などを訪問してきました。大分県の日田市はニュースでも取り上げられるほど国内でも夏の暑さが最も厳しい地域ですが、今年は日本国中、記録的な猛暑。日田市のみならず、お伺いした各地の工場はどこも厳しい暑さだったのですが、工場の皆様にご迷惑をかけないように暑さ対策には十分注意してお伺いしてきました。

家具制作に限ったことではありませんが、国内の製造業の工場での作業環境において、デスクワークを行うオフィス空間のように空調管理された現場はほとんどないと思います。物作りに携わる方々は、熟練の技や技術とともに体力や厳しい環境下でも対応できる能力が必要不可欠です。少しでも快適な職場環境にするためにみなさん工夫はされているのですが、ほとんどの場合製作工場の中は、夏の期間は厳しい暑さの中作業を行なっています。日々、厳しい環境の中仕事をされていますので職人の皆さんは暑さにも強い方がほとんどです。夏場に工場を訪問する際には、職人さんを前に暑さでダウンする訳にはいかないので・・・日々鍛錬(?)はしているのですが、それでも今年の暑さは体に応えました。工場を回る際には汗でシャツが背中に張り付いてしまいました。

エーディコア・ディバイズの新作発表は、毎年晩秋の時期に開催しています。新製品の開発、試作の確認の時期がいつも夏場の時期に行うのですがデザイナーの瀬戸の製品作りは図面やデータの指示だけでは完結しません。実際に物を作るところから確認を進めます。真夏の試作確認の期間は、常に工場に立ち会っているのですが場合によっては立ち会うだけでなく手を動かして試作作りにも参画します。試作室が38℃まで室温が上がることもあり気力、体力がなければ務まりません。(当社の開発スタッフは体力がないと務まらない所以です)しかし、本来は家具の製作現場でもできる限り快適な環境で作業をしていただくことが理想です。数年前に試作を進めていた2つの工場に、製作現場の暑さ対策の環境改善を打診したことがあります。暑さが厳しい工場の環境に慣れてしまっているかもしれませんが、これからの工場はより良いものを作れる環境作り、若い人が集まる職場環境にする必要がありますよね、と。大掛かりな設備投資は難しいかもしれませんが、職人さんが実感できるような改善ができればとのご提案でした。

その後、工場にお伺いした際には早速数台の冷風機が設置されていました。効果を確認してみると・・・長時間滞在するのがしんどかった塗装場でも温度が下がっていることが実感出来ました。この冷風機は、当社で金物パーツをお願いしている株式会社フナボリさんが取り扱っているシステムで、さまざまな一流企業の工場で採用されている設備です。職人さんからも効果を実感する声が上がっていて、その後も冷風機の台数が増えていました。お伺いするたび、作業場の暑さが改善されているのを感じます。今年、新たにお伺いした工場も例に漏れず暑さが厳しい工場でした。工場視察する時には必ず「工場内は非常に暑いので~」が常套句、その暑さの中製品作りが行われています。そんな状況が少しでも良くなるように、良い製品ができるように微力ながらもご協力していきたいと思います。(開発 武田伸郎)

真夏の工場訪問。みなさん、暑い中製品創りを進めていただいています。要所要所で扇風機や換気扇を使って暑さ対策はとっていますがなかなか思うような効果は得られていないのが現状です。
右端に鎮座するのが内部の熱気を排出し冷風を吹き込む「大規模空間空調システム」の冷風扇。風を送る機械ではなく、工場全体をクールダウンするシステムです。今までは足を踏み入れた瞬間熱気に包まれていた工場でしたが、このシステムにより外気温より室温が上がってしまうことはなくなっています。