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2022.4.28 DESIGNER
西海岸ロケハンの思い出
AD CORE DEVISE DESIGNER COLUMN Vol.131
まだ新型コロナ感染が収束しませんが、欧米ではマスク着用義務解除の動きが加速しています。日本では新型コロナを感染症法上の引き下げを検討する動きが出てきました。今後、引き下げになると予防接種や医療費が自己負担になる事もあり、自己での予防の必要性はより重要になりますが、、。でも、そうなると世界との移動もある程度自由になり海外旅行への夢も広がります。美容室で髪を切りながら雑誌を見ていると、見た事のある場所を使っての広告写真がありました。スパーブランドの広告写真の多くは世界統一広告が多く、そのブランドの今の販売ターゲットが見えるので、広告を見るのもこれからのデザインの方向性を感じる大切な時間です。
これはミラノサローネの展示会も同じで、販売先のニーズが企画とデザインに反映されるので、世界的なトレンドとはまた違った方向性の製品が発表される事が多くあります。これはサローネ取材を続けていた時に必ず、今のメインの販売先とターゲットを先に聞くようになってから、そのデザインを理解する事ができました。ロシア、ドバイが好調なのはロシアの富裕層がドバイにも家を持ち、そこへの販売するためのデザインだったり、最近は中国が好調なら中国人の方が好むデザインを取り込むなど、イタリア人ビジネスを理解する事ができました。ハリウッド映画に最近中国の俳優が多く使われるようになったのも、映画を中国に売り込むための手法です。これは、バブル時代に経済で世界を席巻していた日本をイメージした映画が多く作られた手法と同じです。
美容室で見た雑誌の広告はイタリアのブルネロ・クリチネリです。ブルネロ・クチネリは1978年、イタリア・ペルージャで創業したラグジュアリーブランドで、カラーカシミヤを使用したニットブランドでスタートました。ブランドのコンセプトは、スポーツシックラグジュアリーで、イタリアの職人技術を大切にしたスーツ、ジャケット、シューズ&バッグやアクセサリーをはじめ、最近では、クッションやブランケット、キャンドル、ダイニングアイテムなどライフスタイルコレクションも展開しています。その広告を日本でも見かけるようになり、ロロピアーナと同じようにスーパーブランドでなくても、高価格帯の製品が売れるようになったのかと思っていました。
そのブルネロ・クリチネリの広告で使用されていたのが、ロサンゼルスのハリウッドの崖上にピエール・コーニッグが1958年に設計し建てたケーススタディハウスNo22のスタール邸です。ここにはアメリカ西海岸で撮影をスタートする2006年に最初にロケハンした住宅で、その後、当社のツアーでは何度も訪れている場所なので、すぐに分かりました。ファッションテイストはアメリカン・トラディショナル。撮影場所からもアメリカがターゲットなのは理解できます。新型コロナ感染でスペイン風邪以上の死者数を出したアメリカではいち早く経済活動をスタートさせました。好調なアメリカを販売先のターゲットとした販売戦略なのでしょうか、、。スタール邸は何度もファッションブランドの広告に使われ、今でも世界で一番有名な住宅として知られています。久しぶりに見た広告写真にスタール邸が使われていて懐かしく思いました。
初めて訪問した2006年にはスタールの奥様がご存命で、ご主人とピエール・コーニッグの事、家の歴史など説明していただき、実際の住まいとして使われているスタール邸を見る事が出来たのは夢のような時間でした。日本建築が源流のカリフォルニアスタイルの住宅で、全ての窓が引き戸になっていて、室内に立って初めて眼下に見える景色とインテリアの融合が、まさしく日本建築から来ている事を感じました。スタール邸にはその後、何度も訪問していますが、奥様がお亡くなりになって息子さんが相続し、有料公開をされていましたが、今は他の団体が所有し予約制で1時間$60~$90の有料ツアーでの公開になっているようです。今は新型コロナの影響でツアー中止になっていますが、いずれ再開されるのではないでしょうか。
海外ファッションブランドではパンデミック終息後を見据え、リアルに人と会い語り合える、当たり前だった日々の幸せを再認識し、改めてエレガントなウェアに身を包む大切さを、素材感や作りの良さからを感じさせる広告が増えているように感じます。リモートで出歩く事が少なくなり、ファッションがイージーでラフになっているように思います。そろそろ大人のエレガントを楽しみませんか。当社でも素材感を感じるファブリックや上質な製品が出るようになってきています。来月のレイアウトセミナーではエレガントな姿勢や導線をお話ししようかと考えています。お楽しみに!(クリエィティブディレクター 瀬戸 昇)
2022.4.27 DESIGN
人や生き物に優しい環境作り
AD CORE DEVISE DESIGN COLUMN Vol.120
今から遡ること30年前、1990年代になりますが化学物質の濃度が高い空間に長時間暮らすことによって健康に影響が出る「シックハウス症候群」が問題になりました。高効率の建築資材により、人間に様々な影響が出始めていました。原因物質の一つであるホルムアルデヒドは、集成材や合板などに用いられていましたが、2003年にシックハウス対策としてホルムアルデヒドの使用が制限されました。2008年には揮発性有機溶剤の規制も始まり、住空間では天然木の床材や自然由来の塗装を用いるなど人体に優しいシックハウス対策が広がりました。その反面、有害物質を排除することにより耐久性の問題や、木材の害虫発生のトラブルなども増えてしまいました。
家具や住空間で問題に上がるのが、広葉樹を幼虫の餌とするキクイムシです。高度成長期以降、建築資材に有機化合物を使用することで症例はありませんでしたが、シックハウス対策によるホルムアルデヒドの使用廃止から、症例が認められるようになりました。キクイムシの混入は、移動中の可能性もあることから特定はほぼ不可能なのが現状ですが、当社では出来うる限りの対策を取っています。資材は人工乾燥の熱処理をしたものを入荷し、害虫駆除薬の噴霧処理、倉庫保管中はラップを巻いて害虫侵入の防御と定期的に燻煙処理も行っています。それでも稀にではありますがキクイムシの発生があります。
キクイムシが木材に被害をもたらすのは約10か月間の幼虫の時期だけで、春先に孵化した成虫は小さな穴から外に出て2週間程度で死滅します。住宅の柱や梁に使用される針葉樹は食害しないため、住居に影響を与えることはなく、塗装された木材には入り込めないため、他に害が及ぶことはほとんどないと考えられます。もちろん人体に害をあたえることはありませんが、キクイムシの発生は心象的にも気持ちのいいものではありません。万が一当社の製品で発生してしまった場合は、速やかに製品交換、他に影響が出ていないか確認いただき必要に応じて対策を取らせていただいています。
昨年から急速に対策が進んでいるSDGs対策。一時期の環境対策や健康に対する意識の変化など、総括的な問題としていろいろなことが影響し合っています。有害と思われるものを薬品などで排除する対策ではなく、食や住空間もさらに自然に優しい方向へと向かっています。人や自然に優しい環境作りが、他の生き物に対しても優しい環境にもなります。ハウスシックをはじめとする更なる環境対策と合わせて、キクイムシ対策も引き続き進めていきたいと思います。(開発 武田伸郎)
2022.4.27 PRODUCT INFO.
MD-501AL LOUNGE CHAIR
クリエイティブ・ディレクター瀬戸 昇が、デザイナーからの視点で写真だけでは伝わらない製品の魅力を動画でお伝えします。
今回はA-modeブランドから、楕円をデザインモチーフにした柔らかなデザインのラウンジチェアMD-501ALをご紹介します。
2022.4.26 PRODUCT INFO.
MD-701BC BENCH
クリエイティブ・ディレクター瀬戸 昇が、デザイナーからの視点で写真だけでは伝わらない製品の魅力を動画でお伝えします。
今回はA-modeブランドから、上質なかけ心地のベンチMD-701BCをご紹介します。
2022.4.21 SHOWROOM
丸みのあるインテリアで心地よい空間づくり
AD CORE DEVISE SHOWROOM COLUMN Vol.365(東京・広尾ショールーム)
おうち時間や在宅ワークが増え、自宅のインテリアに求められる要素も変わってきました。癒しやリラックス感といった快適さを重視する方が増えています。座り心地や使っているうえでの心地良さだけではなく、見た目にも優しい丸みのある家具が人気です。円形から緩やかにカーブを描くデザインまでスタイルは様々ですが、癒しの空間を演出する丸みのある家具選びや人気のアイテムをご紹介します。
一般的に建築やインテリアでは、直線や四角いフォルムが多く見られます。壁や建具、階段などの建築的な要素はもちろん、テーブルやソファ、キャビネットといった家具もスクエアな形が多いので、自然に直線や四角いものを選ぶことが多くなります。そんな空間の中に丸みのある家具をプラスすると、直線とのコントラストや組み合わせによって、優しい変化のある空間となります。
例えば、スクエアなフォルムで高さを抑えたデザインが人気のソファMD-805シリーズに円形のテーブルを合わせると空間が和み、会話が弾みそうなリラックスした空間が生まれます。角が無い円型なので動線にも優しく、抜け感も出ますのでお勧めです。NEO CLASSICO Heritageシリーズで人気のキャメルバックソファ046-MODELは、スクエアなボックス形状ですが、アームから背につながる緩やかなカーブが空間に優しさと華やかさを与え柔らかな空間となります。
また、ダイニングでは円型テーブルは会話が盛り上がりやすく、リラックスした雰囲気を作ります。ソファと同様に051-MODELのようなキャメルバックを持ったチェアを合わせれば、よりエレガントで優美な空間となります。ゆっくりと食事を楽しむには座り心地も重要ですが、ゆったりとしたサイズ感とハイバックのフォルムの051-MODELがお勧めです。長方形のダイニングテーブルでも角が丸いデザインのタイプは柔らかな印象になります。脚が楕円形状のダイニングテーブルMD-905に、優しいカーブのチェアMD-901をセットすると柔らかなダイニング空間になります。包み込まれるようなデザインで座り心地も良く、人気のチェアです。
ライフスタイルが変化し、インテリアや家具に求める要素が変わってきた方も多いと思います。お客様のライフスタイルに合わせて、インテリアコーディネートのご相談も承っておりますので、ぜひご相談ください。ご来場の際は図面をお持ちいただけましたら、ご案内がスムーズです。現在ショールームでは、完全予約制にてご案内させていただいておりますので、ご来場の際は事前にご予約をお願いいたします。皆様のご来場をお待ちしております。
(ショールーム担当:西條 恵理)