COLUMN

2015.9.25 DESIGN

西海岸カタログ撮影記 その1

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.41
今月の初め、アメリカはロスアンゼルスにてカタログの撮影を行ってきました。この間視察に行ったと思ったら、あっという間に撮影本番がやってきた感じです。今回は出発前に製品も倉庫に無事入庫し、ちょっと一安心しての渡航でしたが(一度、撮影前日の夜まで、荷物が引き取れない緊急事態がありました・・・)それでも何が起こるか分かりません。入念な準備をして、LAへ向かいました。

ロスへ着いて早々に不測の事態が発生です。下見の時にあれ程大丈夫と言っていたのに、撮影1件目の住宅の内装やあつらえが完成していませんでした。現地に着いて早々現地の確認、きれいに片付いてはいませんでしたが、何とか撮影は出来そうでした。瀬戸が綿密に組んだスケジュールのもと、荷物の確認や備品の調達、モノの移動や段取りを踏まえて撮影に臨みました。

撮影は2日間。2件の住宅をお借りしています。限られた時間内で予定のカットを撮り終え、元の状態に戻さなくてはいけません。僕が最も注意するのは、時間内に撮影が完了するようにモノの移動や準備、現場の段取りを進める事です。現場の工程を頭に入れて、撮影を妨げないようにモノを移動、時間のロスが無いように何度も頭の中でシュミレーションします。(とはいうものの、なかなか思い通りにはいかないのですが)

作業を手伝ってくれるのが、頭領のラウールさんをはじめとする力持ちのスタッフ達。はじめは荒っぽい仕事ぶりでしたが(カッターが手元に無かったりすると、なんでも歯で噛み切ろうとするんです・・・)、身振り手振りでコミュニケーションを取りながら、2日目には段取りを踏まえて指示をしなくても動いてくれるようになりました。

皆さんの協力も有り、無事撮影を完了する事が出来ました。下見の時はロスらしからぬ最悪の天候でしたが、今回はなんとか天候も持ってくれました。(撮影の翌日からピーカンだったのですが)これからカタログ製作の最終追い込みです。11月の新作展示会で、皆様にお配りする予定です。今から皆さんに、カタログを見ていただくのが楽しみです。(エーディコア・ディバイズ/企画開発 武田 伸郎)

撮影現場の裏側。ここは持ち込んだ製品の開梱場所。
今回作業を共にした皆さん。真ん中が頭領のラウールさん。
撮影後期。瀬戸のポートレート撮影風景をお見せします。

2015.8.27 DESIGN

素材としての「樹」

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.40
あんなに暑かった夏が、あっという間に秋の気配。まだ8月というのに、ちょっとひんやりした風を感じたりすると、ちょっと拍子抜けした気分になります。この間まで、真夏の日差しを避けるように、街路樹の影を伝いながら歩いていた事を忘れてしまいそうです。東京の都心でも、立派な街路樹が有る通りがたくさん有ります。久しぶりに見た甲州街道は、トンネルのように生い茂った巨大なケヤキ並木に驚きました。広尾本社近くの明治通りの桜並木も、とってもきれいですよね。

私達の廻りには、街路樹や公園など身近なところに「樹」が存在しています。ところがこの身近な樹、樹木として立っている樹と「素材」として使用する「木材」のとらえ方が、なかなか難しいようです。私も素材として様々な樹木は見てきましたが、生木として立っている樹を見た事があまりありません。国産材が本当に減っている昨今、ますます見る機会が無くなってくると思われます。

今年の夏、福島の旧堀切邸を見る機会がありました。(江戸時代から続く豪商、国家と地域に多大な貢献をした堀切家の旧邸)1775年建築の土蔵や、近代和風住宅の「主屋」など、歴史的価値の高い建物がきれいに整備されていてとても見応えが有りました。さらに目を引いたのが、庭に植えられた国産樹木の数々。「シラカシ」や「ヤマザクラ」など、今ではほとんど見る事がない樹木を見る事が出来ました。製材された素材で見るのとはまた違った印象を受けます。
散歩のとき、旅行のときなど樹木を見る機会がある時は、「どんな樹なのか」「どんな材料?」なんて事をちょっと考えみてはいかがでしょうか。かえでの樹なら「メープルに近いかな?」、楢の樹があったら、今流行の「オーク材?」なんて眺めて見て下さい。きっと楽しいと思いますよ。(エーディコア・ディバイズ/企画開発 武田 伸郎)

庭園も素敵な旧堀切邸。見学無料です。
それぞれの樹には、樹種名がつけてあります。左が「ヤマザクラ」、右が「シラカシ」。

2015.7.29 DESIGN

ニューモデル・スタジオ撮影完了!!

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.39
うだるような日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。今週、2日に渡り、新製品のスタジオ撮影を行ってきました。荷物の整理や積み込み、荷下ろしで大汗はかきましたが、スタジオに籠った2日間は、外の猛暑もシャットアウト状態で撮影作業に終始していました。

ロケの場合はもちろんですが、撮影は段取りが命。製品の確認とカット数、香盤表を準備して撮影に臨みました。今回の撮影も、気心の知れたいつものスタッフ、カメラマンの方にお願いしていたので、カット数が増えて若干時間は押してしまいましたがほぼ予定通りに進みました。昔のフイルムで撮影していた時代は、絶対失敗が許されない状況でしたので、息も詰まるようなピリピリした現場でしたが、最近は全てデジタル。多少の修正なら後加工が出来るので、気持ち的には楽になったような気がします。とはいうものの、撮影する製品は、現物をビシッとしたいもの。瀬戸は、縫製のラインやクッションの納まり、ファブリックの毛羽立ちや皺、影の表情や材質の見え方まで目を光らせます。本番前に、瀬戸が製品をなでると(セットすると)全体が「シャキッ」とします。クッションやアームの角、下端を揃えるなど、ちょっとした事で見栄えが大きく変わります。デジタル撮影といえども、本物の製品としてキチンと見てもらいたい気持ちは、昔も今も変わりませんからね。

皆様に発表する前なので、製品の詳細はお見せ出来ませんが、撮影風景をチラッと紹介させていただきます。秋の新作展示会をお楽しみに!!(エーディコア・ディバイズ/企画開発 武田 伸郎)

スタジオの白いホリゾントに製品を置いて撮影画像をチェック
モニターを見ながら製品の見え方を確認します。

2015.6.29 DESIGN

LA カタログ撮影ロケハンに行ってきました。

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.38
澄み切った抜けるような青空と心地よい乾いた風・・・梅雨の日本とはうってかわって清々しい初夏のロサンゼルス!そんな気分で乗り込んだ今年のカタログ撮影・ロケハンでしたが、今年は異常気象なのか空港に着いた瞬間ムッとした湿気が身体にまとわりついてきました。(ロスはどんなに暑くても空気が乾燥しているので、ほとんど汗をかかないのですが)時には小雨がパラつくあいにくの天候。今回のロケハンは、終始どんよりとした空模様で天候には今ひとつ恵まれませんでしたが、今年も素敵な住宅をたくさん見る事が出来ました。

渡米前に、瀬戸がロケーション物件をつぶさにチェックし、見たい物件をピックアップ。物件情報があっても、改装中やオーナーが変わったりと見られない場合もたくさん有ります。(時にはアポも取っているのに実際訪問してみたら見れない!なんて事も)視察の時間も限られているので、件数と場所のコーディネートも重要です。最近の瀬戸は、これでもかっていうくらいGoogleearthを使いこなしているので、まだ見ぬ物件も経路や大きさ、ロケーションのイメージもあらかた掴んでいます。事前に周到な準備をし、スケジュールを立ててロケハンに臨みました。

今回のロケハンは、天候には優れませんでしたが大きなトラブルも無くオーナーの皆さんも非常に良い方ばかりで順調に進みました。カタログ撮影をイメージしながら、瀬戸が詳細に画像を納めてきました。ここで撮影した写真は、カタログ撮影の検証はもとより、インテリアセミナーで皆さんにお見せする画像でもあります。引きやアングル、光の入りや背景まで、計算しながら写真に納めます。(物件が決まると、寸法もあたってないのに帰国してから平面図を起こすのには毎回驚きます!!)現在、画像を見ながら、どの物件で撮影するのか思案中です。

今年のカタログ撮影は、どんなイメージで進めるのか、これから練り上げていきます。アメリカ西海岸のインテリアセミナーもこれまでとは違った雰囲気を感じさせる住宅を紹介出来ると思いますので、そちらも是非お楽しみにして下さい。(エーディコア・ディバイズ/企画開発 武田 伸郎)

ダウンタウンを一望出来るベバリーヒルズの豪邸・・・なのに、霞がかかって此処は何処??
外の風景も重要です。ブルーのプールと濃い緑溢れるガーデン・・・・でも、どんより。

2015.5.28 DESIGN

テーブル天板レスキュー隊

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.37
予期せぬ出来事、思いもよらないトラブルは「よりによって・・・」という時に起こります。お使いになっている家具でも、思い当たる事がありますよね。椅子やソファに飲み物をこぼしてしまったり、テーブル天板に照明器具を落としてしまったなんてお客様もいらっしゃいました。そんなお客様のご依頼を受けて、修理やメンテナンスを行う事があります。

先日、チーク材の無垢天板に接着剤をこぼしたお客様がいらっしゃって、メンテナンスのご相談が有りました。お納めしてまだ間もなく、お客様も大変恐縮していらっしゃいました。塗装と接着剤のトラブルは修復が非常に困難です。無垢材も突き板仕様のテーブルも、局部的な修復は基本的に出来ません。木の木目の表情を活かしたオープン塗装の修復は、さらに難しくなります。(無垢材の場合は、削って仕上げ直しも可能なので補修の幅は非常に広いです)

今回のお客様の場合、チークの無垢材、うずくり加工を施した天板に瞬間接着剤をこぼしてしまい、一部は接着剤が広がっていて、一部はそのままの状態で固まっていました。補修の難易度としてはウルトラ C レベル。少しずつテストをして症状を見ながら、補修を進めます。初期段階に出来るだけ接着剤だけを取り除けるように、いくつかの溶剤やリムーバーを試し、広がったモノと固まってカチカチになった瞬間接着剤を根気よく取り除きます。木目に入り込んだものも、溶かして柔らかくし丁寧に取り除きます。そうしておいて乾燥させ、修復部と全体に違和感がないように研磨していきます。研磨しすぎると、木目の表情が変わってしまうのでここも慎重に。研磨を終えたら下地処理をして、トップに塗装を掛けます。これも、一部分では違和感が生じてしまうので全体を仕上げ直します。職人さんのきめ細かな作業により、きれいにメンテナンス作業が仕上がり、お客様にも大変喜んでいただきました。

家具の補修や修理、メンテナンスは思いのほか手間やコストが掛かります。お見積もりをすると金額に驚いてしまうお客様もいらっしゃいます。椅子やソファの張り替え等もそうですね。でも、大切な愛着のある家具です。メンテナンスをお考えの際は、ご相談下さい。(エーディコア・ディバイズ/企画開発 武田 伸郎)

2カ所に付いてしまった瞬間接着剤の痕。
天板補修、きれいに仕上がりました。