COLUMN

2023.2.27 DESIGNER

街の移り変わり

AD CORE DEVISE DESIGNER COLUMN Vol.141
先日、ロサンゼルスへ西海岸ツアーの引率として2週間行ってきました。晴天続きのカリフォルニアらしい天気が続きましたが、前半の1週間は最高気温24度とちょうど良い暖かさでしたが、後半は最高気温14度と急降下。ロサンゼルスというと冬の無い暖かい場所と思われますが意外と冬は寒いんです。それでも真冬の東京よりは暖かいんですが、、。ロサンゼルスは午前中は寒流のせいで午前中は雲が多く、午後から晴れる事が多いのですが、今回はずっと晴れ渡った日が続き、気温の急激な変化はありましたが、旅行には恵まれた天候でした。

気温の変化で体調を崩したのか急病になり、ソーテルのクリニックに行く事になりました。ソーテルはリトル大阪と言われる街でサンタモニカにも近く、カタログ撮影の時には焼肉や鍋を食べに行く街です。行き慣れた街にあるクリニックは1962年からロサンゼルスに住む横浜山手出身の日本人老ドクターが院長で、同じ横浜中区ということもあり話が弾みました。なんでロスに来ているの?と聞かれ、建築ツアーでロサンゼルスの建物とインテリアを見にきていて、20年近く続けている事を話しました。老ドクターは不思議そうな顔をして、60年この街を見ているけど、この20年間この街は変わっていないし、何か見るものがあるのか?日本の方がよほど変わっていて見るものがあるだろうと。たしかに、グリフィス天文台から見下ろすロサンゼルスの街並みは20年前から変わっているように見えませんでした。たしかに、アメリカの販売される住宅の70%以上がリノベーションで、ロサンゼルスでは目立つ新しい高層ビルも建ってはいません。

今回、ダウンタウンのアップル社が劇場をリノベーションしたアップルシアターと、その近くにあるウォルトディズニーコサートホールの前に新しく完成した、The Grand LAのコンラッドホテルの見学をする事ができました。建築では新旧の両極にあるような建物で、両方の有り方を同日に感じる事がありました。アップルシアターは昨年のコラムにも書きましたが、LAのダウンタウンの大規模都市再生のプロジェクトとしてアップル社が参加し、1926年に建てられ1988年から閉鎖されていた劇場を2018年に買収し2021年までに耐震を含む構造改修を行いアップルストアとしてオープンさせました。そのアップルシアターを含むビルにはスニーカーブランドのVANSの旗艦店も入居しました。近くには2014年にエースホテルが1927年に建てられたビルをオープンさせています。このエリアは1920年代のアール・デコ様式のビルが多く残るエリアで、アール・デコを代表するイースタンビルも健在で数年前に、デパートからアパートメントビルとして再生されました。今回訪問したエリアには多くの閉鎖されていた1920年代のアール・デコ時代のビルが改修を待っていました。

一方、ダウンタウンエリアには1960年代から再開発された場所(ロス疑惑事件の場所・若い方は知りませんが)があり、1695年に完成したロサンゼルス水道電力局の本部ジョン・フェラーロビル以降、様々な新しい建物が作られました。近くには1986年完成の磯崎新設計のMOCA現代美術館、2008年完成のフランク・ゲイリー設計のウォルトディズニーコンサートホール、2015年完成の現代アート美術館ザ・ブロードが並びます。昨年、ウォルトディズニーコンサートホールの向かいに、ゲイリー設計のショップとホテルとコンドミニアムのある複合建築のThe Grand LA完成し、新建築好きな人にはたまらないエリアになっています。2008年にディズニーコンサートホールでカタログ撮影した時には前が更地で何が出来るんだろうと思っていましたが、まさかフランク・ゲイリー設計の複合施設が出来るとは、、。今回、コンラッドホテルの建築ツアーを受け入れてくれる事になり訪問しました。この場所は24年かけて開発され、ホテルはフランク・ゲイリー設計の建物とタラ・バーナード& パートナーズのインテリア設計で2022年6月に完成しました。訪問した時にはまだエントランスが工事中で完全完成が待たれるところでした。

ロスのダウンタウンでは古いオフィスや商業施設ビルを改修して住居が作られ、車を使用しなくても生活できるようなスタイルが増えつつあるようです。建築価値のある1920年代の建物を利用した街全体の再開発、新しい建物の建つエリアでは既存に無いデザインの建築などを分けて建築計画が進められている事や、改修工事や新築についても計画や工期に年数がかかるために、街の変化がゆっくりで、街の変化が無いように感じるのかもしれません。ロサンゼルスからの帰国の機内から見える東京の街並みを見ながら、東京の高層ビル化の街並みの変化に老医師の言葉を思い出していました。今回のロサンゼルスの建築取材は夏のセミナーでお届けする予定です。お楽しみに!
(クリエィティブディレクター 瀬戸 昇)

左上:グリフィス天文台から見るハリウッドとダウンタウンのビル。20年前から変わっていないように見えます。左下:ロサンゼルスのダウタウンは1920年代のアール・デコのビルが世界でも多く残ります。青いビルはイースタンビルでコンドミニアムへと改装され屋上にはプールがあります。右上:アップルシアターの劇場はこの中でも小規模のビルです。右下:壁にバンクシーのアートが描かれたビルがあり、10億円の価値があると言われビルの査定に入るか論争になっています。
左上:新しいビルが並ぶエリア。右がディズニーコンサートホールで左側がThe Grand LAで両方がフランク・ゲイリー設計です。左下:2015年完成の現代アート美術館ザ・ブロード。LACMAロサンゼルス市現代美術館よりも現代アートが多く並び無料。右上:1695年に完成したロサンゼルス水道電力局の本部ジョン・フェラーロビルで渡辺謙とレオナルド・ディカプリオの2010年公開のインセプションの舞台で使われ話題になりました。右下:The Grand LAから見たディズニーコンサートホールとザ・ブロード。

2023.2.26 DESIGN

インテリアに欠かせないアート作品

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.130

先日、アメリカ西海岸のロサンゼルスへ建築インテリアの視察へ行ってまいりました。アメリカのロサンゼルスを中心とした西海岸エリアは、エーディコア・ディバイズのカタログ撮影で何度も訪れた思い入れのある街です。初めて訪れた時の衝撃は今でも鮮明に記憶していますが、ダウンタウンのビル群から実際に生活している住宅建築までインテリアのダイナミックさは想像もできなかったほど素晴らしいモノでした。4年ぶりとなるロサンゼルス訪問は、コロナ禍以降初めての海外ということもあり期待度マックスでの視察となりました。

このコラムでも紹介していますが、アメリカ西海岸で非常に印象的なのが「インテリアとアート」の結びつきです。日本の場合アートは「装飾品」として扱われますが、LAでは「インテリアにアートありき」アートはインテリアと同等に扱われます。LAの建築では建物よりもアートを含めたインテリアが印象に残る素晴らしい物件がたくさんありました。アート作品は絵画からオブジェ、写真まで多岐に渡りますが、数々の素晴らしい物件にはオーナーやデコレーターのセンスが凝縮され感心するばかりでした。そのセンスを培っているのがアートを尊重する意識、アートを身近に感じることができるたくさんの美術館の存在です。初めてLAに訪問した時から今回の視察まで、毎回様々な美術館を観ることができました。レンゾ・ピアノ氏設計のブロードからLACMAに始まり、訪問するたびにいろんな美術館を巡りましたが、その間もさらに新しい美術館のオープンもありました。それほどロサンゼルスはアートにあふれた街なのだと思います。

そして今回、初めて観ることができたのが「Weisman Art Foundation ワイズマン アート ファウンデーション」です。現地でも知られていないとても貴重な美術館です。この施設はワイズマン氏が自動車販売(トヨタ自動車)で成功した莫大な資産でコレクションした美術品を、1994年にワイズマン氏が亡くなった時のインテリアとアート展示をそのまま残した自邸を美術館として公開しているアートギャラリーです。ワイズマン氏は、アート作品を収集することよりもたくさんの人と分かち合うことを大切に考え、ギャラリーや美術館に作品を展示するのではなく「アートのある生活 ハウスミュージアム」をテーマに、アートを生活の中で共有した氏の思いに沿った美術館を創りました。美術館のように作家や作品のテーマ別だったり時系列で展示するのではなく、部屋の色調に合わせたアートを集めたり空間の雰囲気に合わせた作品の展示をするなど、オーナーの主観性とその時の嗜好が色濃く反映された興味深い美術館でした。この美術館は館内の撮影が一切禁止なのですが、作品に間近に近寄って観ることが出来ます。貴重な作品は厳重に警備されている一般的な美術館では得られない貴重な体験をすることができました。

ワイズマン美術館は、時間制限や内覧規則も厳しく少人数での完全予約制になりますが入館料は無料です。他にも、美術館のスケールを超えたゲティセンターやダウンタウンのThe Broad(ブロード)なども予約は必須ですが入館料は無料です。日本では美術館はお金を払って見る場所の認識がありますが、ロサンゼルスをはじめ世界的には「アートは共有するもの」で、多くの美術館は入館料が無料です。アートというとやや敷居の高い印象を持ってしまう日本とは異なり、アートをより身近に感じているロサンゼルスではインテリアにアートを取り入れることは自然なことなのだと思います。そんな雰囲気を感じられる美術館、ホルムビーヒルズの「ワイズマン アート ファウンデーション」をぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。完全予約制で時間厳守、さらに入館は門扉から車でしか入ることができませんので(タクシーや徒歩では入館できません!!)くれぐれもご注意ください。(開発 武田伸郎)

左上:ワイズマン アート ファウンデーション敷地内。少人数での完全予約制で時間厳守。ロサンゼルスでもっともハイエンドな住宅地、敷地外の道路にも駐車禁止エリア 左下:ワイズマン邸の入り口、美術館のエントランスになります 右上:広大な敷地内の邸宅の回廊 右下:テラスやベランダにも彫像やオブジェなどが展示されています 
左上:LAらしい真っ青な空と屋外のプール。ガーデンやプールサイドベッドにもアート作品 左下:屋外にもいたるところにアート作品。ブロンズやメタル、POPな樹脂製など作風も様々 右上:綺麗に手入れされた植え込みの上にもブロンズ像の作品 右下:館内は撮影禁止なのでオフィシャルな館内画像のご紹介。アンディ・ウォーホール作のワイズマン氏ポートレート作品が展示してあります

2023.2.25 PRODUCT INFO.

PLUM TA-003

クリエイティブ・ディレクター瀬戸 昇が、デザイナーからの視点で写真だけでは伝わらない製品の魅力を動画でお伝えします。
今回はPMMA+Woodから、梅の花弁をイメージしてデザインされたアクリルのラウンジチェア、PLUMをご紹介します。

◾︎ PLUM TA-003 製品ページ

2023.2.25 PRODUCT INFO.

PLUM CORE TA-007

クリエイティブ・ディレクター瀬戸 昇が、デザイナーからの視点で写真だけでは伝わらない製品の魅力を動画でお伝えします。
今回はPMMA+Woodから、梅の花の花弁を集める花芯をイメージしてデザインされたアクリルのラウンジテーブル、PLUM COREをご紹介します。
◾︎ PLUM CORE TA-007 製品ページ

2023.2.22 SHOWROOM

引っ越しても使い続けやすい家具

AD CORE DEVISE SHOWROOM COLUMN Vol.395(東京・広尾ショールーム)

少しずつ暖かい日も増え春が近づいてきましたね。これからお引っ越しを控えている方も多いのではないでしょうか。新生活や引っ越しを機会に家具を買い揃えたり、買い替えたりするケースも増えてくると思います。上質な家具を揃えたいけれど将来的に引っ越しをすることを考えると、躊躇してしまうという方も少なくないでしょう。サイズやデザインが新しい住まいに合うか不安もあると思います。そこで、住む家が変わっても比較的、使い続けやすい家具をご紹介いたします。

リビングで大きなボリュームを占めるソファは、フレキシブルに使えるタイプをお勧めいたします。ソファは金額的にもサイズ的にも大きな買い物になります。人気のL字型ソファやコーナーソファは左右の向きがありますので、必ずしも引っ越し先のお部屋に入るとは限りません。その点、組み替え可能なシステム(ユニット)ソファは、自由に組み替えることができたり、パーツを追加することができますので、お部屋の広さや間取り、家族構成やライフスタイルの変化に合わせてレイアウトを工夫できるのが大きなメリットです。当社の製品の中でも、2023MODELのMASSAⅡやA-modeのMD-1105シリーズは、サイズバリエーションも豊富で様々なコンビネーションができますので大変人気です。ホームページにはレイアウトプランも掲載しておりますので、ぜひ参考にしてください。更に、カバーリングソファは引っ越し先のインテリアに合わせてカバーを交換できますので、新しいソファ同様に模様替えができます。
ダイニングスペースでは、部屋の広さやライフスタイルに合わせてサイズを変えられるエクステンションテーブルがお勧めです。A-modeシリーズのMD-802は、ホストが座る面に引き出し式の伸長天板を設けており、テーブルにものを載せたままで天板スペースを広くすることができますので、引っ越しだけでなく日常的にも便利な機能です。

エーディコア・ディバイズの製品は、永くお使いいただけるように「一度製品化した製品を廃盤にしない」をポリシーにしておりますので、ライフスタイルに合わせて買い足すこともできます。家具を選ぶ際に迷うことや不安なごとがありましたら、ぜひご相談ください。現在ショールームでは、感染防止対策を行い完全予約制でご案内させていただいております。ご来場の際は事前にご予約をお願いいたします。皆様のご来場をお待ちしております。

(ショールーム担当:西條 恵理)
MASSAⅡレイアウトプランはこちら▷
MD-1105レイアウトプランはこちら▷

A-modeシリーズのMD-1105ソファ。コーナー部分をオットマンにしたり、リビングテーブルと合わせてレイアウト可能です。アームはオプションで有無を選択できます。
MD-1105プロダクトページ▷
左:広いスペースにもレイアウト可能なMASSAⅡ。
右:エクステンション仕様のダイニングテーブルMD-802。ホスト側から天板を引き出せます。
MASSAⅡプロダクトページ▷
MD-802プロダクトページ▷