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2023.2.26 DESIGN
インテリアに欠かせないアート作品
AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.130
先日、アメリカ西海岸のロサンゼルスへ建築インテリアの視察へ行ってまいりました。アメリカのロサンゼルスを中心とした西海岸エリアは、エーディコア・ディバイズのカタログ撮影で何度も訪れた思い入れのある街です。初めて訪れた時の衝撃は今でも鮮明に記憶していますが、ダウンタウンのビル群から実際に生活している住宅建築までインテリアのダイナミックさは想像もできなかったほど素晴らしいモノでした。4年ぶりとなるロサンゼルス訪問は、コロナ禍以降初めての海外ということもあり期待度マックスでの視察となりました。
このコラムでも紹介していますが、アメリカ西海岸で非常に印象的なのが「インテリアとアート」の結びつきです。日本の場合アートは「装飾品」として扱われますが、LAでは「インテリアにアートありき」アートはインテリアと同等に扱われます。LAの建築では建物よりもアートを含めたインテリアが印象に残る素晴らしい物件がたくさんありました。アート作品は絵画からオブジェ、写真まで多岐に渡りますが、数々の素晴らしい物件にはオーナーやデコレーターのセンスが凝縮され感心するばかりでした。そのセンスを培っているのがアートを尊重する意識、アートを身近に感じることができるたくさんの美術館の存在です。初めてLAに訪問した時から今回の視察まで、毎回様々な美術館を観ることができました。レンゾ・ピアノ氏設計のブロードからLACMAに始まり、訪問するたびにいろんな美術館を巡りましたが、その間もさらに新しい美術館のオープンもありました。それほどロサンゼルスはアートにあふれた街なのだと思います。
そして今回、初めて観ることができたのが「Weisman Art Foundation ワイズマン アート ファウンデーション」です。現地でも知られていないとても貴重な美術館です。この施設はワイズマン氏が自動車販売(トヨタ自動車)で成功した莫大な資産でコレクションした美術品を、1994年にワイズマン氏が亡くなった時のインテリアとアート展示をそのまま残した自邸を美術館として公開しているアートギャラリーです。ワイズマン氏は、アート作品を収集することよりもたくさんの人と分かち合うことを大切に考え、ギャラリーや美術館に作品を展示するのではなく「アートのある生活 ハウスミュージアム」をテーマに、アートを生活の中で共有した氏の思いに沿った美術館を創りました。美術館のように作家や作品のテーマ別だったり時系列で展示するのではなく、部屋の色調に合わせたアートを集めたり空間の雰囲気に合わせた作品の展示をするなど、オーナーの主観性とその時の嗜好が色濃く反映された興味深い美術館でした。この美術館は館内の撮影が一切禁止なのですが、作品に間近に近寄って観ることが出来ます。貴重な作品は厳重に警備されている一般的な美術館では得られない貴重な体験をすることができました。
ワイズマン美術館は、時間制限や内覧規則も厳しく少人数での完全予約制になりますが入館料は無料です。他にも、美術館のスケールを超えたゲティセンターやダウンタウンのThe Broad(ブロード)なども予約は必須ですが入館料は無料です。日本では美術館はお金を払って見る場所の認識がありますが、ロサンゼルスをはじめ世界的には「アートは共有するもの」で、多くの美術館は入館料が無料です。アートというとやや敷居の高い印象を持ってしまう日本とは異なり、アートをより身近に感じているロサンゼルスではインテリアにアートを取り入れることは自然なことなのだと思います。そんな雰囲気を感じられる美術館、ホルムビーヒルズの「ワイズマン アート ファウンデーション」をぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。完全予約制で時間厳守、さらに入館は門扉から車でしか入ることができませんので(タクシーや徒歩では入館できません!!)くれぐれもご注意ください。(開発 武田伸郎)


2023.1.29 DESIGN
テーブルセッティングと家具
AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.129
新しい年が始まってはや一月が過ぎようとしています。10年に一度と言われている寒波が到来して寒さが厳しい日が続いていますが、今週東京ドームで開催されている「テーブルウェア・フェスティバル2023 暮らしを彩る器展」へ行ってまいりました。このイベントは日本各地の陶磁器をはじめ世界各国のガラスや漆器などのテーブルウェアが一同に会するフェスティバルで、毎回来場者が20万人を超える国内最大級の祭典です。新型コロナウィルス感染の影響で2020年以来3年ぶりの開催になりますが、今年は30周年の節目の年でもあり開催を待ちわびている方々で会場は賑わっていました。
各ブースでは様々なテーブルセッティングの展示がされていましたが、正式なフォーマルダイニングのテーブルセッティングでは必要とされるテーブルサイズの目安があります。1人分のスペースの目安が幅60㎝、奥行きは30㎝以上必要になります。オードブルなどを盛る大皿のサイズが30㎝前後あり、テーブル理念のサイズや対面でのパーソナルスペースの確保、テーブルの真中に敷くランナーの寸法を考えるとテーブルの奥行き寸法が100㎝は必要になります。日本のテーブルサイズに多い3X6(サブロク)と呼ばれる180㎝X90㎝のサイズでは奥行きが足りないことになります。エーディコア・ディバイズのダイニングテーブルではネオクラシコシリーズを始めフォーマルダイニングに対応するため奥行きが100㎝以上のテーブルシリーズを多数ご用意しています。毎年「テーブルウェア・フェスティバル」に出展している銀器カトラリーとリモージュ焼きの陶磁器で有名な ERCUIS/エルキューイ・RAYNAUD/レイノーさんとおつきあいが始まったのも当社の製品がフォーマルダイニング対応のテーブルを製品化しているからでした。青山のERCUIS/エルキューイ・RAYNAUD/レイノーさんのショールームでは当社のダイニングテーブルにERCUIS/エルキューイ・RAYNAUD/レイノー製品がテーブルセッティングされていますので是非ご覧になってください。
このフェスティバルは器と食卓をテーマとした国内随一のイベントでテーブルウェアのコンテストや各界の著名人をゲストに迎えてテーブルセッティングを提案する「暮らしを彩る食空間」など様々な企画展やイベントが開催されています。一口にテーブルセッティングと言っても、正式なフォーマルスタイルから自分の趣味趣向を取り込んだ強烈なインテリアまでスタイルは様々。会場では俳優さんから音楽家の方などイベントならではのテーブルセッティングも見られますのでご覧になってはいかがでしょうか。食卓を彩るテーブルセッティングの器やカトラリーとテーブルや椅子を含めたインテリアスタイルの2つの組み合わせが食空間の演出には欠かせません。食からイメージを広げて、器やカトラリーのスタイルからテーブルやチェアを決定するインテリアのコーディネートもあるんですね。
会場の東京ドームではグランドいっぱいに出店ブースが並び、様々な催しありとても楽しいイベントです。館内では器を使った試飲会や日本全国の名産地から陶磁器や工芸品の展示があり即売会なども行われています。「テーブルウェア・フェスティバル2023 暮らしを彩る器展」は、2月5日まで開催されていますのでお時間がある方は会場に足を運んでみてはいかがでしょうか。インテリアの中の「家具」とは少し違った「食や器」からアプローチしたインテリアコーディネートを見ることができると思います(開発 武田伸郎)


2022.12.22 DESIGN
メイド・イン・ジャパンのエーディコア・ディバイズ製品
AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.128
いよいよ押し迫ってきました2022年、暖かい冬が一転して厳しい寒さと記録的な積雪で一気に本格的な冬に突入した感があります。今年も様々なことがありましたが、新型コロナウイルスの感染が始まって3年、完全な収束には至っていませんが世界的にも感染防止の制限も緩和されてきて徐々に以前の生活に戻りつつあります。そんな中、製品確認と品質管理の工場検査と合わせて山形の工場へ行ってまいりました。日本海側は大雪で荒れた空模様でしたが、天候も思いの外安定していて無事工場へお伺いすることができました。
お伺いした山形の工場は、エーディコアブランドの創立時からのお付き合いのある工場で、独創的なエーディコアデザインの製品開発から製品化まで協力いただきながら関係性を築いてきました。今まで例のなかったアッセンブリーシステムの家具や難易度の高い加工をトライしながら(時にはデザイナーの瀬戸の無茶なリクエストに応えながら)技術を磨き素晴らしい家具を創り続けている工場です。優れた加工技術もさることながら、当時の家具作りの常識を覆す「受注生産システム」も、エーディコア製品から始めたシステムです。無駄なものは作らずお客様のご希望に沿った製品を必要な分だけ創る、現代のSDGsのスピリットに通じる取り組みを30年以上前から取り組んでいました。
新型コロナウイルス感染の影響やロシアのウクライナ侵攻の影響など、流通の混乱や資材不足、あらゆる資材高騰の影響を受け、モノ作りの世界では様々なダメージを受け現在でもその影響は続いています。コスト削減のために海外生産にシフトした資材や製品が入手できなくなり、今後の見通しも立たないような状態が続いています。自動車や電化製品でも何年も待たなければ入荷しないような事態も起こっています。インテリア業界のお客様からは「海外の製品が入荷しない」「需要があるのに生産の見通しが付かない」という声がたくさん上がっています。輸入家具の場合、半年待ちやそれ以上納期がかかる場合もあるようですが、当社の製品は全て国内で生産しています。昨今の様々な混乱の中、これまでと変わらない対応をしてまいりました。製品アイテムにもよりますが、受注生産システムにより2週間〜4週間の納期をいただければお届けが可能です。早期に情報をいただければ短納期でも対応は可能になります。今回の工場訪問でも受注から納期対応についても打ち合わせを行ってきました。
2023年は感染防止の制限も緩和され景気も本格的に回復してくると思われます。これから春先に向けてインテリア業界の需要期に入りますが、今後もしばらくは様々な混乱が予想されています。進行中のプロジェクトやご検討中の物件にメイド・イン・ジャパンのエーディコア・ディバイズ製品を是非ご検討下さい。今年も大変お世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。(開発 武田伸郎)


2022.11.24 DESIGN
より持続可能な製品作りへ
AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.127
東京から始まった2023年モデルコンセプト説明会が先週末の名古屋にて終えることができました。新型コロナウィルスの感染がはじまって3年が経過しようとしていますが、今年からWEBを活用した展示会からリアルなコンセプト説明会のみにしました。たくさんの方にご来場いただき、ありがとうございました。2023モデルのデザインコンセプトも好評でしたが、製品に環境性能を持たせた事に皆さんから注目が集まりました。
今年の新製品は、エーモードブランドからMD-1301チェアと1302テーブル、エーディコアブランドから2002年に製品化したMASSAシリーズと2003年モデルのソファベッド SOGNO をリニューアルしました。2023モデルは環境へ配慮した持続可能な製品作りを目指し、構造材やクッション素材の検討を重ねました。ソファ工場のある大分県の日田市は江戸時代から天領で檜や杉の生産地でした。その日田市に国産合板工場があり、森林を守る為の日田杉間伐材を利用した合板を生産していたことが今回の新製品に使用するきっかけになりました。これまではソファの構造材に南洋素材の9ミリラワン合板を使用していましたが、今年のソファシリーズには構造体に森林保全や二酸化炭素の固定に貢献する12ミリの国産杉合板を80%以上使用しました。ネジやボルトを効かせる強度が必要な箇所にのみ硬木を用いています。
チェアとソファのクッション材に使用するウレタンフォームには、工場製造時に発生する端材をリサイクルしたリボンテッドフォーム(チップフォーム)を使用しました。リボンテッドフォームはヘタリの少ないクッション材ですが、従来の製品ではベース部分のみの20%程度の使用率でした。2023モデルのソファでは、リボンテッドフォームを硬さの異なる種類を組み合わせることで80%以上使用しています。クッション材以外にもポケットコイル上部の保護材に、衣料品の端切れや残反をリサイクルしたフェルトを敷き快適性を犠牲にしない耐久性を持たせることが出来ました。また、椅子やソファの「規格ファブリック」の見直しを行い、環境や働く人にも配慮して生産されている繊維製品 Oeko-Tex Standard100「エコテックス®スタンダード100」を11アイテム採用しました。今後も環境に配慮したファブリック製品の規格採用を進めていく予定です。
エーディコア・ディバイズでは1985年創業当時から、永くお使いいただける製品を目指し「一度製品化した製品を廃番にしない」、無駄な物を作らない「受注生産のオーダーシステム」の取り組みで自然環境に配慮する製品作りに取り組んできました。2023年モデルでは、さらに環境に配慮した物作りの取り組みを進めた第一弾の製品になります。各ショールームに2023年モデルを展示していますのでぜひご覧になってください。エーディコア・ディバイズでは人と地球に優しい製品作り、サステナブルな取組みを進めていきたいと思います。(開発 武田伸郎)


2022.11.7 DESIGN
2023ニューモデル撮影レポート
AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.126
このところ一気に気温が下がり、秋を通り越して冬が到来したような寒い日が続いています。寒暖差が大きい時期なので体調管理には注意したいところですが、冷たい雨の降る10月初旬、神奈川の某スタジオで今年の新製品の撮影を行いました。試行錯誤を繰り返し、瀬戸が撮影日直前まで九州と山形の工場を行き来してようやく新製品が完成。2日に渡って仕上がったばかりの新製品の撮影に臨みました。
今年はハウススタジオでのロケ撮影は行わず、白いホリゾントのスタジオでの撮影です。ここ数年で関東エリアの巨大な撮影スタジオが閉鎖してしまい、家具の撮影が出来る広いスタジオをキープすることが難しくなっているのですが、今回は国内撮影を長年お願いしているカメラマンの丸山さんが利用しているスタジオをキープすることができました。スタジオとバックヤードがとても広く、トラックで搬入口まで着けることが出来るのでとても便利なスタジオでした。今年の新製品はサイズもゆったりしていて重量感のあるアイテムが多いので、搬入や移動が楽だったのでとても助かりました。今回は2日間でイメージカットと製品カットを50カット近く撮る予定、加えて製品の特徴を収める説明カットはデザイナーの瀬戸が自分で撮るかなり強行な分刻みのスケジュールです。家具のスチール撮影もデジタル化されて以前ほどは時間が掛からなくなったとはいえ、光や陰影を作り込んでの撮影は簡単にはいきません。綿密な香盤表を元に早朝からスタートダッシュを掛け撮影を進めました。
今年の新製品は、構造資材をできる限り国産材を用いたりクッション材にリサイクルフォーム材のリボンテッドフォームを用いるなど、環境に配慮した製品創りを目指しました。その影響もあって今年の製品は、ボリューム感としっかりと重さのある製品に仕上がりました。座り心地も上質で快適なのですが、重量があるためスタジオでのセットや移動は大変です。大きなサイズになると製品を箱から出す作業だけでも大変な場面があったのですが、撮影スタッフの皆さんの協力によって撮影をスムーズに進めることができました。メインの製品撮影を効率よく進めるかたわら、瀬戸は自前のカメラで次々と説明カットを収めていきます。プロのカメラマンが驚くほどの手際良さ、瀬戸の説明カットは先に完了、時間のかかるイメージカットも加速度的にスピードを上げなんとか予定内の時間で撮り終えることができました。
2023のニューモデルのコンセプトは「NEXT DESIGN 70’s」、どこか懐かしさもありつつ現在の視点には新鮮なスタイル。今年は視覚的にも手触りも優しい環境の負荷にも配慮したファブリックを採用して、快適でよりリラックスしたインテリア空間を意識しました。製品作りにもこだわりましたが、撮影にもこだわって良い画像が撮れたと思います。今月9日からはじまる 2023 ニューモデル新作展示で、ぜひご覧になってください。撮影した画像で製作したタブロイドをご用意してお待ちしています。(開発 武田伸郎)

