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2024.11.29|

DESIGN

2025モデル撮影と新ショールームでの新作展示会

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.151 エーディコアブランド発足から、エーディコア・ディバイズとしてブランディングを開始した1998年から、27年間毎年新製品を発表してきました。(一年のうちに、2回も新製品を発表することも何度かありましたが・・・)新製品を皆様にPRするために、その都度製品の撮影を行ってきました。利便性やコストパフォーマンス、広さや搬入のしやすさなどを検討しながらこれまで、東京都内近郊、様々なスタジオで撮影してきました。巨大な物流倉庫の中にある、車両が入るような大きいエレベーターのあるスタジオや、狭い通路を階段移動しなければならないデザインオフィスの中にあるスタジオなど(当時はデスクやベッドなど撮影するアイテムが大きかったため搬入がめちゃくちゃ大変でした・・・)。今回は、ここ数年使用している川崎にあるトラックが直付け出来る利便性の良いスタジオで撮影を行いました。 今年も11月になろうかという押し迫った時期での撮影になりました。ギリギリの日程で進めている年は、撮影当日の朝にトラックのチャーター便をスタジオに着けたりすることもあるのですが、今年は前日に全て近隣の倉庫に搬入して撮影スタートに合わせて製品を搬入。真っ白いホリゾント(床と壁面のつなぎ目が緩やかな曲線でつながっている撮影スタジオの空間)を前に、出来上がったばかりの新製品の試作を並べて、2025年ニューモデルの撮影開始です。今回もカメラマンの丸山さん、ディレクターの高原さんをはじめ、エーディコア・ディバイズの製品を熟知したスタッフの皆さんとスタジオ撮影を2日間にわたって行いました。今年のテーマに合わせて、製品のカラーやファブリックを選択、そのイメージから撮影のカット割りを検討していきます。キーになるのが「イメージカット」です。イメージカットは、製品を分かりやすく説明的なカットとは異なり、製品の特徴をビジュアル的に表現するもので、今年の製品テーマを一目で表現するカットになります。例年、試作が進む段階からクリエイティブディレクターの瀬戸は、撮影の日程に向けてどんなカットにするのかイメージを膨らませていきます。今年の製品については、全体のフォルム、組み合わせから撮影前には大まかなイメージが出来つつありました。 今年はロケーションの撮影を行わないので、撮影のトーンや組み合わせ、アングルがポイントになります。今年のイメージカットは、今まで経験したことのない撮影方法をトライすることになりました。(画像的には同じようなフォルムで撮影したことはあるのですが、今回は撮影の方法が全く異なります)「けっこう大変な撮影になるな・・・」と、予想したので、カット数の多い初日の製品カットは出来るだけスムースに終わらせて、2日目のイメージカットの時間を十分確保できるように進めました。事前にカメラマンの方にイメージを伝えて、撮影方法を相談していたのですが、思いの外大丈夫そうな雰囲気。スタジオの機材を存分に駆使してシミュレーション、思いの外スムースに撮影が進行しました。何度もセッティングを微調整し無事撮了!!イメージしていた面白いカットを撮ることが出来ました。 今年は東京ショールーム移転のタイミングに合わせて新作展示会を開催します。新しいショールームのインテリアで、2025ニューモデルを見ていただくのが今から楽しみです。今回撮影した撮影したビジュアルも、タブロイドパンフレットやホームページ上で使用するだけでなく、新しいショールームのディスプレイでは主役級の扱いをしています。エントランスのドアからご来場いただいたお客様をお迎えする際に真っ先にご覧になっていただけると思います。内装、インテリアからカラースキム、ライティング設計から音響システムまで、クリエイティブ・ディレクターがこだわり抜いて完成したエーディコア・ディバイズ六本木ショールーム。皆様のご来場を心からお待ちしております。(開発 武田伸郎)

2024.10.30|

DESIGN

東京ショールームが移転いたします

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.150 本来なら秋本番、初冬の足音でも聞こえてきそうな時期ですが、10月の後半になっても夏日を記録する日もありますが、ようやく暑さも一段落し秋の気配を感じるようになりました。今年の夏は記録的な暑さでしたが、東京は夏日が5ヶ月以上にもなったそうで、1年の半分は夏のような気候になってしまいました。暑さで一番応えるのが日差しの中の移動です。エーディコア・ディバイズ東京ショールームは、静かで落ち着いたとても気持ちの良い場所にあるのですが、最寄りの駅から少し距離があるので、夏にご来場いただくお客様にはご負担をお掛けしていることも多かったと思います。私たちスタッフも、夏場の通勤は体に応えることもありました。そんなことが理由の一つでもあるのですが、この度エーディコア・ディバイス東京ショールームが24年振りに移転することになりました。 現在のショールームの契約上の条件から移転先のリサーチ、物件の精査や下見を行ってきました。ロケーションや周りの環境、建物の外観や内装がショールームとして適しているか等、クリアすべき要素がたくさんありますが、コストの折り合いも最も大切な条件です。これまで一旦は内定した物件もありましたが、具体的に進めていく段階で条件が合わなくなり流れてしまったこともありました。そして、今回の物件に巡り合うことができて移転先を決めました。決定する決め手となったのは、素敵な物件だったことはもちろんですが、エーディコア・ディバイズが移転するにあたり瀬戸がオーナーにプレゼンテーションした内容をとても気に入っていただき、予算的には厳しい条件だったのですがその点も可能な限りご調整いただいた事です。関係者の方が非常に協力的だったことも大きな要因でした。オーナーの方曰く「直接会いに来てプレゼンするなんて初めて」とおっしゃってました。そんな熱意も感じ取っていただき契約する運びとなりました。 正式に契約を交わし動き出したのが8月。移転オープンを12月に設定してからフル稼働で移転の準備が始まりました。苦労されている方も多いと思いますが、現在は未だかってない人手不足、特に建築内装関係はこの問題で業界全体が遅れに遅れている状況です。そんな状況を打開するため、何よりも早く内装工事の人手を確保、当社クリエィティブディレクターの瀬戸が工程管理を全て統括、本来内装設計で起こすべき図面、ショールームのインテリアプラン、照明計画、床材の選定や電気工事(コンセントの位置まで)、塗装計画からカーテン、事務所内の収納やデスク、展示スペースの什器など、全ての図面を描き上げ、内装工事が全て瀬戸の図面を元に工事がスタートしました。(内装工事用の詳細図面は、どんなに早くても数週間は掛かるのですが)照明器具やカーテンを決めるためのメーカー打合わせや、ショールーム内のディスプレイやサイン関係に至るまで詳細を詰めていきました。時間が限られていることを理由に、勢いに任せてどんどん進めて行く訳ではなく、床材の選定や壁面の色など、悩むべきところには時間を掛けて、スタッフの意見も確認しながらプランを固めていきました。(床材は、ショールームのイメージを大きく左右するファクターのため、何日もサンプルを敷き込んでは時間をかけて検討していました・・・) 現在、移転に向けて内装工事の真っ最中、12月のオープンに向けて追い込みを掛けているところです。瀬戸も、工事管理で連日現場に通っています。新製品開発の時期とも重なるため地方の工場に確認へ出張するなど大忙しの状態、そして来週は新製品の試作もアップしスタジオで撮影を行います。これからさらに様々な作業が目白押しですが、皆様に新しいショールームのお披露目と新製品の展示を見ていただけるよう急ピッチで進めてまいります。新ショールームオープンにつきましては、改めてお知らせのご連絡をさせていただきますが、当社では東京・大阪・名古屋ショールームにて11月22日まで年に一度のスペシャルセールを開催中です。この機会に、移転前の広尾ショールームにもぜひご来場ください。(開発 武田伸郎)

2024.09.30|

DESIGN

椅子やソファの印象を決定づけるファブリック

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.149 エーディコア・ディバイズの家具は、さまざまな素材を用いて作られています。いろんな加工を施された「木」や、強度や耐久性、デザインのアクセントにもなる金属類、PMMA+WOOD のアクリルに代表される樹脂材も使われています。そんな中でも重要な要素を占めるのが家具に張り込む生地、「ファブリック」です。どちらかというと、デザインや素材、構造などの要素より後回しにされがちなアイテムですが、椅子やソファに至っては、全体の印象を決定づけるのがファブリックと言っても過言ではありません。エーディコア・ディバイズでは価格帯によって7つのランク、27アイテムの計147種の豊富な規格ファブリックバリエーションをご用意しています。 家具に使われるファブリック(生地)は、椅子張り用として生産されますが、ファッションの流行などにも深い関係があります。昨今のファッションの流行やドレスコードの移り変わりでは、厚くて重厚なものより薄くて軽量、快適性を求める傾向にあるようですが、家具の世界でも同じような流れはあるようです。厚手で重厚、永年使い込むことによって馴染んできたり柔らかくなったりするようなヘビーな生地は少なくなりつつあります。一見ボリュームがありそうに見えて、実は軽やかで肌触りが良い生地が人気です。ただ、最近のファッションは流行が多岐に渡り全体の傾向が見えにくくなっているので、インテリアにファッションの流行を取り込むことも難しくなっているようです。以前のコラムでもお伝えしましたが、今年のミラノサローネでは昨年流行の兆しが見えたブークレ調のファブリックが大ブレークしさまざまなブランドで取り入れられていました。柔らかくて丸みのあるデザインとフワフワした手触りのファブリックの組み合わせです。当社でも昨年の新製品に、ブークレ調のファブリック、フロストピラーズ「FR」を規格ファブリックに採用しています。 当社の規格ファブリックは時代の流れを取り入れつつ、さまざまなインテリアスタイルに展開できるファブリックをセレクトしています。インテリアスタイルと言っても、ホームユースとコントラクトユース、施設や空間によってもファブリックに求められる要素は多岐に渡ります。色やテクスチャー、柄や織りのパターン、伸縮性や張り上がった時の仕上がり感など家具のデザインと同じくらいこだわりの選択が必要です。耐久性や強度と繊細で肌触りの良さの兼ね合い、もちろんコストパフォーマンスも大切です。そして近年では素材開発とスペックの進化も見逃せません。コットンやリネンなどの天然素材は大きな魅力ですが、ポリエステルやアクリル糸を用いた化学繊維の進化は驚くべきものがあります。見た目も触った感じも天然素材と遜色ない製品がたくさんあり、汚れが落とせる効果や製作時の使用する水量を大幅に軽減するなど環境対策にも対応した製品も増えてきました。今のモノ作りには環境対策は「避けて通れない問題」では無く、積極的に取り組むべき課題なので、当社の規格ファブリックをセレクトする上でも大事なポイントになっています。当社の現在の規格ファブリックは、27アイテム中、15アイテムが環境対策に対応した生地になっています。今後もさらに増やしていく予定です。 エーディコア・ディバイズの規格ファブリック、147種は、ホームページにて閲覧いただけるようになっています。合わせて、印刷物のA4冊子「FABRIC MATERIAL」もご用意していますので是非ご活用してください。以前の規格ファブリックのセレクトは、印刷物の総合カタログとの兼ね合いもあり、アイテムの見直しや精査は1~2年ごとでしか実施できませんでした。しかし現在はSDGs対策として、総合カタログの印刷物を廃止したためよりフレキシブルに対応できるようになりました。現在、新製品の開発に合わせて新たなファブリックのセレクトを進めています。ニューモデル発表の際には、新製品と合わせてファブリックのご提案にも注目してください。(開発 武田伸郎)

2024.08.29|

DESIGN

次回が最終回?「アメリカ西海岸建築レポート」

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.148 先週開催しましたWebセミナー「アメリカ西海岸建築レポート」ですが、皆様参加いただけましたでしょうか?アメリカはロスアンゼルスでカタログ撮影を行うようになり、撮影場所を探すために物件下見を重ねたことからスタートした西海岸の建築、インテリアレポートですが、今回でなんと27回目になります。今回も2日間の日程で1.000名を超えるお申し込みをいただき、好評の内に終了することができました。 「アメリカ西海岸建築レポート」は、当社のクリエイティブディレクター瀬戸昇が、カタログ撮影や建築見学ツアーのためロケハンや取材で実際に見てきた物件を、自身で撮影し取材した内容を皆さまにご紹介するセミナーです。下見する物件も、現地のエージェントから提案された物件ではなく、エージェントサイトの膨大な件数の中から瀬戸がセレクトし、ロケハンのリクエストをします。ロサンゼルスに行き始めた頃は、西海岸の真っ青な空と豊かな緑に囲まれた建築に、ただただ感激して見ていたのですが、場数を積むことでどんどん目も肥えてきました。数ある物件の中には、サイトの画像は綺麗ですが実際見てみるとそれほどでもなかったり、逆に期待してなかった物件が実際見てみると素晴らしい物件だったりすることも多々ありました。多くの物件を見ることで素晴らしい経験を積むことが出来ましたし、ロスアンゼルスの建築やインテリアの素晴らしさを体感することができました。そんなロケハンを重ねていくうちに「素晴らしい物件だけど、予算や間取りなど諸々の理由で今回の撮影には使用できない」という物件がいくつもありました。そんな物件を画像だけストックしているのは勿体無い、「素晴らしい物件をたくさんの方に紹介できれば」と思って始まったのが「アメリカ西海岸建築レポート」です。 カタログ撮影のための下見ロケハンでしたが、建築レポートを行うようになって瀬戸のロケハンの見方も徐々に変化してきました。後々チェックするため確認用に収めていた撮影も「レポートセミナーに使えるように・・・」体裁を整えて ”映える”画像で収めるようになりました。ロケハンをする物件も、撮影するか否かだけではなく、撮影では使用しないかもしれないけど、レポートで紹介したい物件も視察するようになりました。西海岸地区には、ビバリーヒルズをはじめ高級住宅街のエリアがいくつもあり、超モダンな住宅からクラシカルなアメリカン住宅まで眩いばかりの素晴らしいハイエンド住宅があまたの数だけ存在します。ダウンタウン地区には、F.Oゲーリー氏設計の先鋭的な「ディズニーコンサートホール」から旧い劇場を改装したアップル社の「アップルタワーシアター」のような歴史を感じさせる建築まで、魅力的な建築が目白押し、常にブラッシュアップされているので見たい建築が後を断ちません。日本ではほとんど知られていない物件が本当にたくさんあります。そんな素晴らしい物件の数々を、Webセミナーで皆様に紹介してきました。配信でお見せする画像は、現地に足を運んで実際に撮影した何千枚という画像を、一点一点画像補正しセミナー用の画像に調整します。セミナー開催後のアンケートでは「画像が綺麗で素晴らしい」とたくさんの方から感想をいただいています。(私などは、「自分の目で見てきたよりも画像で見た方が良いかも・・・」なんて思ってしまうくらい綺麗です)毎回、LIVE配信で開催しているWebセミナーですが、前日にショールームの打ち合わせ室を配信ルームにセッティング、リハーサルを行って本番に臨んでいます。機材の設置や配信中のカメラやマイクの切り替えなど、専門スタッフなどにはお願いせずに全て当社スタッフで行なっています。セミナー講師の瀬戸、PR担当の営業部長の下山含め精鋭スタッフがチームワークを活かしながら今後のWebセミナーも配信してまいります。 たくさんの素晴らしい建築物件をご紹介してきました「アメリカ西海岸建築レポート」、次回開催のインフォメーションもお伝えしておりますが、今のところ次回開催が最終回になる予定です。ロサンゼルスで長い間コーディネーターとしてお世話になっているYasukoさんが、住まいを日本に移すことになるためです。次回「アメリカ西海岸建築レポート」でご紹介する物件も、これまで以上に選りすぐりの建築、インテリアの物件ばかりをご紹介する予定です。後日、改めてご案内をしてまいりますので、皆様奮ってご参加ください。(開発 武田伸郎)

2024.07.30|

DESIGN

オリンピックに沸くパリのインテリア視察

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.147 いよいよフランスのパリで開催されるオリンピックが開幕しました。新型コロナ感染の影響により東京オリンピックから3年のインターバルで開催することになります。パリでオリンピックが開催されるのは1924年以来、実に100年振り。そんな記念碑的な2024年の春、インテリア視察の一環でオリンピック開催の準備が進むパリを訪問してきました。これまでのオリンピックは開催に合わせてスタジアムや競技場を新設してきましたが、今回のオリンピックでは可能な限り既存の施設を活かす運営計画になっています。オリンピック開幕が数ヶ月後に迫ったパリ市内、至る所で工事が進む中、インテリアの視察を行ってまいりました。 パリのインテリア視察では、ルーブルやオルセー美術館、世界で最も美しいステンドグラス建築と言われるサント・シャペル教会などを見て回りつつ、人数限定の完全予約制でなかなか見ることの出来ないルイヴィトン美術館とコルビジェの「ラ・ロッシュ・ジャンヌレ邸」を視察してきました。ヴィトン美術館はF・O ゲイリー設計の2014年にオープンした美術館。ゲーリー氏の建築といえば、LAでカタログ撮影を行ったディズニーコンサートホールにとても馴染があるのですが、ヴィトン美術館はステンレスのメタリックな外観のディズニーコンサートホールと比べて、自然に溶け込むような大らかな印象の建築に感じました。ガラス、コンクリート、スチール、そして木材と、異素材の組み合わせが柔らかい雰囲気を醸し出しているのかもしれません。市内から移動した他のスタッフとは別に、僕はブローニュの森を通って美術館へ向かったのですが、森から生えてきたように見えるこの建物は、巨大な帆船のようにも見えました。館内には建設する際の施工技術をモデルや動画によって詳しく説明していたのですが、この建築を覆っている1.5mX3m のガラスユニットを、3.600枚・全て異なる形状に曲面加工して全体を覆っているのです。その精緻さと労力に感嘆しました。 もう一件視察したのが、コルビジェ設計の「ラ・ロッシュ・ジャンヌレ邸」。ブローニュの森の東にある閑静な住宅街の中に佇む世界遺産の建築物です。1925年設計のこの建物はコルビジェ氏が提唱した近代建築の5原則を最初に試みた建築と言われています。開館時間1番乗りで予約をし、社員スタッフ4名で袋小路になったひっそりとした人気のないエントランスから、オープンと同時に入館しました。中に入ると4階まで吹き抜けになった広々としたエントランスホールの空間は、各階からの視点と空間が連続的に構成され、壁で仕切られた「部屋」としての空間構成と異なり、スロープや回廊で繋がった館内の空間はとても立体的な感じがしました。エリアごとに区切られた優しくも鮮やかな内装の色と相まって、穏やかな光を感じながら、あちらこちらを行ったり来たり、ぐるぐる歩きながら豊かな時間をちょっとだけ満喫しました。 25日のパリオリンピック開会式、あいにくの雨模様でしたがパリの名所を存分に生かした演出は素晴らしかったですね。このオリンピックでは開会式のみならずさまざまな競技の会場として、世界有数の観光名所が使用されます。コンコルド広場ではスケートボードや 3 X 3 バスケットボール、エッフェル塔下の市民公園では柔道やビーチバレー、そしてヴェルサイユ宮殿では馬術や近代5種の競技が開催されます。僕が注目しているテニスは広大なブローニュの森にある赤土のローランギャロスで開催されます。本来は年に1度のグランドスラムにしか使用しないコートです。数々の名勝負を繰り広げてきた伝統のコートで、今年のオリンピックではどんなゲームを見られるのか本当に楽しみです。(開発 武田伸郎)

2024.06.28|

DESIGN

モノ作りの現場を見るということ

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.146 エーディコア・ディバイズでは当社の家具を生産している工場を訪問して、毎年モノ作りの現場を見学する研修を行なっています。設計や開発スタッフだけでなく、営業や業務管理、経理業務に携わるスタッフ全員が工場を見学する研修です。モノ作りをしている会社では、新人研修の際に工場見学を実施することはあると思いますが、当社のように業務スタッフ含めて全員が毎年工場研修を実施する企業は少ないのではないでしょうか。自社製品がどのように作られているのかを理解することも目的の一つですが、モノ作りの大変さ、人の手がどれだけ掛かっているかということを感じてもらうための研修でもあります。今年は九州の4つの工場を見学してまいりました。 初めに訪問したのは、昨年の新製品から本格的に採用を開始した国産針葉樹合板の工場です。新製品に採用するにあたり、昨年初めて工場を見学させていただいたのですが、とても素晴らしい工場だったので今回全員で訪問させていただきました。九州の山間に広がる広大な敷地、檜の香りがする敷地内には九州から集められた針葉樹の丸太が整然と積み上げられていました。建物の中だけでなく屋外の貯木場までゴミ一つ落ちていない綺麗な工場です。木材を加工する工場で、これだけきれいな工場を見たことがありません。高度にオートメーション化された工場は、加工途中で発生する廃棄物から熱、蒸気に至るまで一切の無駄なく効率的に利用されています。資材の組み合わせ選別等もAI技術を利用し、目にも止まらぬ早さで処理していました。こんなに効率的に製品が出来る工場を見てしまったら「機械化すれば手間をかけなくても製品が出来るのでは?」と、思ってしまいがちですが・・・合板製造の肝心要の作業である、最終のプレス作業前の単板セッティングは2名体制で人の手で行っていました。どんなに自動化されてもこの作業だけは熟練した人の目でチェックする必要があるのだそうです、納得!! ソファ工場では、見学したばかりの針葉樹合板工場を資材に用いたソファの製作工程を見ることができました。普段は仕上がった製品しか見ることがないので、ソファの骨組み、構造を見学できるのは貴重な体験です。粗々しい合板の木枠の骨組みから、座り心地の良い柔らかいソファが出来上がっていく工程は、何度見ても新鮮な驚きを感じます。様々なクッション性や丸みのある柔らかな形状の中にも、稜線を立たせながらソファを仕上げていく術は職人技そのものです。主にテーブル生産をお願いしている工場の見学では、「木」を扱う難しさ、杢理を読んだ材料の組み合わせから、木の収縮の動きをコントロールして制作する難しさを説明いただきました。どんなに正確な加工を施したとしても、それぞれの「木」の特性を掴まないとキチンとした製品には仕上がりません。そんな「木」の良さや特性をお客様にお伝えするのも私たちの大事な役目なんだと社員も感じ取ったと思います。 今回訪問したのは梅雨入り前の九州地方。ソファとテーブル工場は先日も天気予報のニュースに出ていましたが、全国でも1、2位を争う暑さの厳しい日田市。通常だったら工場内の熱気で汗だくになって視察を行なう時期でしたが、今年は梅雨入り前の曇り空のおかげもあってそこまで厳しい暑さを感じることなく研修を実施することができました。普段は会話をする機会が少ない営業や業務管理スタッフも、職人の皆さんとコミュニケーションを取ることが出来、有意義な研修になりました。研修で得た情報は、皆様にもしっかり伝えてまいりたいと思います。(開発 武田伸郎)

2024.05.29|

DESIGN

流行に左右されないデザイン

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.145 昔も今も芸術やファッション、デザインやインテリアに至るまでイタリアからの情報発信が世界に大きな影響を与えています。家具やインテリアの世界では先日開催されたミラノサローネ国際家具見本市が世界的なインテリアの情報発信源になっています。今年はこれまでの来場者数の記録を更新し、過去最高の集客を達成したようです。7割が国外からの参加者ということからも世界規模のデザインイベントだということが伺えます。世界のインテリアの動向を左右するこのイベント、視察してきた印象を少しだけお伝えしたいと思います。 エーディコア・ディバイズのブランド「AD CORE 」の製品には、イタリアのデザインに敬意を評してイタリア語で製品名を付けています。日本の伝統美や技術力を活かした製品作りを目指しながら、それだけイタリアのデザインを意識していました。エーディコア・ディバイズとして新たにスタートした90年後半からは、ミラノサローネを視察した後に新製品の開発に取り掛かるルーティンが定着しました。ややもすると「サローネで視察した情報を活かした製品作り」と思われがちですがそうではありません。巨大なトップメゾンが提案するデザインを当社が追従してもあまり意味がありません。今世界で流行しているデザインを注視しながら、それとは違ったアプローチを提案をするためにサローネ視察を重ねてきました。過去最高の来場者を記録した今年のミラノサローネですが、人気のブランドのブースやイベント会場には、以前はあまり見られなかった入り口の大行列がたくさん見受けられました。近年はネットやSNSのさまざまな情報がリアルタイムで飛び交うためか、人気のイベントに集客も偏ってしまうのかもしれません。事前登録をしないと入場できないイベントも増えていたのですが、今回も瀬戸の超綿密なスケジュール管理のおかげで、効率よく世界のトップメゾンの展示を見ることができました。世界のトップブランドの展示やインスタレーションは、デザインや製品の仕上がりも素晴らしくインテリアの展示も目を見張るものばかりでしたが、今年のミラノサローネは協調して大きな流行を作り出すようなトレンドを見て取ることができました。 大きなトレンドとなっているアイテムは、スクェアで重心の低いシステムソファ、扇型に組み合わせるソファ、有機曲線でデザインされた雲のような形のソファや丸みを帯びたコンパクトなラウンジチェア等々。白を貴重としたブークレ調のファブリックを用いて柔らかなラインを醸し出す製品も多く見られました。これって・・・エーディコア・ディバイズで昨年、一昨年に発表した製品アイテムではありませんか!!メインストリートとは違ったアプローチをしてきた当社でしたが、ここに来て時代の潮流に合い始めてきたのでしょうか?(確かに一昨年から昨年発表した製品は、たくさんのご注文をいただいております)まだ製品をご覧になっていない方は各ショールームに展示がございますのでぜひご覧になって下さい。サローネのデザイン流行をジャパンメイドの製品で見ていただけると思います。 注目のミラノサローネでは、デザインの他にも素材使いの面白さや歴史的アーカイブの復刻、ファッションやモーターサイクルとのコラボレーションなどたくさんのイベントがありました。そんなサローネの模様は来月開催しますオンラインでの「プレミアムセミナー  ミラノデザインウィークレポート」で詳しくご報告する予定です。ご登録いただいての参加となります。まだ若干空きがございますので皆様のご参加お待ちしています。(開発 武田伸郎)

2024.04.29|

DESIGN

インテリアの熱気をミラノで感じてきました

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.144 世界で最も注目される家具とデザインのイベント「Salone del Mobiile.Milano」ミラノサローネ国際家具見本市。イタリアのミラノで毎年4月に開催される展示会ですが、エーディコア・ディバイズでは毎年社員スタッフが持ち回りで視察研修に行っていました。しかし、新型コロナ感染拡大以降視察を実施できなかったのですが昨年は4年ぶりに視察研修を再開、今年もクリエイティブ・ディレクターの瀬戸と4名の社員スタッフでミラノサローネを視察して参りました。 AD CORE が誕生した1985年、まだ日本ではほとんど注目されていなかったミラノサローネでしたが、当社では当時からイベントに注目し、日本人の視察者がほとんどいなかった92年にAD CORE ブランドとしてミラノサローネに出展参加しました。その後、98年からはデザイン・家具の祭典を肌で感じるべく社員のミラノサローネ視察を継続して行なっています。家具やインテリア業界でサローネ視察をする企業はたくさんありますが、デザインや企画、製造に関わるスタッフが訪問することが殆どのようです。職種的にはそのような傾向は否めないと思いますが、当社では開発や営業スタッフはもちろん、業務や経理関係、ショールームや支社のスタッフまで全員が持ち回りで視察訪問をしています。会社全体がデザインの意識を感じる機会を設けて、家具やデザイン・インテリアの見聞を広げるために実施しています。今年は開発1名と営業スタッフ1名、営業サポートとショールーム担当の、瀬戸を含めて5名が参加してきました。 ミラノサローネを視察された方なら納得いただけると思いますが「サローネを見るなら下調べが必須」です。フィエラ会場はもとより市内の様々なエリアでイベントが開催されているので、限られた時間内ではとても見て回ることができません。例年は見やすい場所のフィエラ会場入り口エリアに家具のメインブランドが集中して出展していたのですが、今年は主要ブランドが会場の一番奥になりました。人気のブース以外にも人が流れるようにとの策だと思いますが、そんな会場内を歩くだけでもあっという間に時間が過ぎてしまいます。見逃せないブランドは長蛇の列で入場待ち状態なので、よほど効率を考えて回らないと十分な視察は難しいのですが、今年も瀬戸のリサーチで事前情報を十分にキャッチ!渡航前に必要な入場登録を済ませ、フィエラ会場の移動からブースを回る順番、市街地エリア視察のコースも設定。混雑するブースの時間も予測しながら3日間、しっかり見て回ることが出来ました。昨年から増えた事前登録制の入場方式を取った人気のイベント会場では入場するまで2時間も並ぶ事もあったようで、あまりスムースではなかったように思います。顧客の囲い込みと出展者側の効率化を図るためのシステムと思われますが、事前登録 + 会場での再登録が必要だったり、会場前で登録チェックに手間取って混乱したところもあったので来年は改善してほしいところです。 事前に注目していた人気ブランドのイベントやファッションブランドとのコラボレーション展示などは、情報が全くオープンにされず、期待して長時間並んで入場した結果・・・「?」の内容も多く、参加するイベントの精査の難しさも感じました。開発スタッフはデザインや製品のディティール、素材使いなどを中心に、営業スタッフはデザインや製品の傾向、これからの売れ筋を予測しながらの視察になりますし、ショールームスタッフはスペースのディスプレイや展示の仕方、素材を含めた色使いなども注力するポイントになります。イベントの盛り上がりを肌で感じながら、各自の視点で視察することができたと思います。現地で感じた鮮やかな印象、たくさんのイメージや情報を各自が読み込んで、今後の仕事に反映出来るよう努めてまいります。(開発 武田伸郎)

2024.03.27|

DESIGN

出荷前の製品画像確認を行っています

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.143 3月もあっという間に過ぎて、4月から2024年の新年度がスタートする時期になりました。新型コロナ感染の影響も解消されてすっかり通常の生活に戻っていますが、思い起こせば2019年の年末に感染が報告されてから世界中でパンデミックが発生し、約3年もの間、感染防止対策の制限された生活を強いられていました。移動制限をして人との接触を避ける事、今考えても本当に不自由な生活を強いられていたのだと思います。そんなコロナ禍の期間中もエーディコア・ディバイズでは家具製作を続けていましたが、品質向上のための定期的に訪問していた、工場の製品確認が出来ない状況になってしまいました。 当社の製品はオーダーをいただいてから製作する受注生産方式で皆様に家具をお届けしています。信頼のおけるOEM対応の工場で制作をお願いしていますが、工場には定期的に訪問して品質向上を図っています。同じように作っているつもりでも知らず知らずのうちに仕上がりが微妙に変化したりすることもあり品質が保てなくなる場合があります。慣れから来るものだったり担当者が変わり引き継ぎができてなかったりと要因は様々ですが、それを防ぐために工場を訪問し、現場の方とコミュニケーションを取りながら品質向上を図っていました。ところが、新型コロナウイルス感染の影響で工場を訪問することが出来なくなりました。さらに問題だったのが、感染対策のため納品の現場にもお伺いすることが制限されてしまったことです。そこで始めたのが、ソファやラウンジチェアの画像による全品確認です。 当社の製品は受注を頂いてから工場へオーダーを掛け工程を管理していますが、物件ごとに仕様も様々で納期的に余裕はありません。木材や海外の張り地など資材を揃えて加工を進め、家具を仕上げていきます。製品が仕上がっただけで終わりではありません。配送するために養生して梱包する大切な作業があります。仕上がった家具にキズが付かないよう最も慎重になる工程です。そんな作業途中に「画像を撮って仕上がり確認を実施したい・・・」当然、生産現場からは反対がありました。「時間も人員も余裕はないし、出荷が間に合わなくなる」等々。しかし、工場で確認ができず納品した現場でも製品が見れない状況では、間違いのない製品を出荷する方法しかなく、先ずはこの確認作業をトライすることにしました。 作業を開始した当初は、画像を見るだけでも精一杯、チェックバックが遅れれば出荷が間に合わなくなってしまいます。はじめはかなり混乱して現場から何度も泣きが入りました。工場も大変ですが確認してチェックバックする対応も容易ではありません。日々の業務をこなしながら画像チェックは即対応、担当者不在の際もチェックバックできる体制を取りました。バタバタな日々がしばらく続きましたが、少しずつ要領を掴み流れが出来てきました。チェックデータも蓄積され、作る側も確認する方もポイントが絞れてきて徐々に作業がスムーズになりました。この作業を始めてから、納品した製品で気になる所があった場合、出荷時の状態と比較が出来るのでどこに問題があるのか検証し易くなりました。その対策をフィードバックすることで、工場を訪問出来ない期間中でも品質を落とさないだけでなくさらに品質を上げて対応できたのではないかと思います。 新型コロナ感染が収まり、移動制限が解除されてからは工場訪問を再開していますが、九州のソファ工場の画像確認は現在も継続しています。画像確認を始めた当初は、生産開発の責任者が作業を担当されていたのですが、現在は当社の製品をほとんど仕上げている腕利きの若手スタッフが作業を引き継いでいます。引き継ぎ当初は画像も粗く、やり取りには苦労したのですが、今では綺麗に仕上がった製品を要所を押さえた画像を送っていただいて、しっかり確認が出来るようになっています。感染対策でやむを得ず始めた品質向上対策でしたが、これからも効率化を図りながら画像確認の活用を続けていきたいと思います。(開発 武田伸郎)

2024.02.27|

DESIGN

カーボンニュートラルな社会実現へ向けて

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.142 先日、明治22年創業の130年以上の歴史ある建築木材の加工工場を視察してまいりました。エーディコア・ディバイズで一昨年から取り組んでいる国産針葉樹合板の活用ですが、2024年のモデルでは内部構造を100%針葉樹合板を使ったソファMD-3211ソファを発表しました。SDGs、カーボンニュートラルな社会の実現に向けた製品作りの一環ですが、そんなブランドの姿勢に共感いただいた方から「同じ思いを持った木材加工の工場があり面白い資材も開発しています」とご紹介いただき工場を訪問することになりました。 岐阜地方の緑豊かな工業団地内の広大な敷地内に工場はありました。オフィスにご案内いただき、お互いの企業理念やブランドコンセプトをお話ししました。歴史のある工場なので、明治から始まる日本の西欧化から昭和の高度成長期、そして21世紀に入り国産材の需要の低迷期など、日本の木材加工の歴史を辿ってきているわけですが現在取り組んでいるのがカーボンニュートラルな社会への挑戦、環境にできるだけ負荷をかけない「地球環境にとって意味のある木材利用」でした。企業理念も独創的ですが社長もちょっと変わった経歴の持ち主で、ドイツに滞在した経歴があり「ドイツ気候療法士」の資格をお持ちでした。(ドイツでは生活の中に公園が必須のお国柄で、行政的な視点から公園のプランを景観や緑化だけでなく、人間の健康にいかに良い影響を与えるかを計画するのが気候療法士なのだそうです)そんなユニークな会社から提案いただいたのが、圧密加工で硬く改良された国産のスギやヒノキ材でした。 2000年頃から国産材の利用率が低迷し森林の荒廃が増加、それに伴い自然災害の発生や地球温暖化、森林の環境保全が問題視されるようになりました。そこで開発されたのが国産針葉樹の圧密材です。国産材のスギやヒノキは柔らかく優しい肌触りが魅力ですが、比重が軽く強度が低いため建築や家具には不向きとされてきました。その弱点を木材を圧縮することにより広葉樹と同程度の硬さと強度を持たせ使用範囲を広げようという試みです。実際、圧密材を手にすると針葉樹とは異なりずっしりとした重量感があります。表面強度も硬く広葉樹と変わらない質感を感じます。材料のスペックも広葉樹のカバやナラ材と同程度のデータが得られています。国産のスギ、ヒノキの圧密材は、全国の庁舎や学校などでフローリングや建材で使用されている他、一部の家具製品にも使われていますが、工場の取扱量としてはほんの一握りが現状のようです。国産のスギやヒノキの使用が広がれば、地産地消のカーボンニュートラルな社会実現に繋がり、森林保全が進み自然災害の対策や環境保護にもなると思うのですが、コストの問題もあり活用を広げていくのは難しいようです。弊社で取り組んだ国産針葉樹合板も、生産をお願いしている工場から「強度が不安」と今までと違う資材を用いることに抵抗を受けました。新しい試みを進めるにはテストを繰り返しながら、工夫を重ねて一歩一歩進めていくことが大切なのだと思います。 工場の方から「圧密材の活用を広げるためにアイデアやリクエストをぜひお願いします」とオファーをいただきました。これからの汎用性を考えると、スギ・ヒノキの木理や木目のデザイン性の活かし方もポイントになるのでは、と感じました。スギ、ヒノキの圧密材をインテリアや家具に使用するとどうしても「和」の印象を持たれるように思います。(当社の針葉樹合板はソファの内部構造に用いているため意匠的には影響は出ません)それも、デザインや工夫次第で活路を見出せるのではないかと思います。今回の訪問にあたり、これからもカーボンニュートラルな社会の実現に向けて国産材の活用のために情報共有することにしました。今後も新しいニュースを皆様にお送りできればと思います(開発 武田伸郎)

2024.01.28|

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国内の杉や檜を活用すること

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.141 エーディコア・ディバイズでは、受注いただいた製品を全て国内で生産し皆様にお届けしてきました。「無駄なものは作らない」「納得いただけるものを永くお使いいただきたい」という理念から、まだ環境保全の意識が高まっていない1985年から製品作りを続けてきました。2022年からはSDGsの対策から製品の梱包材を見直しリサイクル可能な資材に全て変更するなど環境に配慮したモノ作りを進めています。昨年発表した2024年モデルでは、製品の資材にまでこだわり椅子やソファのクッション材にリサイクルされたリボンテッドフォームを使用、ソファの構造材には国産材の針葉樹合板を100%使用しました。 2020年頃から発生したウッドショック。米国の住宅需要の急増や中国での資材買占め、数年後にはコロナ渦での世界的な輸送停滞から深刻な状態になりました。国内の住宅、建設関連からあらゆる業態に広がり家具業界にも大きな影響が出ました。国内の木製家具の材料は、ほぼ100%輸入材に頼っていて合板などの副資材も市場に出回らなくなりました。価格度外視で資材を見つけたら買い占める極端な対応も見受けられました。そんな中、注目されてきたのが国産材の杉や檜などの針葉樹です。旧くから日本家屋の建材として使われてきた杉や檜ですが、近年は在来工法の住宅が減り建築としての使われることがほとんどなくなりました。高度成長期に国策で植林した杉などの活用法は、20年以上前から取組んでいましたがコストの兼ね合いなどから定着しませんでした。そんな中、ウッドショックで価格高騰と供給が不安定な輸入資材に変わる資材として、「国産針葉樹合板」の活用が見直されてきました。安定した資材供給を求める住宅メーカーやデベロッパーが国産針葉樹合板を使用し始めたことも市場が広がる要因になったようです。 当社デザイナーの瀬戸も、表面材は難しくとも構造材として国産材が使えないか以前から検討し提案をしてきました。まだ家具業界では使用しているところは皆無「杉や檜の針葉樹は弱い」という認識から工場の抵抗もありました。しかし、一昨年の2023年モデルで国産針葉樹合板の構造材への使用を決め、製品化を進めました。生産工場の納得を得るため、構造上負荷がかかる箇所には従来の材料を使用する構造で、ソファ全体の80%に国産針葉樹合板を使用しました。そして2024年モデルでは、ソファの構造材を100%針葉樹合板を用いた製品を開発しました。デザインするにあたり針葉樹合板がどのように生産されているのか、地産地消を実践する九州の針葉樹合板の生産工場を視察してきました。広大な敷地に木材加工工場とは思えないほどクリーンに管理され、これ以上ないほど環境に配慮した素晴らしい工場でした。生産されている資材も資源を出来るだけ無駄にしないバランスが取れた材料で「これからはもっと活用すべき国産資材」の思いを強くしました。 2024年モデル制作過程で、生産工場内でも「針葉樹は弱くて使えない」という印象が払拭されています。実際使用してみて、輸入合板と比較しても軽量で歪みも少なく懸念していた固定金物の効きも充分あると実感しています。新作展示会にご来場いただいた方はご覧いただいたと思いますが MD-3211ソファの構造体は、全て国産針葉樹合板。軽量ですがしっかりした構造です。12ミリ厚の合板については、既存のソファ製品についても全て針葉樹合板に切り替えています。生産している針葉樹合板の厚みが限られているため採用アイテムが限られていますが、厚みのバリエーションが増えた段階で順次針葉樹合板へ変更していく予定です。エーディコア・ディバイズでは、国産材の使用、環境に配慮した資材の採用と製品作りを、さらに進めていく予定です。(開発 武田伸郎)

2023.12.26|

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家具を作ることの難しさ

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.140 2023年のスタートは新型コロナ感染がはじまって3年が経過し、ようやく収束の目処が見えてきたところでした。昨年末も暖冬から一転、記録的な積雪でしたから、ちょうど今の状況と同じような天候だったんですね。あっという間の1年でしたが、さまざまな出来事がありました。皆さんにとって今年はどんな一年だったでしょうか。私にとっては、規格製品を異なる工場で作ることの難しさを実感した一年でとなりました。 エーディコア・ディバイズでは、製品化した家具を製品に適した工場へ生産を依頼します。当社のクオリティーを理解いただき品質をキープ出来る工場へお願いしています。生産をお願いする私たちと、家具を作り上げる工場とでお互いに信頼し合える関係が築けるところになるのでたくさんあるわけではありません。椅子・脚モノを中心にお願いしている山形の工場と、ソファ・テーブルは九州大分県の日田市にある工場に生産をお願いしています。ところが今年の7月、山形の工場で火災が発生してしまい生産が出来なくなってしまいました。ブランド発足から長い間生産していただいてた工場が、突然モノが作れなくなってしまった緊急事態です。火災の被害は思いのほか深刻で復旧の目処が立たない状況で、一刻も早く当社の家具の生産移行をする必要に迫られました。生産の優先順位とアイテムの精査、図面の準備から仕様指示書の確認をし生産をお願いできそうな工場を当たりました。当社でデザイン、開発した製品、家具として生産が流れているモノです。仕様も注意点もわかっているのですから、工場の設備が整っていれば基本的には生産移行が出来ると考えていました。しかし大変だとは覚悟していましたが生産移行は想像以上に困難な作業でした。 現在お願いしている工場以外で、生産をお願いできそうな可能性のある工場をあたりました。しかし、国内で家具の生産工場がどんどん減少していく中、生産キャパに余裕がある工場はほとんどありません。「生産が落ち着いたら」「状況が整ったら」といった回答もありましたが、受けていただける工場もありました。「自社のレベルアップのためにも是非」「生産前提で前向きに進めます」など、快諾いただいた工場にはすぐに訪問して打ち合わせを行いました。できるだけ移行がスムーズに進むよう、ブランドのコンセプトから生産の流れ、製品の資料をお渡しして準備を進めたのですが・・・全く思うようには進みませんでした。製品化されているとは言っても、他の工場で新しく作るとなると一から新製品を開発するの同じくらい労力を要します。製作仕様書があればそのまま作れば手間暇省けるだろうと考えてしまいますが、設備や各工場の「やり方」があるので、逆に仕様書に縛られて進まなかったりコストが余計かかってしまう、ということは後になってから気がつきました。当社のブランドコンセプトでもある「どこにでもあるようでどこにもない家具」普通に見える家具でも、仕口や構造が難しいためなのか「当社では対応出来かねます」と、途中でお断りされるケースもありました。私たちには当然のクオリティーでも他の工場からすると「かなり難しい」という声もたくさんありました。資材入手や突板の張り分け加工なども問題で、今までは当たり前に思っていた様々なことが難しくなってきているのだと思います。 暑さ厳しい真夏から何度も工場へお伺いし、皆様からご協力いただきながら19アイテムの生産移行を開始することができました。生産ラインが軌道に乗るまではまだ確認が必要ですが、他の製品も引き続き作業を進めてまいります。今年はいろんな工場の方にお話をお聞きする機会があり、モノ作りの現場で感じている難しさに色々と思うこともありました。来年はそんな取り組みにも向き合っていきたいと思います。(開発 武田伸郎)

2023.11.30|

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2024 MODEL 製品撮影記

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.139 11月の某日某所、今年も新製品の撮影を行いました。例年よりも約一ヶ月遅い時期の撮影となりましたが、ご存じのとおり猛暑から続いている暖かい気候のおかげで寒さに耐えることのない撮影ができました。今年は製品カットのスタジオ撮影と、2年ぶりに場所をレンタルしてロケーション撮影を行いました。撮影ギリギリまで製品の仕上がり確認を行なっていたのですが、出来立てホヤホヤの新製品がチャーター便のトラックに乗って撮影当日の早朝にスタジオに到着。2024年の新製品の撮影をスタートしました。 このところ利用している神奈川の撮影スタジオは、トラックがスタジオの入り口まで着けることができる利便性の良いスタジオです。スタジオが建物の奥だったりエレベーターでの移動があったりするとそれだけで大仕事になり時間を取られてしまいます。このスタジオはバックヤードも広いので、家具の撮影ではとても助かります。今年はスタジオ撮影を1日しか取っていないので、撮影カット数からすると時間との勝負です。製品の開梱から製品の設置、アングル決めの製品移動をしながら全員協力体制で粛々と撮影を進めていきます。ここ最近の手順として、瀬戸はメインの撮影以外の、製品のディテールカットの撮影を行います。その数なんと15カット。メインの撮影ディレクションを行いながら、手持ちのカメラで撮影です。メインの撮影では、スタート直後のセッティングに時間がかかりましたが、イメージ設定を決めてからは怒涛の進行。撮影終了後の梱包時間まで含めても撤収時間前に余裕で終了!!こんなに早く終わったのは記憶にありません。撮影終了後にトラックに製品を積み込み、明日は勝負のロケ撮影です。 新型コロナ感染の影響もあり、ロサンゼルスでの製品撮影は一旦終了しているので、今回も国内でのロケ撮影になります。LAでは、実際お住まいになっている住宅をお借りしてリアルなインテリア空間での撮影を行ってきましたが、日本ではそのような物件がなく、ほとんどが撮影用に建てられたハウススタジオでの撮影になります。そんな作られた空間が嫌でロサンゼルスでの撮影をはじめたので、国内での撮影場所探しも強力です。コーディネーターも見つけられないようなどこにも情報が出ていない物件を瀬戸が探し出してきました。「こんなところにこんな物件があったのか・・・」ロサンゼルスやベバリーヒルズの邸宅にも引けを取らない素晴らしい物件です。ここでも18カットを撮影するというかなり厳しい計画にもと、製品搬入から建物の養生作業、既存の家具の移動と全て同時進行で進めていきました。とても広い空間と高い天井高、でも一番苦労したのが居住エリアをつなぐ廊下や階段が非常に狭いこと。ソファやテーブルも分解して運び込みました。お使いになっている家具も素晴らしいものでしたが重量も最高級!ダイニングテーブルは8人掛かりで移動しました。完全撤収の時間もありますが、陽が落ちてしまっては撮影ができません。時間との勝負でしたがここでも一気に追い込んで、予定通り撮影を終えることができました。 いくつかアクシデントもありましたが、皆さんの協力のもと事故もなく無事撮影を終えることができました。ロケでお借りしたオーナーの方にも協力的にご対応いただき本当に感謝です。(LAの撮影では、オーナーの方には散々苦労してきたので)秋の夕暮れ、製品の積み込みも終わり、クリーニングもしっかり終えて、お借りした撮影現場を後にしました。今年の新作展示会は12月6日からスタートです。今回撮影した画像は、展示会でお配りする大判のタブロイドカタログで是非ご覧ください。(開発 武田伸郎)

2023.10.30|

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アメリカの街に迷い込んだような風景

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.138 先日、家具のメンテナンス作業のため東京都の立川へ行ってまいりました。多摩エリアの中心的存在の立川市は、大型の複合施設や人気のスポットが続々オープンしている一大商業地として発展している街として知られていますが、立川といえば広大な敷地に広がる昭和記念公園があります。昭和天皇御在位50年記念事業の一環として整備された、総面積180haにもおよぶ広大な国営公園で、春夏秋冬いつ行っても季節の花が私たちを楽しませてくれる緑豊かな施設です。この自然豊かな昭和記念公園に隣接して、異国情緒にあふれた住宅エリアがあります。手入れの行き届いた芝生の庭に、白い平屋建ての瀟洒な家々が整然と並んでいます。今回お伺いしたのが、米軍基地の住宅地があった「アメリカン・ヴィレッジ」です。 国営昭和記念公園は、米軍の立川飛行場跡地につくられた都心部最大級の公園で、東京ドーム35個分の広さを誇ります。開放的な芝生広場の「みんなの原っぱ」だけで東京ドームが2つ入るほどの広さがあるそうです。最近では新春に開催される箱根駅伝の熾烈な予選会が行われる場所としても知られています。そんな昭和記念公園に寄り添うように広がっているのが「アメリカン・ヴィレッジ」。初めて訪れた場所だったのですが、晴れ渡った秋晴れの空の下、昭和記念公園の豊かな緑を背景に綺麗に刈られた芝生と白いフェンスと白い壁。平屋建ての家が立ち並ぶ風景はどこかアメリカの住宅地に迷い込んだような錯覚に陥ってしまいそうでした。このエリアは、居住者以外に車の乗り入れができないなどしっかり管理された地域とのこと、こんなに気持ちのいいところなら賃貸の空きがほとんど出ないのも納得です。 今回、この「アメリカン・ヴィレッジ」を管理している事務所棟のエントランスロビーにエーディコア・ディバイズの家具を納品させていただきました。エントランスロビーは、薪ストーブが設置された素敵な空間なのですが、元々置かれていた家具がクロームメッキのパイプ仕様の椅子と樹脂製の白い天板のテーブルでした。このスペースにお使いいただいたのが、クラシックなテイストを現代風にアレンジしたネオクラシコシリーズのNC-026ソファとNC-023ラウンジチェアです。シャープでソリッドな木部のフレームと、くるみボタンで柔らかなカーブを表現したソファシリーズは、どこか懐かしい街並みのこの建物にぴったりです。座面のウェーブスプリングとポケットコイルのダブルのクッションは、しっかりと身体を支えながらゆったりとした座り心地を感じていただけます。リビングテーブルは、天板側面に面取りを施したスクェアなフォルムに、天板下に棚板を設けた使いやすいNC-024テーブルを組み合わせました。ネオクラシコシリーズのリビングセットを置くことによって管理事務所の雰囲気が、優しく落ち着いた雰囲気になったような気がします。メンテナンス作業が終わり、帰路につく通りを歩いていると、ブロンドのショートカットの男性が白いTシャツ姿で犬の散歩をしていました。そんな風景を眺めていると日本じゃない場所にいるような気分になってしまいました。 今年は秋の訪れも少し遅いようで、気持ちのいい秋本番はこれからのようです。エーディコア・ディバイズで年に一度開催しているセールも、今年はいつもより少し遅れて開催しています。ネオクラシコシリーズの展示もしていますので、秋の夜長にゆっくりとくつろげる家具を探しにぜひご来場ください。今年のセールは11月の18日まで、WEBストアでも同時開催していますのでぜひご覧ください。(開発 武田伸郎)

2023.09.27|

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新製品開発、進めています

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.137 本当に秋が訪れるのかな・・・と思ってしまうほど今年の夏は長く厳しい暑い日が続いていましたが、最近になってようやく秋の気配を感じられる日が来るようになりました。エーディコア・ディバイズでは、毎年秋に新製品の発表展示会を開催していますが、今年も晩秋の時期に新作展示会を計画しています。秋の気配が深まった頃には正式なご案内ができると思いますのでもうしばらくお待ちください。春先から進めていた2024年モデルの新製品開発、記録的な猛暑の中でも粛々と進めていました。 エーディコア・ディバイズの製品開発のスタートは、ストーリー作りから始まります。モノの形やデザインを考えるのではなく、まずはじめに製品が生まれるためのコンセプトとストーリーを紡いでいきます。クリエイティブ・ディレクターの瀬戸が、四六時中張り巡らせているアンテナで得た情報を、あらゆる角度から分析してその年の製品コンセプトを立ち上げます。言葉にすると固すぎるビジネスワードのような印象になってしまいますが、ここでいう情報とは、日々生活している中で生まれるとても広範囲な情報のことです。TVや映画、音楽のようなエンターテイメントの要素から、食やファッションの流行、大袈裟ですが世界情勢や国内の景気動向なども含まれます。インテリアには関係のなさそうな情報でも、実はとても密接に関係しています。物を生産して販売するわけですが、経済評論家のようにマーケット分析で売れる製品を提案するのではなく、あくまでデザイナーの視点で、今の状況を見据えながら、どんな物語を皆さんにお伝えするのか、そこから新しい製品が生まれてきます。 当社では30年以上にわたり家具をお届けして来ましたが、時代によってそのストーリーは様々です。国内景気に沸いた時代にはモダンでエッジの効いたイタリアンデザインをAD CORE流に、開放的なナチュラル嗜好の時代にはA-modeを、その時々の時代性に合わせた製品をストーリーにして皆さんに提案してきました。そして今、最も重要視しているファクターが、環境に配慮した製品作りです。エーディコア・ディバイズではブランド発足当時から意識してきたコンセプトですが、カーボンフリーやSDGs、サスティナブルの取り組みが当たり前の現在、当社ではまだ家具の業界では進んでいない環境に配慮した資材使用を進めています。今年の新製品ではさらにその取り組みを進めています。 当社のモノ作りのバックボーンをご紹介してきましたが、エーディコア・ディバイズの製品がコンセプトで理論武装しただけのモノではありません。製品のストーリー以上に大切にしていることが、製品の美しさ、使い心地の良さです。製品開発はストーリー作りから始まりますが、製品デザインはドローイングブックとフリーハンドの鉛筆の線からスタートします。手描きのその鉛筆のラインは抽象的なドローイングから徐々に家具の形が現れ、手描きの最終形ではストーリーから紡ぎ出された家具のスケッチが完成します。このスケッチを元にCADによる図面データ制作を分担して進めていくのですが、このスケッチの段階でほぼ100%(?)デザインが完成されています。曲線もフリーハンドで勢いよく描かれたラインですが、図面に起こし他データと比較するとピッタリと合致します。まだみなさんにお見せできないのですが、ドローイングのスケッチから立ち上がった製品試作が徐々に出来つつあります。クッションの選択やファブリックなどのセレクトもほぼ固まってきました。新作展示会で皆様に見ていただけるまで、これから急ピッチで製品作りを進めていきます。秋の新作展示会まで、もうしばらくお待ちください。(開発 武田伸郎)