COLUMN

2021.7.27 DESIGN

広い空間を彩る大型テーブル

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.111
私たちの生活には欠かせない様々な用途のテーブル。ホームユースの主役的なアイテムでもあるダイニングテーブルですが、オフィスやコンベンションホールなどで利用される会議用などの大型テーブルもインテリア空間にとって最も重要なアイテムです。テーブルのサイズは、突き板合板やプレス機械の大きさが基準となっていて、通常は4x8サイズと言われるW2400xD1200が最大の大きさになります。しかし、当社では一般的なサイズを大きく超えるテーブルのご要望をたくさんいただきます。リビングスペースが大きい物件が増えてきたことや、企業のオフィスや重役室などにお納めする会議用等の大テーブルの需要が増えているためです。当社では、5mを超える大型のテーブルや、1枚もので3mを超える天板を製作するなど、大型のテーブルの製作を多数行っています。

お使いになる人数やシチュエーションにより、テーブルの使い方や大きさは様々です。ご家族でお使いになるのか、ゲストをお招きしてお使いになるのか、お部屋の広さやセットする椅子の数でテーブルサイズは変わってきます。当社のテーブルシリーズには、W寸法が3mを超えるNEO CLASSICOシリーズのNC-029や、規格仕様でW寸法4.8mのNC-017テーブルをご用意していますが、お客様によってはさらに大型の天板や奥行きが規格資材の定寸を超える大きさのテーブルをご希望される場合があります。

天板を2枚、3枚とジョイントして製作することが一般的にはスタンダードだったのですが、天板に継ぎ目のないグレード感をお求めになるお客様が多く、当社ではそのような大型テーブルを突き板合板から特注サイズにして、5m物の1枚天板にも対応しています。ただし、搬入が可能で、その大きさの天板を配送するトラックを手配することが必要になります。細部にこだわり、大きいサイズだからこそ全体の収まりを想定して製作することも大切です。

エーディコア・ディバイズのホームページに掲載している納入事例の「WORKS」。ホームユースやレストランの物件も多数掲載していますが、その中にもこれまでお納めしてきた大型テーブルの物件画像がたくさん収納されていますので、ぜひご覧ください。また、大企業の重役室や迎賓館、ゲストルームなどにも大型テーブルの納入実績はあるのですが、オープンにできない情報もありますので、ぜひ、詳細は当社担当営業までお問い合わせ下さい。(開発 武田伸郎)

某企業の社長室の大型テーブル。ワイド寸法が5.4mで、奥行寸法が1.8mあります。メープル材のテーブルですが圧巻の存在感です。
画像左上:某社長室の大型テーブル。ワイド寸法4メーターのテーブルでホワイトオーク材の質感が活きています。左下:ライブラリーに納品した重厚感のあるクラシカルな雰囲気のテーブルはワイドが2.7mです。右上:NC-042テーブルの特注サイズ対応。ワイド寸法3mの分割なしの1枚天板です。右下:マホガニー材をふんだんに使用したエグゼクティブなテーブル。4.2mのワイド寸法と、奥行きも定寸を超える1.3mのサイズです。

2021.6.27 DESIGN

安全な製品をお届けするために

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.110
昨年から続くコロナ渦の中、様々な取り組みや対応を続けてきましたが、1年越しの東京オリンピックもいよいよ開催されるようです。欧米ではワクチン接種が進み、自粛や制限が解除されてはじめていますが、先日イギリスでは2年ぶりのG7が開催されました。新型コロナウイルス収束に向けての議案とともに、近年世界的な指標になっている「SDGs(エスディージーズ)」の指針も改めて確認されました。最近よく耳にするSDGsですが、分かりやすく要約すると持続可能な開発目標、世界中の人々が平等かつ安全に生きることのできる社会を作るための目標「Sustainable Development Goals」の略称になります。

現代は、環境問題や安全性に関する定義も多岐に渡っていますが、統括的に捉える指標として掲げられたのがSDGsです。SDGsには資源保護や健康で安全な生活を送るためのさまざまな目標がありますが、私たちが注視するのは、例えばNo12の「つくる責任、つかう責任」。以前は経済的なメリットを優先するあまり、環境保護や安全性にあまり注力しない時代がありました。エーディコア・ディバイズの発足当時はバブルの真っ只中!より高いものが売れ、旧くなれば新しいものに買い換えることが当たり前の時代でした。しかしエーディコアのブランドコンセプトは「ご注文をいただいたモノだけを必要な分だけ受注生産でお届けする」でした。当社の代表的なチェルボも当時は生産が追いつかないほどのセールスを誇っていたのですが、製品コンセプトは「優れたメンテナンス性」でした。誕生から35年経過した現在でもお客様からメンテナンスのご依頼をいただいています。

チェルボの背と座に用いている曲面の板は、薄くスライスした木材を接着剤で重ねて整形プレスした成型合板と言われるパーツです。成型合板の芯材に用いる単板は、色や木目が不揃いでも使えるので無垢材よりもはるかに有効活用できる工法です。接着剤を併用することで薄い部材でも強度を保つことができます。当社で用いている成型合板は、接着剤を塗布した単板を成型の型にセットし、高周波プレス機で成型合板に仕上げます。巨大な高周波プレス機と強力な接着剤の組み合わせは、木製家具というより工業製品のイメージが強く、接着剤も化学素材や溶剤を使っている印象を持たれてしまいがちです。しかし、成型合板の接着剤は「小麦」と「コーンスターチ」を主剤とした、口にしても安全な自然素材を用いているのです。食材を用いた接着剤は配合比や調合は企業秘密ですが、でん粉の持つ特性を最大限引き出すことによって強度や耐久性に優れ、他の接着剤の追従を許さないものになっています。限りある資源を無駄なく最大限に活用し、必要なものだけを作る。安心して永くお使いいただける製品をお届けし、効率的にメンテナンスが出来る。いまでいうSDGsの目標に沿ったモノつくりを35年も前のブランド発足当初から行なっていたことになります。

これからの時代、資源はますます貴重なものとなり、モノを作る側の企業にも無駄なものが作れない状況になることも考えられます。もしかするといくら予算を掛けても今までのように資材を自由に使えなくなる時が来るかもしれません。でも、エーディコアでは、できる限り資源を有効活用し、スペックや仕様は変化してくるかもしれませんが、永くお使いいただける家具をこれからも変わらずお届けしていきたいと思います。(開発 武田伸郎)

 

画像左上、左下:高周波プレスの成型合板用の接着剤の原料、コーンスターチと小麦粉。画像右上、右下:接着剤の原料となるコーンスターチと小麦粉をマル秘の配合比でブレンド、攪拌します。
画像右上:接着剤をローラーに注入、単板をローラーに通して均一に塗布します。画像左:型をセットした高周波プレス機に、接着剤を塗布した単板を慎重にセットしていきます。右下:アームと背を成型合板でプレスしたパーツを使用したMD-501L

2021.5.27 DESIGN

愛着のある家具

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.109
穏やかな春の季節から、いつの間にか雨の日が続く梅雨の季節がやってきました。本格的なワクチン接種が始まりましたが、長い自粛期間の解除の見通しがまだついていませんが、普段の生活に戻るのはもう少し時間がかかりそうです。長い自粛期間の間、今までできなかったことにトライする方が増えています。何か物を作り始めたり、習い事を始めたり、身の回りの「断捨離」はちょっとしたブームにもなりました。当社で増えているのが、お使いになっている家具の張り替えやメンテナンスについてのお問い合わせです。この長いコロナ渦の中、自宅で過ごす時間が増えてきたことで椅子やソファの張替えやメンテナンスを検討する方が増えてきたのだと思います。

エーディコア・ディバイズでは、製品化した基本アイテムは廃盤にしませんので、10年、20年、中には30年以上お使いいただいているお客様もいらっしゃいます。購入いただいたお店がすでになかったり、購入ルートをお忘れになった方も製品に貼ってあるブランドマークから、ネットで探し当ててお問い合わせいただくことも多く、ブランドが継続していることに驚かれるお客様もいらっしゃいます。当社の製品の中には、構造によって傷んだ箇所だけ交換できるものや、背座のみを交換出来るアイテムもありメンテナンス性も考慮しています。以前は、お金をかけるのであれば修理ではなく新しいものに買い換えるお客様が多かったのですが、最近は買い換えるコストとあまり変わらない金額でも愛着のある家具をメンテナンスして使い続けるお客様が確実に増えています。

最近お話をいただいた事例は、 スチール脚を用いたシンプルモダンなスタイルのチェアA-modeのMD-101S。約10年間海外の方にお使いいただいていたのですが、ご主人のお使いの椅子の脚部に歪みが称してきたのでメンテナンスのご依頼をいただきました。ご主人はかなり体躯の良い方のようなのですが、椅子をお預かりすると左側のスチール脚に歪みがあり、徐々に曲がったきたということでした。10年近くお使いいただいていますので、脚部以外にも経年変化が見られましたが、張り地の天然皮革は傷みが少なく、脚部交換とクッション材の補充、天然皮革の張り直しを施したところ、見違えるような仕上がりになりました。もう一件は、ブランドの中でもヴィンテージ感漂う1990年に製品化したレジーナチェアのメンテナンスです。91年にご購入いただいて、30年間お使いいただいていることになります。さすがにこちらは張地も痛んでいましたので、クッション材のオーバーホールと張り替え、内部の木製の構造材も一部破損がありましたので大掛かりなメンテナンスとなりました。張り替えの布を天然皮革の撥水レザーでお選びいただいたこともあり、新しい椅子を購入できるほどの金額になったのですが、愛着があるからとメンテナンスのご注文をいただきました。このレジーナも革張の凛とした椅子に生まれ変わり、お客様のもとへお届けしました。これからも長い間、大切にお使いいただけると思います。

36年前のエーディコアのブランドを立ち上げる時に、それまでの家具作りの常識に抗って無駄な製品は作らず、必要なモノだけをご注文をいただいて製作するシステムを始めました。どんどん新しい製品を出しては売れなくなったら廃盤にする生産システムではなく、今でいうサスティナブルな意識に基づいたモノ作りです。生産する側だけでなく、お使いになる方もますますその意識が高くなってきています。たくさんのものに囲まれて生活してい流私たちですが、その中でも家具は愛着を持って永く使い続けていくアイテムの一つです。エーディコア・ディバイズの製品は、そんな愛着を持って使っていただける家具をイメージして創り続けています。新たな家具のお問い合わせはもちろん、お使いになっている家具のメンテナンスも是非お問い合わせ下さい。(開発 武田伸郎)

左:10年に渡り海外のお客様のご主人を支えてきたMD-101Sチェア。スチール脚に歪みが生じて、天然皮革の張りにもシワや遊びが生じていました。右:張り地の天然皮革を剥がして、クッション材を補充。張りが緩んでいた革をもう一度張り直し。スチールの脚部を交換してリフレッシュ。天然皮革はいい具合に柔らかくツヤも出て、とても10年間お使いになった椅子には見えません。
左:1990年に製品化したAD-901 レジーナチェア。30年お使いいただいている年季の入った状態です。右:撥水加工の天然皮革に張り替えて、オーバーホールされたレジーナチェア。まさに生き返ったかのような仕上がり。これから何十年と活躍しそうな佇まいです。

2021.4.26 DESIGN

様々な天然皮革をご用意しています

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.108
本格的な春が到来しとても気持ちのいい季節になりましたが、まだまだ感染対策の日々続いています。常にマスクを着用し、対面する場所ではアクリル板が置かれ、テーブルや身の回りは消毒しやすい素材がどんどん増えてきています。しかし、そんな時だからこそ天然素材の持つ柔らかで優しい質感が恋しくもあり求められているように思います。当社のマテリアルは、長年使い込んでいただける天然木や天然皮革をご用意していますが、昨年の新作に合わせて「抗ウイルス対応」の木部塗装や、抗ウイルス対応の天然皮革をいち早く開発し皆様にご紹介しました。

先日ショールームに革の製造メーカーの方が打合せに来られ、ショールームのエグゼクティブチェアーに張られている革のスムースレザーを見て「本当に良い革を使ってますね」と感心していました。スーパーブランドの財布やカバンのように、シボが均一に入った表面が本当の革と思われがちですが、本当の革は表面が薄化粧で、表面が平滑で傷が少ない物が良い革とされています。当社のスムースレザーも革本来の、血筋や自然なシワが見えやすく、下地自体がスムーズで綺麗な革が必要になり、傷の少ない2年以内の革を使用しています。スムースな表面のために少し滑りやすく、塗装も薄いので表面もデリケートです。展示のエグゼクティブチェアーもよく見ると血筋やシワなど自然な風合いがあり、経年変化も楽しめる事から革好きの方には好まれています。

当社にはランク別にそれぞれ特徴を持った天然皮革をご用意しています。お手入れが簡単で長持ちする「ゼブレザー」は、耐久性に優れた自動車のシートに使われる素材を使用し、滑りにくいシボの型押しを施した当社で人気のアイテムです。その革に抗ウイルス性能を持たせた革が「ゼブレザーAV」は表面の仕上げに抗ウイルス性能を施し、少ししっとりとした質感があります。一般的な家具用として使われるウレタン仕上げの「ソフトレザー」も型押しされた革で耐久性もあります。経年変化を楽しむには、カゼイン仕上げの使い込んだ風合いが人気の「ヴィンテージレザー」、革本来の良さを感じられる「スムースレザー」の人気も徐々に高まっています。他にも靴にも使われる撥水機能を持った「プロテクトレザー」など機能によってお選びいただけます。

しばらく続いている感染対策をしながらのライフスタイル。リモートワークやホームステイなど生活環境の変化は、インテリアや家具の世界にも影響を及ぼしています。仕事でもプライベートでも、最も身近にある椅子やソファに天然素材の革をお使いになってみてはいかがでしょうか。エーディコア・ディバイズでは3つのランクから、6アイテム、全29種の豊富なカラーやテクスチュアーの革をご用意しています。ショールームにはサンプルもご用意しています。ぜひ手に触れて天然素材の魅力を感じてください。(開発 武田伸郎)

左:革メーカーの方に「素晴らしい革ですね」と、言っていただいた最上位esランク、「プロテクトレザー」APR-5で張り込まれたデスクチェア、NC-015H 右:シボ押しが特徴的な「ゼブレザー」Aa-2で張り込まれたソファ、NC-065-1P
当社の天然皮革のバリエーション。同じブラックでも質感が異なります。 左からeaランク Aa-2、eランク ADC-6、esランク ADM-1、APR-5、AVS-2

2021.3.29 DESIGN

天然大理石模様セラミックテーブル天板

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.107
暖かい日が続き、桜の花もあっという間に満開になり初夏に向けて緑が芽吹き始めています。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言がようやく解除になり、ワクチン接種も開始されていますが感染予防の対策はまだまだ必要なようです。そんな状況の中、エーディコア・ディバイズ製品の抗ウイルス対応のお問い合わせが増えてきているのですが、昨年発表したダイニングテーブルの天板に採用した大理石テイストのセラミック天板のお問い合わせが増えてきました。

エーディコア・ディバイズ 2021モデルのテーブルシリーズ MD-1102 は、天板トップのマテリアルを、木製・ガラス・セラミックからお選びいただける仕様です。ウイルス感染対策に伴い除菌や消毒をする機会が非常に増えていますが、木製や化粧パネルでは天板に不具合が生じる可能性があり注意が必要になりますが、ガラス天板やセラミック天板はその心配があまりありません。天然石は丈夫な素材のイメージがありますが、水分や汚れがシミになったり、洗剤などでツヤや表情が変わってしまうデリケートな素材です。補修する場合は研磨や磨き直しが必要になり、コストや手間が非常に掛かってしまいます。今回採用した大理石模様のセラミック天板は、天然石のデザイン性を持ちながら機能的に非常に優れたインテリア素材です。ダイナミックな表情や微妙に変化する色合いが特徴ですが、磁器質タイルなので水分や汚れが染み込み難く、清潔で衛生的にお使いいただけます。さらに、硬度が高く鋭利な刃物やカトラリーなどでの引っ掻き傷に強く優れた耐久性を持っています。

大理石模様のセラミック素材は、まるで天然石を切り出したようなテクスチャーと一般的な石材タイルや天然石では難しい継ぎ目のない大判サイズも大きな魅力です。3メーターの巨大な原盤を加工して製作するのですが、非常に重く割れてしまう危険性がある素材なので輸送にも注意を払います。素材の特性を生かしてキッチンに使われることも多く、テーブル天板を素材合わせでお使いになりケースもあります。清潔で衛生的なマテリアルなので、キッチンワークトップや洗面カウンターにも最適な素材です。エーディコア・ディバイズのセラミック天板でスペックしている素材は、黒をベースとした大理石模様ですが、別製でホワイトやグレーの大理石模様も対応は可能ですのでぜひお問い合わせください。

MD-1102テーブルの開発にあたっては、天板素材として初めて取り入れたセラミック素材のため、加工や木部との収まりにはとても苦労しましたが、美しいディテールの存在感のあるテーブルになりました。素材として高い性能を持った大理石模様セラミック天板ですが、この素材の一番の魅力は磁器特有の深みのある表情と上質な素材感とテクスチャーです。機能だけで選ばれているのではなく、この重厚感と素材感が今のインテリアの空間に求められているデザインなのかもしれません。オフィスからパブリックスペース、様々な住空間まで皆様のインテリア空間に取り入れてみてはいかがでしょうか。(開発 武田伸郎)

MD-1102 天然大理石模様セラミック天板のテーブル。木製フレームと重厚な大理石セラミック天板の組み合わせは、重厚かつスタイリッシュ。
左上:セラミック天板は、1枚ごとに色調や光沢、柄やテクスチャーが微妙に異なります。 左下:大理石模様のセラミック素材と木ベースの柔らかな素材の組み合わせ 右上:セラミック素材特有の深みのある質感、風合いが魅力です。1枚ごとに色調や光沢、柄やテクスチャーが微妙に異なります。 右下:特注対応になりますが、ホワイト大理石模様のセラミック天板も対応可能です。