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椅子やソファの印象を決定づけるファブリック
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2024.10.30 DESIGN
東京ショールームが移転いたします
AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.150
本来なら秋本番、初冬の足音でも聞こえてきそうな時期ですが、10月の後半になっても夏日を記録する日もありますが、ようやく暑さも一段落し秋の気配を感じるようになりました。今年の夏は記録的な暑さでしたが、東京は夏日が5ヶ月以上にもなったそうで、1年の半分は夏のような気候になってしまいました。暑さで一番応えるのが日差しの中の移動です。エーディコア・ディバイズ東京ショールームは、静かで落ち着いたとても気持ちの良い場所にあるのですが、最寄りの駅から少し距離があるので、夏にご来場いただくお客様にはご負担をお掛けしていることも多かったと思います。私たちスタッフも、夏場の通勤は体に応えることもありました。そんなことが理由の一つでもあるのですが、この度エーディコア・ディバイス東京ショールームが24年振りに移転することになりました。
現在のショールームの契約上の条件から移転先のリサーチ、物件の精査や下見を行ってきました。ロケーションや周りの環境、建物の外観や内装がショールームとして適しているか等、クリアすべき要素がたくさんありますが、コストの折り合いも最も大切な条件です。これまで一旦は内定した物件もありましたが、具体的に進めていく段階で条件が合わなくなり流れてしまったこともありました。そして、今回の物件に巡り合うことができて移転先を決めました。決定する決め手となったのは、素敵な物件だったことはもちろんですが、エーディコア・ディバイズが移転するにあたり瀬戸がオーナーにプレゼンテーションした内容をとても気に入っていただき、予算的には厳しい条件だったのですがその点も可能な限りご調整いただいた事です。関係者の方が非常に協力的だったことも大きな要因でした。オーナーの方曰く「直接会いに来てプレゼンするなんて初めて」とおっしゃってました。そんな熱意も感じ取っていただき契約する運びとなりました。
正式に契約を交わし動き出したのが8月。移転オープンを12月に設定してからフル稼働で移転の準備が始まりました。苦労されている方も多いと思いますが、現在は未だかってない人手不足、特に建築内装関係はこの問題で業界全体が遅れに遅れている状況です。そんな状況を打開するため、何よりも早く内装工事の人手を確保、当社クリエィティブディレクターの瀬戸が工程管理を全て統括、本来内装設計で起こすべき図面、ショールームのインテリアプラン、照明計画、床材の選定や電気工事(コンセントの位置まで)、塗装計画からカーテン、事務所内の収納やデスク、展示スペースの什器など、全ての図面を描き上げ、内装工事が全て瀬戸の図面を元に工事がスタートしました。(内装工事用の詳細図面は、どんなに早くても数週間は掛かるのですが)照明器具やカーテンを決めるためのメーカー打合わせや、ショールーム内のディスプレイやサイン関係に至るまで詳細を詰めていきました。時間が限られていることを理由に、勢いに任せてどんどん進めて行く訳ではなく、床材の選定や壁面の色など、悩むべきところには時間を掛けて、スタッフの意見も確認しながらプランを固めていきました。(床材は、ショールームのイメージを大きく左右するファクターのため、何日もサンプルを敷き込んでは時間をかけて検討していました・・・)
現在、移転に向けて内装工事の真っ最中、12月のオープンに向けて追い込みを掛けているところです。瀬戸も、工事管理で連日現場に通っています。新製品開発の時期とも重なるため地方の工場に確認へ出張するなど大忙しの状態、そして来週は新製品の試作もアップしスタジオで撮影を行います。これからさらに様々な作業が目白押しですが、皆様に新しいショールームのお披露目と新製品の展示を見ていただけるよう急ピッチで進めてまいります。新ショールームオープンにつきましては、改めてお知らせのご連絡をさせていただきますが、当社では東京・大阪・名古屋ショールームにて11月22日まで年に一度のスペシャルセールを開催中です。この機会に、移転前の広尾ショールームにもぜひご来場ください。(開発 武田伸郎)
2024.9.30 DESIGN
椅子やソファの印象を決定づけるファブリック
AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.149
エーディコア・ディバイズの家具は、さまざまな素材を用いて作られています。いろんな加工を施された「木」や、強度や耐久性、デザインのアクセントにもなる金属類、PMMA+WOOD のアクリルに代表される樹脂材も使われています。そんな中でも重要な要素を占めるのが家具に張り込む生地、「ファブリック」です。どちらかというと、デザインや素材、構造などの要素より後回しにされがちなアイテムですが、椅子やソファに至っては、全体の印象を決定づけるのがファブリックと言っても過言ではありません。エーディコア・ディバイズでは価格帯によって7つのランク、27アイテムの計147種の豊富な規格ファブリックバリエーションをご用意しています。
家具に使われるファブリック(生地)は、椅子張り用として生産されますが、ファッションの流行などにも深い関係があります。昨今のファッションの流行やドレスコードの移り変わりでは、厚くて重厚なものより薄くて軽量、快適性を求める傾向にあるようですが、家具の世界でも同じような流れはあるようです。厚手で重厚、永年使い込むことによって馴染んできたり柔らかくなったりするようなヘビーな生地は少なくなりつつあります。一見ボリュームがありそうに見えて、実は軽やかで肌触りが良い生地が人気です。ただ、最近のファッションは流行が多岐に渡り全体の傾向が見えにくくなっているので、インテリアにファッションの流行を取り込むことも難しくなっているようです。以前のコラムでもお伝えしましたが、今年のミラノサローネでは昨年流行の兆しが見えたブークレ調のファブリックが大ブレークしさまざまなブランドで取り入れられていました。柔らかくて丸みのあるデザインとフワフワした手触りのファブリックの組み合わせです。当社でも昨年の新製品に、ブークレ調のファブリック、フロストピラーズ「FR」を規格ファブリックに採用しています。
当社の規格ファブリックは時代の流れを取り入れつつ、さまざまなインテリアスタイルに展開できるファブリックをセレクトしています。インテリアスタイルと言っても、ホームユースとコントラクトユース、施設や空間によってもファブリックに求められる要素は多岐に渡ります。色やテクスチャー、柄や織りのパターン、伸縮性や張り上がった時の仕上がり感など家具のデザインと同じくらいこだわりの選択が必要です。耐久性や強度と繊細で肌触りの良さの兼ね合い、もちろんコストパフォーマンスも大切です。そして近年では素材開発とスペックの進化も見逃せません。コットンやリネンなどの天然素材は大きな魅力ですが、ポリエステルやアクリル糸を用いた化学繊維の進化は驚くべきものがあります。見た目も触った感じも天然素材と遜色ない製品がたくさんあり、汚れが落とせる効果や製作時の使用する水量を大幅に軽減するなど環境対策にも対応した製品も増えてきました。今のモノ作りには環境対策は「避けて通れない問題」では無く、積極的に取り組むべき課題なので、当社の規格ファブリックをセレクトする上でも大事なポイントになっています。当社の現在の規格ファブリックは、27アイテム中、15アイテムが環境対策に対応した生地になっています。今後もさらに増やしていく予定です。
エーディコア・ディバイズの規格ファブリック、147種は、ホームページにて閲覧いただけるようになっています。合わせて、印刷物のA4冊子「FABRIC MATERIAL」もご用意していますので是非ご活用してください。以前の規格ファブリックのセレクトは、印刷物の総合カタログとの兼ね合いもあり、アイテムの見直しや精査は1~2年ごとでしか実施できませんでした。しかし現在はSDGs対策として、総合カタログの印刷物を廃止したためよりフレキシブルに対応できるようになりました。現在、新製品の開発に合わせて新たなファブリックのセレクトを進めています。ニューモデル発表の際には、新製品と合わせてファブリックのご提案にも注目してください。(開発 武田伸郎)
2024.8.29 DESIGN
次回が最終回?「アメリカ西海岸建築レポート」
AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.148
先週開催しましたWebセミナー「アメリカ西海岸建築レポート」ですが、皆様参加いただけましたでしょうか?アメリカはロスアンゼルスでカタログ撮影を行うようになり、撮影場所を探すために物件下見を重ねたことからスタートした西海岸の建築、インテリアレポートですが、今回でなんと27回目になります。今回も2日間の日程で1.000名を超えるお申し込みをいただき、好評の内に終了することができました。
「アメリカ西海岸建築レポート」は、当社のクリエイティブディレクター瀬戸昇が、カタログ撮影や建築見学ツアーのためロケハンや取材で実際に見てきた物件を、自身で撮影し取材した内容を皆さまにご紹介するセミナーです。下見する物件も、現地のエージェントから提案された物件ではなく、エージェントサイトの膨大な件数の中から瀬戸がセレクトし、ロケハンのリクエストをします。ロサンゼルスに行き始めた頃は、西海岸の真っ青な空と豊かな緑に囲まれた建築に、ただただ感激して見ていたのですが、場数を積むことでどんどん目も肥えてきました。数ある物件の中には、サイトの画像は綺麗ですが実際見てみるとそれほどでもなかったり、逆に期待してなかった物件が実際見てみると素晴らしい物件だったりすることも多々ありました。多くの物件を見ることで素晴らしい経験を積むことが出来ましたし、ロスアンゼルスの建築やインテリアの素晴らしさを体感することができました。そんなロケハンを重ねていくうちに「素晴らしい物件だけど、予算や間取りなど諸々の理由で今回の撮影には使用できない」という物件がいくつもありました。そんな物件を画像だけストックしているのは勿体無い、「素晴らしい物件をたくさんの方に紹介できれば」と思って始まったのが「アメリカ西海岸建築レポート」です。
カタログ撮影のための下見ロケハンでしたが、建築レポートを行うようになって瀬戸のロケハンの見方も徐々に変化してきました。後々チェックするため確認用に収めていた撮影も「レポートセミナーに使えるように・・・」体裁を整えて ”映える”画像で収めるようになりました。ロケハンをする物件も、撮影するか否かだけではなく、撮影では使用しないかもしれないけど、レポートで紹介したい物件も視察するようになりました。西海岸地区には、ビバリーヒルズをはじめ高級住宅街のエリアがいくつもあり、超モダンな住宅からクラシカルなアメリカン住宅まで眩いばかりの素晴らしいハイエンド住宅があまたの数だけ存在します。ダウンタウン地区には、F.Oゲーリー氏設計の先鋭的な「ディズニーコンサートホール」から旧い劇場を改装したアップル社の「アップルタワーシアター」のような歴史を感じさせる建築まで、魅力的な建築が目白押し、常にブラッシュアップされているので見たい建築が後を断ちません。日本ではほとんど知られていない物件が本当にたくさんあります。そんな素晴らしい物件の数々を、Webセミナーで皆様に紹介してきました。配信でお見せする画像は、現地に足を運んで実際に撮影した何千枚という画像を、一点一点画像補正しセミナー用の画像に調整します。セミナー開催後のアンケートでは「画像が綺麗で素晴らしい」とたくさんの方から感想をいただいています。(私などは、「自分の目で見てきたよりも画像で見た方が良いかも・・・」なんて思ってしまうくらい綺麗です)毎回、LIVE配信で開催しているWebセミナーですが、前日にショールームの打ち合わせ室を配信ルームにセッティング、リハーサルを行って本番に臨んでいます。機材の設置や配信中のカメラやマイクの切り替えなど、専門スタッフなどにはお願いせずに全て当社スタッフで行なっています。セミナー講師の瀬戸、PR担当の営業部長の下山含め精鋭スタッフがチームワークを活かしながら今後のWebセミナーも配信してまいります。
たくさんの素晴らしい建築物件をご紹介してきました「アメリカ西海岸建築レポート」、次回開催のインフォメーションもお伝えしておりますが、今のところ次回開催が最終回になる予定です。ロサンゼルスで長い間コーディネーターとしてお世話になっているYasukoさんが、住まいを日本に移すことになるためです。次回「アメリカ西海岸建築レポート」でご紹介する物件も、これまで以上に選りすぐりの建築、インテリアの物件ばかりをご紹介する予定です。後日、改めてご案内をしてまいりますので、皆様奮ってご参加ください。(開発 武田伸郎)
2024.7.30 DESIGN
オリンピックに沸くパリのインテリア視察
AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.147
いよいよフランスのパリで開催されるオリンピックが開幕しました。新型コロナ感染の影響により東京オリンピックから3年のインターバルで開催することになります。パリでオリンピックが開催されるのは1924年以来、実に100年振り。そんな記念碑的な2024年の春、インテリア視察の一環でオリンピック開催の準備が進むパリを訪問してきました。これまでのオリンピックは開催に合わせてスタジアムや競技場を新設してきましたが、今回のオリンピックでは可能な限り既存の施設を活かす運営計画になっています。オリンピック開幕が数ヶ月後に迫ったパリ市内、至る所で工事が進む中、インテリアの視察を行ってまいりました。
パリのインテリア視察では、ルーブルやオルセー美術館、世界で最も美しいステンドグラス建築と言われるサント・シャペル教会などを見て回りつつ、人数限定の完全予約制でなかなか見ることの出来ないルイヴィトン美術館とコルビジェの「ラ・ロッシュ・ジャンヌレ邸」を視察してきました。ヴィトン美術館はF・O ゲイリー設計の2014年にオープンした美術館。ゲーリー氏の建築といえば、LAでカタログ撮影を行ったディズニーコンサートホールにとても馴染があるのですが、ヴィトン美術館はステンレスのメタリックな外観のディズニーコンサートホールと比べて、自然に溶け込むような大らかな印象の建築に感じました。ガラス、コンクリート、スチール、そして木材と、異素材の組み合わせが柔らかい雰囲気を醸し出しているのかもしれません。市内から移動した他のスタッフとは別に、僕はブローニュの森を通って美術館へ向かったのですが、森から生えてきたように見えるこの建物は、巨大な帆船のようにも見えました。館内には建設する際の施工技術をモデルや動画によって詳しく説明していたのですが、この建築を覆っている1.5mX3m のガラスユニットを、3.600枚・全て異なる形状に曲面加工して全体を覆っているのです。その精緻さと労力に感嘆しました。
もう一件視察したのが、コルビジェ設計の「ラ・ロッシュ・ジャンヌレ邸」。ブローニュの森の東にある閑静な住宅街の中に佇む世界遺産の建築物です。1925年設計のこの建物はコルビジェ氏が提唱した近代建築の5原則を最初に試みた建築と言われています。開館時間1番乗りで予約をし、社員スタッフ4名で袋小路になったひっそりとした人気のないエントランスから、オープンと同時に入館しました。中に入ると4階まで吹き抜けになった広々としたエントランスホールの空間は、各階からの視点と空間が連続的に構成され、壁で仕切られた「部屋」としての空間構成と異なり、スロープや回廊で繋がった館内の空間はとても立体的な感じがしました。エリアごとに区切られた優しくも鮮やかな内装の色と相まって、穏やかな光を感じながら、あちらこちらを行ったり来たり、ぐるぐる歩きながら豊かな時間をちょっとだけ満喫しました。
25日のパリオリンピック開会式、あいにくの雨模様でしたがパリの名所を存分に生かした演出は素晴らしかったですね。このオリンピックでは開会式のみならずさまざまな競技の会場として、世界有数の観光名所が使用されます。コンコルド広場ではスケートボードや 3 X 3 バスケットボール、エッフェル塔下の市民公園では柔道やビーチバレー、そしてヴェルサイユ宮殿では馬術や近代5種の競技が開催されます。僕が注目しているテニスは広大なブローニュの森にある赤土のローランギャロスで開催されます。本来は年に1度のグランドスラムにしか使用しないコートです。数々の名勝負を繰り広げてきた伝統のコートで、今年のオリンピックではどんなゲームを見られるのか本当に楽しみです。(開発 武田伸郎)
2024.6.28 DESIGN
モノ作りの現場を見るということ
AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.146
エーディコア・ディバイズでは当社の家具を生産している工場を訪問して、毎年モノ作りの現場を見学する研修を行なっています。設計や開発スタッフだけでなく、営業や業務管理、経理業務に携わるスタッフ全員が工場を見学する研修です。モノ作りをしている会社では、新人研修の際に工場見学を実施することはあると思いますが、当社のように業務スタッフ含めて全員が毎年工場研修を実施する企業は少ないのではないでしょうか。自社製品がどのように作られているのかを理解することも目的の一つですが、モノ作りの大変さ、人の手がどれだけ掛かっているかということを感じてもらうための研修でもあります。今年は九州の4つの工場を見学してまいりました。
初めに訪問したのは、昨年の新製品から本格的に採用を開始した国産針葉樹合板の工場です。新製品に採用するにあたり、昨年初めて工場を見学させていただいたのですが、とても素晴らしい工場だったので今回全員で訪問させていただきました。九州の山間に広がる広大な敷地、檜の香りがする敷地内には九州から集められた針葉樹の丸太が整然と積み上げられていました。建物の中だけでなく屋外の貯木場までゴミ一つ落ちていない綺麗な工場です。木材を加工する工場で、これだけきれいな工場を見たことがありません。高度にオートメーション化された工場は、加工途中で発生する廃棄物から熱、蒸気に至るまで一切の無駄なく効率的に利用されています。資材の組み合わせ選別等もAI技術を利用し、目にも止まらぬ早さで処理していました。こんなに効率的に製品が出来る工場を見てしまったら「機械化すれば手間をかけなくても製品が出来るのでは?」と、思ってしまいがちですが・・・合板製造の肝心要の作業である、最終のプレス作業前の単板セッティングは2名体制で人の手で行っていました。どんなに自動化されてもこの作業だけは熟練した人の目でチェックする必要があるのだそうです、納得!!
ソファ工場では、見学したばかりの針葉樹合板工場を資材に用いたソファの製作工程を見ることができました。普段は仕上がった製品しか見ることがないので、ソファの骨組み、構造を見学できるのは貴重な体験です。粗々しい合板の木枠の骨組みから、座り心地の良い柔らかいソファが出来上がっていく工程は、何度見ても新鮮な驚きを感じます。様々なクッション性や丸みのある柔らかな形状の中にも、稜線を立たせながらソファを仕上げていく術は職人技そのものです。主にテーブル生産をお願いしている工場の見学では、「木」を扱う難しさ、杢理を読んだ材料の組み合わせから、木の収縮の動きをコントロールして制作する難しさを説明いただきました。どんなに正確な加工を施したとしても、それぞれの「木」の特性を掴まないとキチンとした製品には仕上がりません。そんな「木」の良さや特性をお客様にお伝えするのも私たちの大事な役目なんだと社員も感じ取ったと思います。
今回訪問したのは梅雨入り前の九州地方。ソファとテーブル工場は先日も天気予報のニュースに出ていましたが、全国でも1、2位を争う暑さの厳しい日田市。通常だったら工場内の熱気で汗だくになって視察を行なう時期でしたが、今年は梅雨入り前の曇り空のおかげもあってそこまで厳しい暑さを感じることなく研修を実施することができました。普段は会話をする機会が少ない営業や業務管理スタッフも、職人の皆さんとコミュニケーションを取ることが出来、有意義な研修になりました。研修で得た情報は、皆様にもしっかり伝えてまいりたいと思います。(開発 武田伸郎)