PMMA+Wood ダイニングチェア
木蓮科のこぶしをイメージしてデザインしました。背からアームにかけて柔らかにカーブするシェルが早春に咲く白いこぶしの花びらを、シェルを支える成型合板の脚は風になびく枝を感じさせます。透明度の高い12ミリのアクリル板を成形したシェルは、アームまで一体成形され、身体をやさしく包みます。上から下へ厚みが薄くなる不均等厚成型合板で作られた脚部は、ホワイトアッシュ材を3D形状にシェイブした座受けで接合されます。構造自体も美しい椅子になりました。
上から下へ厚みが薄くなる不均等厚成型合板で作られた脚部は、ホワイトアッシュ材を3D形状にシェイブした座受けで接合されます。構造自体も美しい椅子になりました。座は置きクッションがあるタイプとアクリルのままお使いいただけ、座の穴に止め紐を通して樹脂ボタンで固定することができ、取り外しも自由です。
透明度の高いシェルはアルコール消毒などの耐性もあり長くお使いいただけます。また、小傷はコンパウンド材で磨くことによって艶を取り戻します。樹脂を使いながらどこか懐かしい印象を受ける椅子はお使いになる場所を選びません。
■アクリル樹脂
アクリル樹脂が生まれた当時の1940 年代には透明度の高さと耐衝撃性から、その時代の最新技術で作られたレシプロエンジン戦闘機の風防に使われ、過酷な環境下での使用に耐え、パイロットの命を守ってきました。現在のジェット機にもアクリル樹脂の複合材が使われています。その後、1950 年代には椅子やテーブルの家具に未来的な素材として型成形用に使用されました。現代では透明度と耐久性が最も必要とされる水族館の水槽に使用され、接着技術の進歩から巨大な水槽を持つ水族館が続々と作られています。